光文社古典新訳文庫(こうぶんしゃこてんしんやくぶんこ)は、光文社が発行している文庫本レーベル。2006年9月創刊。キャッチコピーは「いま、息をしている言葉で」。
文学作品から哲学書まで、古典と呼ばれる作品を現代の読者にも読みやすい日本語で新訳するのがコンセプトの文庫シリーズ。表紙のイラストはすべて望月通陽。装丁は作品の言語圏別に5色に分類されている(青色はフランス語・イタリア語圏、赤色はロシア語圏、茶色はドイツ語圏、緑色は英語圏、桃色はその他、スペイン語・朝鮮語・近代中国語・近代日本語・古典日本語・古代ギリシャ語・パーリ語・ラテン語・ポルトガル語圏)。 2008年にはドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(亀山郁夫訳)の売上が全5巻合わせて100万部を突破したと発表され、社会現象にもなった。 一方で翻訳方針に対して、批判もあり、木下豊房(国際ドストエフスキー学会副会長ほか)から、余りに誤訳が多いなどの批判がなされた[1]。野崎歓訳『赤と黒』は編集部も交えた論議を呼んだ(野崎歓#『赤と黒』翻訳論争)。 他にも、藤井一行は、自身のホームページにて、同文庫での森田成也訳のトロツキー『レーニン』、『永続革命論』に、誤訳が多数あることを指摘し、誤訳の指摘と改訳の事実を伏せたまま改訳を行っている同文庫の編集姿勢を強く批判している[2]。 刊行日色書名著者訳者元出版年備考
反響と批判
新訳文庫・刊行一覧
2006092006年9月緑リア王シェイクスピア安西徹雄1608年
2006092006年9月赤初恋トゥルゲーネフ沼野恭子1860年
2006092006年9月青マダム・エドワルダ / 目玉の話バタイユ中条省平
2006092006年9月茶飛ぶ教室ケストナー丘沢静也1933年
2006092006年9月 -
2007年7月赤カラマーゾフの兄弟ドストエフスキー亀山郁夫1880年全5巻
2006092006年9月茶永遠平和のために / 啓蒙とは何か 他3編カント中山元1795年
2006092006年9月青ちいさな王子サン=テグジュペリ野崎歓1943年
2006092006年9月青猫とともに去りぬロダーリ関口英子
2006102006年10月赤イワン・イリイチの死 / クロイツェル・ソナタトルストイ望月哲男
2006102006年10月緑黒猫 / モルグ街の殺人ポー小川高義
2006102006年10月赤帝国主義論レーニン角田安正1917年
2006102006年10月青海に住む少女シュペルヴィエル永田千奈1931年
2006112006年11月緑ジェイン・エアC・ブロンテ小尾芙佐1847年上・下
2006112006年11月緑クリスマス・キャロルディケンズ池央耿1843年
2006112006年11月赤鼻 / 外套 / 査察官ゴーゴリ小尾芙佐
2006122006年12月緑ドリアン・グレイの肖像ワイルド仁木めぐみ1890年
2007012007年1月緑ジュリアス・シーザーシェイクスピア安西徹雄1599年
2007012007年1月緑プークが丘の妖精パックキプリング金原瑞人
三辺律子
2007022007年2月青恐るべき子供たちコクトー中条省平
中条志穂1929年
2007022007年2月茶ヴェネツィアに死すマン岸美光1912年
2007032007年3月赤レーニントロツキー森田成也
2007042007年4月緑箱舟の航海日誌ウォーカー安達まみ
2007042007年4月青神を見た犬ブッツァーティ関口英子
2007052007年5月緑秘密の花園バーネット土屋京子1911年
2007052007年5月赤地下室の手記ドストエフスキー安岡治子1864年
2007062007年6月緑ヴェニスの商人シェイクスピア安西徹雄1605年(初演)
2007062007年6月緑おれにはアメリカの歌声が聴こえる ――草の葉(抄)ホイットマン飯野友幸
2007082007年8月緑武器よさらばヘミングウェイ金原瑞人1929年上・下
2007082007年8月 -
2007年12月青赤と黒スタンダール野崎歓1830年上・下
2007082007年9月茶変身 / 掟の前で 他2編カフカ丘沢静也
2007092007年9月茶幻想の未来 / 文化への不満フロイト中山元
2007092007年9月緑新アラビア夜話スティーヴンスン南條竹則