全国花火競技大会
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この項目では、秋田県で開催される花火競技大会について説明しています。

かつて同名を称した茨城県で開催される花火競技大会については「土浦全国花火競技大会」をご覧ください。

熊本県で開催される花火競技大会については「やつしろ全国花火競技大会」をご覧ください。

長野県で開催される「全国新作花火競技大会」とは異なります。

全国花火競技大会
All Japan Fireworks Competition
第88回大会提供花火(2014年平成26年))
ボレロの曲に乗せて約6分間の壮大な打上で72万人の観客を魅了した。
概要
通称、略称大曲の花火
正式名称全国花火競技大会
旧名称奥羽六県煙火共進会
開催時期8月最終土曜日
初回開催1910年明治43年)8月26日
会場・場所秋田県大仙市雄物川河川敷運動公園
打ち上げ数18000発
主催大曲商工会議所、大仙市
後援日本煙火協会経済産業省文部科学省ほか
協賛NHK秋田放送局FM秋田ほか
運営全国花火競技大会実行委員会
花火取扱全国から選抜された28社[1]
人出80万人(2010年)
最寄駅JR秋田新幹線大曲駅
外部リンク全国花火競技大会「大曲の花火」
備考:
出場業者は全3部門に参加義務あり。
昼花火の部優勝者に秋田県知事賞を授与。
10号玉の部優勝者に中小企業庁長官賞を授与。
創造花火の部優勝者に経済産業大臣賞を授与。
「2017年から昼花火の部門も内閣総理大臣賞の対象に。」昼花火、夜花火合計3部門を総合審査して最高賞の内閣総理大臣賞を授与[2]
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全国花火競技大会(ぜんこくはなびきょうぎたいかい)は、秋田県大仙市雄物川河川敷運動公園において、例年8月最終土曜日に開催される花火大会。開催地である大仙市がかつて大曲市であったことから一般に「大曲の花火」として知られている[1]。「日本三大花火大会[3][4]、かつ、「日本三大競技花火大会」の1つとされる。

1915年大正4年)から当大会の正式名称は現称であるが、約30年後の1946年昭和21年)に茨城県土浦市の競技花火大会が当大会と同名に変更したため、同年から半世紀弱の間、同名の花火大会が2つ存在する状況が続いた(この時期に「大曲の花火」の通称が浸透)。しかし、1992年平成4年)より土浦が「土浦全国花火競技大会」に改称したため、2つの大会が同名である状況は解消した。

2000年(平成12年)からは、全国で当大会と土浦の2つの競技大会にのみ内閣総理大臣賞が授与されている。日本政府国務大臣および長官から授与される賞の数は当大会が5つと、2番目に多い土浦の3つを上回って全国の競技花火大会の中で最も多い。また、日本で唯一の昼花火の競技大会もある[1]

当大会は、選抜された28社が、3部門の全てに出場し、昼花火、夜花火合計3つの部門での総合評価によって総合優勝(内閣総理大臣賞)を競う。すなわち、花火師としての総合力(ジェネラリスト)を問う大会といえる。一方、約70社が出場し、スターマインの日本一(スペシャリスト)を決める土浦とは趣旨が対照的である。

秋田県では大学など一部を除いた学校の夏休みが終わる時期(曜日配列によっては終わっている)にもさしかかることや一部の猛暑年を除くと夜の気温が下がり冷涼な気候になるため、北国の短い夏の終わりを象徴するイベントである。
概要打ち上げ終了後に観客と花火師達の間で行われる「エールの交換」(2018年)

日本煙火協会が後援し、かつ内閣総理大臣賞が与えられる花火大会は全国で当大会(2000年平成12年)?)と土浦全国花火競技大会茨城県土浦市、2000年(平成12年)?)の2大会のみであり、当大会が日本国内では最も権威のある競技大会である。会場対岸には姫神山、福伝山などがあり、それらの山に反射する音と花火観覧の邪魔になる光がないこともこの大会の自慢の1つである。1910年明治43年)に奥羽六県煙火共進会として始まり、第二次世界大戦などによる中断を経て2018年(平成30年)で92回目の開催となった。

競技は、17時頃に開始される昼花火の部と、19時頃から開始される夜花火の部からなる。規模は夜花火の部のほうが大きい。昼花火の部は5早打ち5発、割物または煙竜。夜花火の部は10号玉の部と創造花火の部で競われる。10号玉の部では10号玉2発が打ち上げられる。1発目は三重芯以上の芯入割物で、座り(最高点に達したときに開いているかどうか)、盆(真円であるかどうか)、肩(満遍なく放射状に広がっているかどうか)、消え口(星が一斉に消えるかどうか)、配色などの基準で審査される。2発目の自由玉は、1発目の芯入割物と重複しないことが条件となっている。創造花火は「花火は丸い」という概念を破り創造性を追求する。したがって、形は従来の丸型にこだわることなく三角でも四角でもよい。最近、他の花火大会でも笑顔やアニメキャラクターやヒマワリ、麦わら帽子、サングラス、時間差花火がお馴染みのものになったが、このような創作花火はこの全国花火競技大会が発祥とされている。テーマをもうけて2分30秒以内で形態、色彩、リズム感、立体感などの創造性を審査する。主流は速射連発(スターマイン)だが、8号玉早打ちでも良い。総合優勝者には内閣総理大臣賞、創造花火の部優勝に経済産業大臣賞、10号割物の部優勝には中小企業庁長官賞、昼花火の部優勝に大会会長賞が与えられる。また特別賞で文部科学大臣奨励賞がある。2010年(平成22年)には100周年を記念して100周年記念花火が打ち上げられた。また、第85回大会(2011年)から、前年の大会で内閣総理大臣賞を受賞した花火師による「エキシビジョン花火」が打ち上げられている。さらに夜花火の部では、各プログラムの合間に、協賛企業による「仕掛け花火」や「特別提供番組」などのプログラムが実施される。

競技会の合間にテーマに合わせて打上げられる、ワイドスターマイン「大会提供花火」は毎年大変な人気で、各回ごとに異なるテーマを掲げて大曲花火協同組合青年部が1年かけて製作する。「大会提供花火」は幅500?900メートルに及ぶワイドスターマイン。1セットのスターマインではなく一列に並んで何カ所も打ち上げられ、音楽に合わせて約5?7分にわたり壮大な打ち上げを行う。フィナーレの速射連発、数カ所からシンクロで上がるトラの尾、一斉に上がる銀冠・錦冠は圧巻。ドイツハンガリー台湾韓国など、海外でも「大会提供花火」の名で打ち上げられた。そのほか、夜の部オープニングの500メートル(2017年から700メートルに拡幅された)ナイアガラ付スターマイン、打ち上げ終了後に観客がライトを振って花火師に感謝を伝える「エールの交換」などが名物となっている。【ちなみに、競技玉は作った本人が打ち上げなければならない。また安全面から花火の火の粉が消えずに地面に触れたら減点などの細かな基準があり、このことからもこの大会が日本のトップクラスの競技会であるといえる。】
歴史

大仙市大曲地区にある諏訪神社祭典の余興花火として1910年(明治43年)に「第一回奥羽六県煙火共進会」が開催(仙北新報(現・秋田民報)主催)されたのが始まりとされ、1915年大正4年)によりレベルの高いものを目指し全国花火競技大会と名前を変え規模を全国に広げた。1964年昭和39年)に創造花火が生み出される。

第二次世界大戦後すぐに大会は復活したが、戦後の物資不足と混乱より観光客の数は激減した。その後も水害や競技大会という特殊な開催方法がなかなか観光には馴染まず観客は少なかった。この大会を観るのは地元民、花火業者とよほどの花火通を自認するような花火愛好家のみだった。たとえば、1982年(昭和57年)の第56回大会の観客は10万人と発表されている。しかしその後、過疎化が進む市の「町おこしイベント」として利用したい自治体が諏訪神社祭典とは独立した行事としてPRを開始(公金での宗教団体イベントのPRが憲法政教分離原則に抵触するおそれがあるため。祭典は1週間前に分離開催となる)。東北6県では有数の花火大会となり、1990年代初頭には観客動員数が40万人を越えた(当時の大曲市人口の15倍以上)。

1997年(平成9年)に秋田新幹線が開通し大曲駅に乗り入れるようになると、旅行業者、鉄道会社らが県外で競って大曲花火ツアーを企画。


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