児童精神医学
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児童精神医学(じどうせいしんいがく)または児童青年精神医学(じどうせいねんせいしんいがく、Child and adolescent psychiatry、CAP)、児童思春期精神医学(じどうししゅんきせいしんいがく)とは、小児児童期に起こる種々の精神的問題や精神障害行動障害を研究対象とする精神医学の一分野である。WHOは、全世界の児童・青年のうち約20%は精神疾患・問題を抱えているとしている[1]

精神疾患の多くは児童青年期に発症するされ[2]、全患者の半数は14歳までに発症しており、20歳中盤までに4分の3が発症している[3]。精神不調が未治療のままでは、子どもの発達、教育への適応、社会的生活において支障をきたす[3]。精神不調問題が子どもにとってスティグマにならないよう、すみやかに生徒や教師らに対してメンタルヘルス教育を施すよう勧告されている[4][3]
目次

1 定義と対象

2 臨床

2.1 治療


3 疫学

4 教育

4.1 スタッフ不足


5 批判

5.1 医薬品の過剰使用


6 脚注

7 出典

8 参考文献

9 関連項目

10 外部リンク

定義と対象

日本児童青年精神医学会は、「子どもが示す多彩な問題行動や精神身体症状を検討し、発達レベル、気質および生物学的背景、家族力動、友人関係、保育所幼稚園・学校における行動などを総合的に評価し、発達的視点を重視した診断・治療・予防を行いながら、子どもの精神的健康の達成を企図するもの」と定義している。

日本児童青年精神医学会によると、対象とする疾患群は、A 発達障害精神遅滞自閉症、特異的発達障害など)B 神経症性障害(拒食過食などを含む心身症的障害・いじめ暴力学級崩壊自殺薬物乱用を含む情緒・行動障害など)C 器質性障害(器質性行動障害、注意欠陥多動障害[5]など)D 精神病性障害(感情障害精神分裂病[6]など)E パーソナリティ障害(性格傾向の偏り、ボーダーライン・チャイルドなど)F 家庭生活における諸問題(乳幼児の虐待、養育拒否、崩壊家庭など)

である[7]
臨床

児童精神医学を実践している診療科児童精神科である。従来の精神科と区別して診療科を児童精神科、その専門医を児童精神科医と呼ぶ。2008年2月27日に厚生労働省は政令、省令の改正によって児童精神科を公式な標榜科として認めた。
治療

治療は一般的に、行動療法[8]認知行動療法[9]、問題解決セラピー[10]、力動的精神療法[11][12]、親トレーニングプログラム[13]家族療法[14]、薬物療法[15][16]などを、単体もしくは組み合わせて行われる。

介入は、小児科医からの紹介[17] プライマリケア[18]や、また学校スタッフ、未成年裁判所、社会的機関など[19]によることもある。
疫学「en:Epidemiology of child psychiatric disorders」も参照

精神疾患発症の中央値はOECD諸国では14歳前後である[2]。しかし治療受給は発症後から平均で12年後と[2]DUPの長さが指摘されており[4]、成人患者の過半数以上らは児童青年期の発症がそのまま継続したものであった[4]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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