全国高等学校文芸コンクール(ぜんこくこうとうがっこうぶんげいコンクール)とは、全国高等学校文化連盟および読売新聞社が主催する文芸賞である。1年に1回開催される。 高校生及びそれに相当する者(高等専門学校3年生までに在籍する者、または高校と修業年限等が一致する学校[1]に通う者)を対象とする全国規模の文芸コンクールである。 「広く文芸作品を募集し、日本語の力と表現の可能性についての関心を喚起することにより、学校における文芸創作活動の振興と向上を図ること」を目的とし1986年より実施された[2]。 2005年にコンクール20周年を記念し、公募でマスコットキャラクターを制定した[2]。「文ちゃん」という名称で、文鳥を模しており、原稿用紙模様の体と鉛筆の形の帽子が特徴である[2]。 回年度最優秀作品作者
概要
募集部門と賞
2020年度現在、小説、文芸評論、随筆、詩、短歌、俳句、文芸部誌の7部門が募集されている。
部門ごとに最優秀賞、優秀賞、優良賞、入選が定められている(ただし、文芸評論に関しては、これまでに最優秀賞が出た例はない)。
さらに、散文、韻文、文芸部誌の3分野に対し1作ずつ文部科学大臣賞が、文芸部誌1点に対し一ツ橋文芸教育振興会賞が授与されている。また、このほかに読売新聞社賞も7分野の中から3点以内に対し授与されている。
主な受賞者
板本健太郎(七月鏡一) (札幌光星高等学校) 第1回小説部門 最優秀賞[3] ‐漫画原作者
中村好伸 (大分県立中津北高等学校) 第1回短歌部門 優秀賞(第2位)、第2回短歌部門 優秀賞(第2位)
丸山人詩 (東京都立新宿山吹高校) 第8回小説部門 優秀賞、第9回小説部門最優秀賞、第9回詩部門優秀賞、第10回小説部門優秀賞
西口有香 (和歌山県立海南高等学校) 第10回小説部門 優秀賞(第3位)[3] ‐声優、舞台女優
山内頌子 (成安女子中学校・高等学校) 第10回短歌部門 最優秀賞 ‐歌人
赤座麻里子(紅玉いづき)(石川県立金沢桜丘高等学校) 第16回小説部門 最優秀賞 ‐小説家
阿部暁子 (岩手県立花巻北高等学校) 第18回小説部門 最優秀賞[4] ‐小説家
佐藤文香 (愛媛県立松山東高等学校) 第18回俳句部門 優秀賞 ‐俳人
片川優子 (白百合学園高等学校) 第19回小説部門 優秀賞[5] ‐小説家
田口綾子 (茨城県立水戸第一高等学校) 第19回短歌部門 優秀賞[5] ‐第51回短歌研究新人賞、第19回現代短歌新人賞受賞者
生駒大祐 (高田中学校・高等学校) 第19回俳句部門 最優秀賞(読売新聞社賞) ‐第5回芝不器男俳句新人賞、第11回田中裕明賞受賞者
諏佐英莉 (愛知県立幸田高等学校) 第19回俳句部門 優秀賞、第20回俳句部門 優秀賞 ‐第9回北斗賞受賞者
巻渕郁未(巻ひかり) (青山学院高等部) 第21回短歌部門 最優秀賞、第21回小説部門 優秀賞(読売新聞社賞)[6] - 短歌集『くしゃみ』(新風舎)著者
額賀澪 (清真学園高等学校) 第22回小説部門 優秀賞 - 第24回舟橋聖一顕彰青年文学賞[7]、第22回松本清張賞、第16回小学館文庫小説賞受賞者
吉田隼人 (福島県立福島高等学校) 第22回短歌部門 優秀賞[8] - 第59回角川短歌賞、第60回現代歌人協会賞受賞者
仲村美涼 (沖縄県立首里高等学校) 第25回俳句部門 優良賞 - 琉球放送アナウンサー
黒田麻優子(黒田小暑) ((福岡)筑紫女学園中学校・高等学校) 第26回詩部門 優秀賞、第26回俳句部門 優良賞 - 第20回小学館文庫小説賞受賞者
工藤玲音(くどうれいん) (岩手県立盛岡第三高等学校) 第27回小説部門 優秀賞、第27回詩部門 優秀賞、第27回短歌部門 優秀賞 - 歌人、エッセイスト
武田穂佳 (岩手県立盛岡第四高等学校) 第30回詩部門 入選 - 第59回短歌研究新人賞受賞者
佐藤薫乃(佐藤ゆき乃)(岩手県立盛岡第三高等学校) 第30回短歌部門 優秀賞、第31回小説部門 最優秀賞 ‐第3回京都文学賞受賞者
小説部門最優秀賞受賞者一覧
「高等学校」を省略、市立・私立の場合()内に所在県を付記
(文)文部科学大臣賞/文部科学大臣奨励賞 (読)読売新聞社賞 を同時受賞
第1回1986年度真耶子 (文)板本健太郎((北海道)札幌光星)
第2回1987年度舞台裏にて (文)山西典子((石川)星稜)
第3回1988年度黒い風の森 (文)嶋田ゆみ((愛媛)済美)
第4回1989年度満天の星の輝き (文)鈴木佳子(岩手県立盛岡第三)
第5回1990年度坂の上 (文)鍋倉紀子(静岡県立清水東)
第6回1991年度薄明の中で (文)山科静枝(山口県立防府)
第7回1992年度(不明) (文)弘中典子(山口県立下松)
第8回1993年度JCAハーフ (文)柏木君子((熊本)熊本市立)
第9回1994年度二瀬橋の終わる街 (文)丸山人詩(東京都立新宿山吹)
第10回1995年度美幸 (文)大城美紀子(沖縄県立北谷)
第11回1996年度弁士の誇り (文)近藤正義(愛知県立時習館)
第12回1997年度華炎 (文)遅澤可奈子(岩手県立盛岡第一)