全国防衛委員_(ナチ党)
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全国防衛委員 (ぜんこくぼうえいいいん ドイツ語: Reichsverteidigungskommissar)又は、国家防衛委員(こっかぼうえいいいん)は、第二次世界大戦下のナチス・ドイツにおいて設置された国防機関である。総統アドルフ・ヒトラーの指令に基づいて、1939年9月1日の法令により実施された[1]
概要

ナチス・ドイツにおける戦時体制下での活動は、全国防衛委員によって統制されていれた。任命された各地の全国防衛委員長官は担当地域の軍管区(ドイツ語版、英語版)(Wehrkreis)の司令官たちと連携しつつ、ナチズムイデオロギーによる文民統制を確立することになっていた。したがって、彼らは国防に関して、軍管区のみならず各地の大管区などの政治当局に指示を出す権力を有していた。全国防衛委員は、空襲に対する防空体制の指導や、戦闘地域からの住民の避難を担当していた。防衛委員長官は内務相の監督下にあり、全国防衛大臣評議会が設けられていた。
全国防衛委員一覧

1939年9月1日の発足後、以下の大管区指導者が全国防衛委員長官に任命された。

軍管区本部画像全国防衛委員長官
第1軍管区(Wehrkreis I)ケーニヒスベルクエーリヒ・コッホ
東プロイセン大管区指導者及び州総督
第2軍管区(Wehrkreis II)シュテティーンフランツ・シュヴェーデ(de)
ポンメルン大管区指導者及び州総督
第3軍管区(Wehrkreis III)ベルリンエミール・シュテュルツ(de)
マルク・ブランデンブルク大管区指導者及びベルリン・ブランデンブルク州総督
第4軍管区(Wehrkreis IV)ドレスデンマルティン・ムッチュマン(de)
ザクセン大管区指導者及び州総督
第5軍管区(Wehrkreis V)シュトゥットガルトヴィルヘルム・ムア(de)
ヴュルテンベルク=ホーエンツォレルン大管区指導者及び国家代理官
第6軍管区(Wehrkreis VI)ミュンスターヨーゼフ・テアボーフェン
エッセン大管区指導者及びライン州総督
第7軍管区(Wehrkreis VII)ミュンヘンアドルフ・ワーグナー
ミュンヘン=オーバーバイエルン大管区指導者及びバイエルン州内相
第8軍管区(Wehrkreis VIII)ブレスラウヨーゼフ・ワーグナー(de)
シュレージエン大管区指導者及び州総督
第9軍管区(Wehrkreis IX)カッセルフリッツ・ザウケル
テューリンゲン大管区指導者及び国家代理官
第10軍管区(Wehrkreis X)ハンブルクカール・カウフマン
ハンブルク大管区指導者及び国家代理官
第11軍管区(Wehrkreis XI)ハノーファールドルフ・ヨルダン(de)
マクデブルクアンハルト大管区指導者及びブラウンシュヴァイク・アンハルト州総督
第12軍管区(Wehrkreis XII)ヴィースバーデンヤーコブ・シュプレンガー(de
ヘッセンナッサウ大管区指導者及び国家代理官
第13軍管区(Wehrkreis XIIIニュルンベルクアドルフ・ワーグナー(兼任)
第17軍管区(Wehrkreis XVII)ウィーンヨーゼフ・ビュルケル
ウィーン帝国大管区指導者
第18軍管区(Wehrkreis XVIIIザルツブルクフリードリヒ・ライナー(de)
チロルフォアアールベルク大管区指導者及びケルンテン国家代理官

1942年以降の改訂

1939年9月1日の法令では、軍管区が各地の大管区や州の区域と重なっていたので、担当地域の改訂が何度か行われた。また、防衛委員長官に任命されていない大管区指導者との対立が問題化したため、1942年11月16日に「全国防衛委員会と経済管理の統一に関する条例」が新たに布告され、各地の大管区指導者を全国防衛管区指導者(Reichsverteidigungsbezirken : RVB)に任命することでこの問題を解消させた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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