セル・オートマトンの単位時間については「光速 (セル・オートマトン)」をご覧ください。
真空中の光速
記号c, c0
値299792458 m/s
相対標準不確かさ定義値
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しんくうちゅうのこうそく
真空中の光速
記号c, c0
系国際単位系
量速度
SI299792458 m/s
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光速(こうそく、(英: speed of light)とは、光が伝播する速さのことである[1]。真空中における光速の値は 299792458 m/s(約30万 km/s)と定義されている。この速さでは、太陽から地球まで約8分19秒[注釈 1]、月から地球まで2秒もかからない[注釈 2]。俗に「1秒間に地球を7周半回ることができる速さ」とも表現される[注釈 3]。
以下で単に「光速」と言うとき、真空中の光速を指して使うことがある。
光速は宇宙における最大の速さであり、物理学において時間と空間の基準となる特別な意味を持つ値でもある[1]。
現代の国際単位系では長さの単位メートルは光速と秒により定義されている。光速は電磁波の伝播速さでもあり、マクスウェルの方程式で媒質が真空の場合に光速が一定となるということが相対性理論の根本原理の由来になっている。
重力作用も光速で伝播することが相対性理論で予言され、2002年に観測により確認された[注釈 4]。.mw-parser-output .toclimit-2 .toclevel-1 ul,.mw-parser-output .toclimit-3 .toclevel-2 ul,.mw-parser-output .toclimit-4 .toclevel-3 ul,.mw-parser-output .toclimit-5 .toclevel-4 ul,.mw-parser-output .toclimit-6 .toclevel-5 ul,.mw-parser-output .toclimit-7 .toclevel-6 ul{display:none} 光速の記号は一般に小文字・イタリック体(又は斜体)の c または c0 [注釈 5]で表される。2006年の国際単位系(SI)の公式文書(第8版)では、記号として c0 を用いていた[2]。しかし、同文書の2019年版(第9版)においては、記号 c のみを用いるように変更された[3]。これと合わせてCODATA2018においても、記号 c0 から記号 c へ変更している[4]。 記号 c はヴィルヘルム・ヴェーバーによる「ヴェーバー定数」(Weber's constant)に由来するとともに、ラテン語で速さを意味する celeritas 近代まで、光は瞬間的に伝わるのか、それとも有限の速さで伝わるのかは不明だった。エンペドクレスは初めて光の速さは有限だと主張した。一方でアリストテレスは光は運動ではなく、瞬間的に伝わると論じた。イブン・ハイサムは光は有限の速さで伝わり、その速さは可変で、密度の高い物体では遅くなると論じた。ヨハネス・ケプラーやルネ・デカルトは、光速は無限大だと考えていた[注釈 6]。 ガリレオ・ガリレイは、遠く離れた2か所に置いたランプの合図を用いて光速を測定する方法を提案した。しかし、光速はあまりに速く、当時のいかなる計測器でもこの様な方法でわずかな時間を正確に測る事ができなかったために有意な結果を得られなかった[6]。 1676年にデンマークの数学者オーレ・レーマーは木星の衛星イオが木星に隠れる周期の変化と木星までの距離から光速を計算した。当時既に地球と木星の位置関係、ならびにイオが木星の陰に隠れる(隠蔽)周期は正確にわかっていた。レーマーは、地球が木星から遠い位置にある時に、イオが隠れる時刻を調べ、光の速さが無限大ならば常に42.5時間おきに隠蔽が観測されるはずとして「観測予定時刻」を計算した。そして地球が公転軌道上で木星に近づいた位置に移動した5ヵ月後に再度イオが隠れる時刻を調べると、「観測予定時刻」よりも早くなっている事を確認した。この結果からレーマーは、光は地球軌道の直径を横切るのに22分かかると結論した。ジョヴァンニ・カッシーニの観測より得られた地球-太陽間距離を用いると、レーマーの得た光速は約21.3万 km/s となる。これは実際の光速より3割ほど遅い数字だったが、光の速さが有限であることを証明し、その具体的な速さを初めて与えた[6]。レーマーの友人アイザック・ニュートンもこれを認め、この光速の値を著書に記した[6]。 1729年にジェームズ・ブラッドリーは季節による星の光行差から光速を求めた。彼の測定値は301000 km/sであった。 1849年、アルマン・フィゾーは、天体現象を利用せずに、回転する歯車を使って、初めて地上の実験で光速を測定した。ランプの光をビームスプリッターで直角に曲げ、筒の中で720枚の歯がついた歯車を通過させて光を等間隔に分断して放ち、約8.6 km離れた反射鏡で折り返し、筒の中で同じ歯車を通して観察した。歯車の回転が遅いうちは、凹部を通った光は反射され同じ凹部から見える。しかし回転数を上げると、やがて反射光が凸部(歯の部分)で遮られるようになる。フィゾーは、この時の12.6回転/秒から、(8.6 km)×2 = 17.2 kmを光が進む時間は(1秒)/(12.6回転/秒)/(720×2)(歯車の凸部と凹部の間の個数 = 歯の数の2倍)= 0.000055 sと計算した。これらから光速は約31.3万 km/sという値を得た[7]。 1850年にフーコーは回転ミラーを使った光速の測定を行い、水中で光速が遅くなることを実証した。真空中の光速は1862年に298000±500 km/sという値を得ている。 1873年からマイケルソンはフーコーの方法を改良して光速の測定を続けた。1926年の測定値は299796±4 km/sである。 その後マイクロ波を使う方法、レーザーの使用などにより測定の精度が高まった[8]。 1983年には、国際度量衡総会により、メートルを光速によって定義することとなった。これにより、真空中の光速が299792458 m/sと定義されたことになる。 マクスウェルの方程式によれば、電磁波の伝播の速さは次の関係で与えられる。 c = 1 ε 0 μ 0 {\displaystyle c={\frac {1}{\sqrt {\varepsilon _{0}\mu _{0}}}}} (c は一定) ここで、ε0 は真空の誘電率、μ0 は真空の透磁率である。ジェームズ・クラーク・マクスウェルはこの式を観測ではなく理論から導いたが、判明していた値 ε0 = 8.85×10?12 F/m、μ0 = 1.26×10?6 H/m を代入すると、真空中の電磁波の速さが約30万 km/sとなり、フィゾーが測定した光速とほぼ一致した[9]。この事から、マクスウェルは当時正体がよくわかっていなかった光の波が電磁波の一種であることを提唱した[9]。
記号と由来
記号 c, c0
記号 c の由来
光速の測定
電磁波の伝播と光速
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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