光化学反応
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、光合成に関する化学反応について説明しています。一般の光による化学反応については「光反応」をご覧ください。
.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この記事は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方
出典検索?: "光化学反応" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2016年5月)

光化学反応(こうかがくはんのう、英語: photochemical reaction, light‐dependent reaction)は、物質がを吸収して化学反応を起こす現象であり、一般には、色素分子光エネルギーを吸収し、励起された電子が飛び出し、物質の酸化還元を引き起こすものであるが、特に生物学光合成の過程に含まれるこのような化学反応を指す。光合成における光化学反応では、特定のクロロフィル分子がこの反応を起こし、還元物質NADPHATPの合成の源となる。酸素発生型光合成では光化学反応によりを電子供与体として用い、酸素を発生し(=水の光分解)、炭酸ガスを還元する。光合成系に含まれる多数のクロロフィル分子のうち光化学反応を起こすのは特定の分子(二量体)だけなので、クロロフィルの特別ペア (special pair) という。これ以外のクロロフィルは、集光色素または電子受容体などとしてはたらく。

なお、光化学反応は広義には「光化学反応に関わる電子伝達系全て」を指すが、狭義には「光エネルギーの関与する光化学系複合体I、IIの反応」を指す。本記事では広義の光化学反応を解説する。明反応(めいはんのう)などとも呼ばれている。
光化学反応の種類

光化学反応は、その電子伝達過程によっていくつかの種類がある。また酸素発生型と酸素非発生型の光合成も光化学反応を担う複合体の数や種類などが異なっている。

酸素発生型

非循環的電子伝達系

循環的電子伝達系


酸素非発生型

緑色硫黄細菌型(循環型光リン酸化)

紅色非硫黄細菌型(非循環的光リン酸化)

この中でも、緑色植物の担う酸素発生型光合成の非循環型電子伝達系が「水の光分解」、すなわち酸素の発生に関与する光化学系反応であり、もっとも研究が進んでいる。循環的電子伝達系は緑色植物の中ではATP合成の補助的な役割を担っていると考えられている。なお、酸素発生型の光化学系複合体 (I, III) はそれぞれ、酸素非発生型の光化学系複合体と相同性があると言われている。詳細は以下に述べる。
非循環的電子伝達系

光化学反応の非循環的電子伝達系は水の光分解を行い、植物のみならず地球科学的にも非常に重要な反応を担っている。しかしながら、いくつかのタンパク質複合体が関与する複雑な反応系の一つでもあり、その詳細が今でも明らかになっているとは言いがたい。しかしながら、光化学反応の最初の研究でもあるヒル反応が観察された1939年以降、光化学系複合体の反応中心粒子の立体構造が明らかになり、その電子伝達過程が極めて短い時間内におきていることも明らかになっている。以下に、光化学反応を担当するタンパク質複合体および個々の電子伝達反応について述べる。

光化学反応は以下のタンパク質複合体により行なわれる。

光化学系複合体II(光化学系II)

シトクロムb6/f複合体

光化学系複合体I(光化学系I)

CFo-CF1ATP合成酵素

上記のタンパク質複合体は全て葉緑体のチラコイド膜に配置しており、構造解析は困難を極める。

非循環的電子伝達系を単純化すると、以下の段階に分けられる。
光化学系IIにて光エネルギーを吸収し、色素分子が励起されて複合体全体で酸化還元反応が起き、が分解されて電子が引き出される。この時に、発生するプロトンはそのままプロトン濃度勾配となる。

光化学系IIで供与された電子はプラストキノンを通じてシトクロムb6/f複合体に伝達され、プロトンポンプおよびスカラー反応が起き、プロトン濃度勾配が形成される。

電子はシトクロムb6/f複合体からプラストシアニンを通じて光エネルギーを受けて励起した光化学系Iに伝達される。

光化学系Iで再び電子は光エネルギーを受けて励起され、酸化還元電位の低いフェレドキシンに伝達される。

還元型フェレドキシンは、光化学系Iに含まれるフェレドキシン-NADP+レダクターゼ (FNR) で触媒され、光化学系の最終的な還元物質NADPHが生産される。

1.および2.で発生したチラコイド内腔側に発生するプロトン濃度勾配を利用してCFo-CF1ATP合成酵素でATPのリン酸化が行なわれる(光リン酸化)。

5.および6.で合成されたNADPHおよびATPは、カルビン - ベンソン回路にて炭酸固定に用いられる。なお、非循環的電子伝達系の収支式は以下の通りである。

12H2O + 12NADP+ → 6O2 + 12NADPH + 12H+in

72H+in + 24ADP + 24Pi(リン酸) → 72H+out + 24ATP

光化学系II(PSII)における反応

光化学系II(PSII)では水の光分解を行い酸素を発生し、得られた電子プラストキノン(plastoquinone)に伝達する反応が行なわれる。同時にプロトン濃度勾配の形成も行なっている。PSII pigment-protein complexはヨハン・ダイゼンホーファーロベルト・フーバーハルトムート・ミヒェルらが三次元構造を決定し、2002年には日本の沈建仁(岡山大学)、神谷信夫(大阪市立大学)らのグループ、2004年ロンドンのBarberらのグループそして2005年ベルリンのZouniおよびSaengerらのグループによるX線結晶構造解析によって、その構成が明らかになりつつあるが、全構成要素の帰属、特に マンガンクラスターと呼ばれる活性中心の詳細な構造は明らかになっておらず、光エネルギーの産業的利用の面からもさらなる高分解能の構造解明が待たれるところである。

反応中心(反応中心P680、4つのクロロフィル=マルチマーモデル)

アンテナ色素タンパク質

酸素発生に寄与すると考えられる3種類のサブユニット

他、機能不明の数種のサブユニット

水の光分解活性中心としてマンガン、他カルシウム塩素といった無機イオン

PSIIは紅色光合成細菌の反応中心(bacterial photosynthetic reaction center、bRC)と配列類似性が高いと言われている。以下に、反応ステップの詳細を述べる。
アンテナ色素タンパク質によって集光された680 nmの波長の光でクロロフィルの反応中心のクロロフィルが励起される。

クロロフィルマルチマーから電子が放出されフェオフィチンPheoD1へ電子が移動する。

電子はプラストキノンQAさらにプラストキノンQBへと移動する。QBは2回還元されてQBH2を形成した後、タンパク質内の結合サイトから離脱、キノンプールへ移動する。

2.の反応と共役してマンガン・カルシウムクラスター (Mn-cluster) が酸化される。マンガンクラスターの酸化状態は最も酸化度の低いS0状態からS1、S2、S3とさらに酸化された状態をとることができる。最終的に遷移状態のS4を経てS0状態に戻る際に、水分子がマンガンクラスター上で酸素分子に酸化される。

S0状態が最も酸化度は低いが、通常マンガンクラスターは通常S1状態での存在がもっとも多く見受けられる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:35 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef