八木新宮特急バス
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}奈良交通 > 奈良交通葛城営業所 > 八木新宮特急バス八木新宮特急バス(新宮駅前)

八木新宮特急バス(やぎしんぐうとっきゅうバス)は、奈良交通が、大和八木駅前(奈良県橿原市)と新宮駅前(和歌山県新宮市)を結ぶ八木新宮線で1日3往復運行されるバスである[1][2]葛城営業所が担当している。

高速道路を使わない路線バスとしては日本最長の169.8キロメートル(km)を走り、バス停留所は168ある[1][注 1](平日の数値。土曜・休日は停留所166カ所、166.8キロメートルに短縮される[4])。
概要

大和八木駅を起点に[5][2]国道168号を経由して紀伊山地を南下し、山間部の県境を越えて和歌山県に入り、新宮駅[2]に至る路線である。八つの市と町を経由する[6](奈良県内では橿原市、大和高田市葛城市御所市五條市吉野郡十津川村。和歌山県内では田辺市と新宮市)。路線の全長は169.8km、停留所の数は168を数え[1]、全線の所要時間は約6時間半[7][5]

途中下車のできる企画券もある[5][8]

大和八木と新宮の直通便は、以前は川上村(杉の湯)経由の路線もあった。

長距離を運行するため、五條バスセンター、上野地(谷瀬吊り橋)、十津川温泉十津川営業所)の3か所で10分から20分程度の休憩(トイレ休憩ができるのはこの3か所のみ)[5]を行うものの、乗務員の交代は行われず、全区間1人乗務である。

また、国道は各所で改良工事(バイパス道路の建設)が進んでいるが、バスは集落のある旧道を経由する場合が多い。

かつては一部の停留所を通過する特急運転を全線で行っていたが、2002年10月1日の改正で五條バスセンター - 新宮駅間に縮小し、2014年時点では大久保口 - 十津川温泉間においてわずか数か所のバス停を通過するだけとなっている。ただし、請川 - 新宮駅間では並行する熊野御坊南海バスの一般路線よりも停車するバス停がかなり少なく、特に旧熊野川町市街地の神丸 - 新宮高校間は途中無停車となるため、実質的には「特急」である。なお、「特急」と「各停」(全停留所停車)の間の種別として「急行」が設定されていた時代もあった。

運賃表示器は、乗車整理券番号が1番から111番までと極めて多いため、表示器本体に整理券番号を表記するデジタル表示式運賃表示器を使用せず、2000年代に入っても古い幕式のものを使用していた[9]が、2008年9月よりレシップ社製LCD式運賃表示器に取り換えられている。表示器の右半分に「止まります」「発車します」などの表示のほかに、観光地などの案内なども表示される。最終的には、左半分の運賃表示部分は4ページにわたって表示されるが、乗客の降車時に整理券番号を運転士がボタン入力すると、即座に該当運賃がLCD画面に表示される仕組みになっている(1ページで30件分の表示しかできないため)。

地元住民の生活路線であると同時に観光路線でもあり、外国人も利用する[7]天辻峠猿谷ダム、十津川温泉、湯の峰温泉、新宮高校付近などでは、音声合成による観光案内が流される。放送の無い箇所でも、運転手の裁量で案内を受けられる場合がある[7]。沿線にある世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道」の登録資産(小辺路熊野本宮大社神倉神社熊野速玉大社など)へ行けるほか、大塔温泉(五條市)、湯泉地温泉・十津川温泉(十津川村)、湯の峰温泉・川湯温泉渡瀬温泉(田辺市)といった多数の温泉地を経由する。
歴史

十津川街道の進展に合わせ、1963年3月1日[10]奈良大仏前奈良市) - 新宮駅間が開業した[10][11][12]。「大仏新宮線」と名付けられたこの路線の運行距離は187.2 kmで[12]、運転開始当初は新宮市行きは「はやたま」、奈良市行きは「やまとじ」の愛称が付けられていた[13]1979年8月の時刻表では、奈良から新宮への直通便は3往復あり、うち2往復は奈良大仏前発の奈良交通担当で、残りの1往復は橋本駅発の熊野交通(現・熊野御坊南海バス、以下同じ)が担当した。

その後1983年に奈良大仏前から大和八木駅発着に変更され、八木新宮線に名称を改めた[12]。橋本駅発着便も大和八木駅発着に変更され、また熊野交通は同路線から撤退し、奈良交通の単独運行となった。

2009年4月1日のダイヤ改正で一部区間で新道経由に経路変更され、一部停留所が廃止になった。2010年4月1日の改正でホテル昴経由の路線が開設されたが、新宮駅発大和八木駅行きの1便は経由しない。同区間を走行する奈良交通の路線バスは、[1] [3] [10] [12] [161] [広域通院ライン]の各系統(区間便)が存在しているが、いずれも本数は少ない。

2014年6月6日の『読売新聞』にて、2011年の平成23年台風第12号(紀伊半島豪雨)後の乗客減少の影響により存続の危機と報じられた[14]が、6月9日に奈良交通は沿線自治体から新たな補助金を受け維持することを決めた[15][16]

2017年10月1日より外国人観光客の誤乗防止を目的に系統番号が付与され、新宮駅方向が特急301系統、大和八木駅方向が特急302系統[2]となった[17]

2022年10月1日より、土曜・日曜・祝日ダイヤのうちの1往復に「やまかぜ」という愛称が付いた[18]。「やまかぜ」は[五条駅 - ホテル昴]間の停留所のうち77カ所は通過し[注 2]、高規格バイパス道(五條新宮道路)を利用するなど一部経路を変更したもので、所要時間が約35分短縮される[18][19][20][4]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:43 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef