全裸監督
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全裸監督
村西とおる伝
著者
本橋信宏
発行日2016年10月17日
2021年4月26日
発行元太田出版
新潮社
ジャンルノンフィクション
日本
言語日本語
形態四六判
文庫判
公式サイト全裸監督 村西とおる伝 - 太田出版
本橋信宏 『全裸監督―村西とおる伝―』 | 新潮社
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ISBN 978-4-10-101982-6

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『全裸監督』(ぜんらかんとく)は、山田孝之主演で2019年2021年Netflixで制作・配信されたドラマ[1]。原作は本橋信宏によるノンフィクション『全裸監督 村西とおる伝』である。

アダルトビデオが広く普及した1980年代、度重なる浮沈を経ながら拡大路線を突き進んだ「アダルトビデオの帝王」こと村西とおる監督の型破りな半生を描く評伝[2][3][4]で、第39回講談社ノンフィクション賞最終候補となった[5]

ドラマでは、狂乱のバブル経済に沸く1980年代を駆け抜けた村西とおるの半生を描く。村西はうだつの上がらないサラリーマンだったが、あることをきっかけにAV業界へと流れ、やがて革命的成功を収めていく。だが、監督自身の破天荒な言動によるトラブルや、警察による取り締まり、ライバル企業の妨害活動、社員の横領、さらには裏社会のヤクザまでが入り乱れ、成功者となった村西の転落していく様が描かれていく。
原作

前科8犯[6]、借金50億円、米国司法当局から懲役370年を求刑された……という波乱万丈な人生を歩み、AVの帝王と名を馳せた「村西とおる」の半生を、彼の近くにいた本橋信宏が描く評伝である。書下ろしであるものの、本橋自身が過去に執筆した村西の評伝[7]やAV業界のルポルタージュ[8]などをベースに、村西へ過去30年間に行ったインタビュー取材を加えて執筆された[9]

プロローグ、エピローグを除くと第1章から第19章で構成され、すべてが数字のタイトルとなっている(例:第1章:4人、第2章:1万7000円など)。

本橋信宏『全裸監督 村西とおる伝』太田出版、2016年10月17日。ISBN 978-4-7783-1537-5。 

本橋信宏『全裸監督 ―村西とおる伝―』新潮社〈新潮文庫〉、2021年4月26日。ISBN 978-4-10-101982-6。 

配信ドラマ

全裸監督
別名THE NAKED DIRECTOR
ジャンル配信ドラマ
原作本橋信宏『全裸監督 村西とおる伝』
脚本
山田能龍
内田英治
仁志光佑
山田佳奈
総監督武正晴
監督河合勇人
内田英治
出演者山田孝之
満島真之介
森田望智
恒松祐里
柄本時生
後藤剛範
伊藤沙莉
冨手麻妙
小雪
伊原剛志
ピエール瀧
玉山鉄二
リリー・フランキー
石橋凌
國村隼
音楽岩崎太整
国・地域 日本
言語日本語
シーズン数2
製作
プロデュース橘康仁
阿久根裕行
撮影監督山本英夫
編集細野優理子
制作Netflix

配信
配信サイトNetflix
配信国・地域全世界190か国

全裸監督 シーズン1
配信期間2019年8月8日 -
各話の長さ39 - 54分
回数8
公式ウェブサイト

全裸監督 シーズン2
配信期間2021年6月24日 -
各話の長さ44 - 57分
回数8
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『全裸監督』(ぜんらかんとく、英題:The Naked Director)と題してNetflixにより製作され、シーズン1が2019年8月8日より配信[10]、2021年6月24日よりシーズン2の配信が開始された[11]。両シーズンともに全8話から構成され、総監督は武正晴、主演は山田孝之[1]

シーズン1は声優による吹き替えが12言語、各国語字幕版が28言語で用意され、190か国以上で配信された[12]

本橋信宏『全裸監督 村西とおる伝』(太田出版)に登場するさまざまなエピソードを軸に、村西の半生を虚実交えながら描いている[13]

シーズン1開始時の制作期間は2年半[14]。1本あたりの制作予算は1億円超ともいわれ[15]、平均1000?2000万円で作られるとされる日本のドラマではきわめて異例の高額な製作費が投じられた[16]

そうした手厚い体制と潤沢な予算に支えられて、ドラマの舞台となる新宿・歌舞伎町が巨大セットで再現され[17]、またハリウッドで大作を手がける制作スタッフらとも緊密に連携して制作が進められた[17]

2019年公開のシーズン1では、バブル景気にわいた1980年代の日本を舞台に、村西とおるがまずポルノ雑誌販売、そしてアダルトビデオ業界に巨大な変化をもたらすまでの村西の半生を描く[18]

2021年公開のシーズン2では、バブル景気の終焉と村西の拡大路線の破綻によって、自らの築き上げたAV帝国をすべて失ってしまう村西の転落が描かれる[19]
脚本

脚本は日本でなじみの薄いチームライティングを採用し、原作をもとに撮るべき各シーンをピックアップ。4人の話し合いによって決まったプロットを、シーンが一番見えている部分を脚本家に割り当てる、登場人物によって担当の脚本家を変えるなど独自の分担手法を行った。分担することで個性やとげがなくなる危険性もあったが、3話のAV撮影シーンを内田が執筆したことで、キャラクターやドラマの全体像が見え、脚本チームのコンセンサスが取れたという[20]

具体的には山田(能)が伏線回収、仁志がバランス調整、山田(佳)が女性的な目線と隙間の視点を担当した[21]。世界配信を意識した物語・アンダードッグな視点というNetflix側からの依頼を生かすため、原作を活かしつつも登場人物や時間軸などを大幅に変更したという[22]

総監督である武正晴はシナリオや構想がある程度進んでからの参加となった。武は元アダルトビデオ店員でリアルタイムで黒木香のいた時代を体感しており、また黒木が出ていた『朝まで生テレビ!』に観客として訪れたことがあるなど、スタッフの中で数少ない黒木香を直接見た人物で[23]、黒木の印象は演出に反映されているという[23]

2019年8月16日にシーズン2の制作が発表[11]。2021年6月24日に配信が開始された[24]。ドラマはシーズン2で完結となった[25]
あらすじ(配信ドラマ シーズン1)
シーズン1 第1話
「裏の世界」(The Hidden Side)

1980年の北海道・札幌。村西とおる(山田孝之)は英会話教材を販売する会社のセールスマンだった。仕事にはまったく身が入らず、場末の喫茶店で時間をつぶす毎日。業を煮やした上司から、トップの営業成績をもつ先輩セールスマン(板尾創路)の訪問販売に同行を命じられる。村西は渋々同行するが、訪問先の一つで初めてのセールスに成功し、セールストークの才能が一気に開花する。成功体験を得た村西は、またたく間にトップの営業成績をあげるようになった。

しかしまもなく先輩セールスマンが会社の金を持ち逃げしたため会社は倒産、突然リストラの憂き目にあう。呆然とした村西が日中に帰宅すると、妻は見知らぬ男と激しく抱き合っていた。憤る村西に妻(階戸瑠李)は「あなたとのセックスでは一度も満足したことがない」と吐き捨て、子供を連れて出て行ってしまう。

仕事と家庭を一気に失い、酒をあおるようになった村西。場末のパブでチンピラの男・荒井トシ(満島真之介)の窮状を救ったことがきっかけで、トシの手がけていたラブホテル盗聴テープの裏販売に誘われる。さらに営業先の店で、当時ビニ本と呼ばれていたポルノ雑誌に出会ったことで「エロはカネになる」ことを確信、風俗ビジネスに身を投じる覚悟を固める。
シーズン1 第2話
「無修正」(Uncensored)

村西は消費者金融から借り入れた資金で札幌の小さな本屋を買い取り、本格的にポルノ雑誌の販売を開始する。雑誌の買いつけと売り込みに村西は抜群のセンスを発揮して店は大成功を収め、店舗は北海道全域へ急拡大してゆく。

ポルノ雑誌販売大手の「ポセイドン企画」社長・池沢栄吾(石橋凌)は、この成功をおそれ、村西に店舗の買い取りを申し出る。しかし村西は自らのセンスに逆に自信を深め、申し出をしりぞけたうえで独自のポルノ雑誌製作に乗り出す。

違法すれすれの雑誌製作を引き受ける出版社探しは難航するが、ある出版プロダクションのヌード撮影現場に出向いたさい、プロダクション社長の川田研二(玉山鉄二)に出会う。川田からあなたならどう撮るかと尋ねられた村西は、沈滞した撮影現場を過激なトークで一変させてみせ、感動した川田が雑誌製作に加わることになる。

小さな印刷会社を買い取って製作したポルノ雑誌『すずらん』を自らの書店ネットワークで裏販売すると、たちまち大評判となる。地元の北海道警を贈賄で懐柔し取り締まりを逃れつづけるが、警視庁から札幌へ乗り込んできた刑事・武井道郎(リリー・フランキー)の指揮で自宅を急襲され、からくも逃れる。

このころ、のちに村西と運命的な出会いを果たす佐原恵美(森田望智)は、東京で極端に潔癖な母親ひとりに育てられながら、しだいに強まってくる性衝動と厳格な家庭とのギャップに苦しみはじめていた。
シーズン1 第3話
「ひっくり返すんだよ」(Shake Things Up)

捜査の手を逃れて東京に潜伏していた村西。東京へ訪ねてきたトシと書店の幹部(池内万作)に懇請され、札幌へ戻ることにする。しかし書店幹部は刑事・武井とつながっており、村西は札幌でついに逮捕されてしまう。

村西が拘置所にいる間に、世の中は大きく変わり始める。ビデオデッキが普及するようになり、ポルノ雑誌大手「ポセイドン企画」も最初の「アダルトビデオ」製作に乗り出していた。

出所してきた村西は時代の急速な変化に衝撃を受け、ビデオ制作を考えるようになった。そして札幌の小料理屋を営む未亡人(大谷麻衣)と一夜をともにしたとき、彼女が死んだ夫とやっていたという体位から新しいアダルトビデオの着想を得る。

そして村西はトシ・川田とともに東京・新宿の歌舞伎町に製作事務所「サファイア映像」を立ち上げ、撮影へむけて動き出す。事務所の世話をしたのは、かつて札幌で村西たちの雑誌輸送を手伝っていたヤクザの男・古谷伊織(國村隼)だった。古谷も東京へ移ってきており、しだいに勢力を伸ばし始めていた。

村西はプロの映画監督や女優を確保して最初のアダルトビデオ撮影にとりかかるが、トラブルからほとんどのスタッフが引き上げてしまう。あとに残ったメイク担当の小瀬田順子(伊藤沙莉)と、トシが連れてきた撮影スタッフの三田村康介(柄本時生)・後藤(後藤剛範)だけでAV女優の奈緒子(冨手麻妙)とともに撮影を強行する。

一方、村西を逮捕した刑事・武井は、村西を遠ざけようと考えた「ポセイドン企画」社長の池沢から賄賂を受け取っていたことが明らかになる。
シーズン1 第4話


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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