光とともに…
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光とともに…?自閉症児を抱えて?
ジャンル
ファミリー
漫画
作者戸部けいこ
出版社秋田書店
掲載誌フォアミセス
発表号2001年 - 2010年5月号
発表期間9年
巻数全15巻(文庫版 全10巻)
ドラマ
原作戸部けいこ
脚本水橋文美江
演出佐藤東弥、佐久間紀佳
制作日本テレビ
放送局日本テレビ系列
放送期間2004年4月14日 - 6月23日
話数全11話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画テレビドラマ
ポータル漫画テレビドラマ

『光とともに…?自閉症児を抱えて?』(ひかりとともに じへいしょうじをかかえて)は、戸部けいこによる日本漫画で、自閉症児とその家族の抱えるエピソードを描く[1]2000年11月号から『フォアミセス』にて連載開始[2]2004年第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞[3]。2004年に日本テレビ系「水曜ドラマ」枠でテレビドラマ化された[4]

2009年3月号を最後に作者の病気療養のため休載となった[2]。2010年1月28日に作者が死去[5]、『フォアミセス』2010年4月号、5月号に病床に残された未発表の遺稿が掲載された[2]。その後、単行本化されていない原稿と病床に残されたネームなどをまとめた単行本の最終巻(第15巻)が刊行された。

2016年、作者デビュー30周年を記念して『フォアミセス』2016年3月号で特集が組まれ、残されたネームに生前戸部と親交のあった漫画家の河崎芽衣がペン入れをし、完結編として掲載された[6]
作品

綿密な取材に基づいて自閉症を描写している。サラリーマン家庭の東(あずま)家に生まれた光(ひかる)が自閉症であることが判明し、それに対する家族の葛藤や日常生活の大変さ、自治体の福祉政策の未整備などによる翻弄、保育園から小学校特別支援学級[注釈 1]での生活を経て、中学校の特別支援学級へ進学した光の成長と新たなる問題などが描かれている。

作者の次男の保育園卒園式においての、自閉症の同級生のエピソードが執筆のきっかけとなった。以後、その子の家族の話もストーリーの参考にしている[7]

2010年2月9日時点の累計発行部数は約240万部[8]。韓国・香港・台湾・アメリカ合衆国・カナダでも、現地語に翻訳され、出版されている。
登場人物
東家

第13巻まで「東京のA区竹山」という町の分譲マンションに住んでいたが、第14巻で雅人の転勤を機に一家揃ってS区の雅人の実家へ転居し、雅人の母と同居を始めた。
東 光(あずま ひかる)
この物語の主人公。東家の長男。生まれた時にきれいな朝日に幸子が感動したため、光と名付けられた。誕生直後から「抱っこを嫌がる」「夜になっても寝ようとしない」など周囲の子たちと違った面が見受けられ、1歳半健診で聴覚障害を疑われ、後に自閉症と診断される。知的障害と、首から上の感覚過敏も伴っている。騒音やなどが苦手であり、キラキラ光る物や綺麗な物、などを好み執着する。未就園時代にはベビーカー、小学生時代は登下校時の通学帽着用に強いこだわりを持っていた。何かあったときに「きーっ」と叫ぶのが癖。好物はカニカマ・キャベツの卵炒め。世の中のルールが上手く飲み込めず、幼い頃は不法侵入および器物破損万引き未遂、無賃乗車無銭飲食など頻繁にトラブルが起こっていた。中学生となった現在では、思春期特有の心身の問題や、見知らぬ他人の行動を執拗に注意するなどの問題も発生しつつある。きのこを食することは苦手だが、きのこを模したゲームキャラクター「チョコビ」が好きで、テーマソングも歌える。2歳半頃からの福祉センターの母子通園を経て、七月町保育園を1年保育で卒園し、七月小学校卒業。穂田中学校に入学し2年時の1学期まで在学していたが、一家の転居に伴いS区の亀宮中学校に転校した。光のことを知らない通りすがりの女子中学生曰く、「ウエンツに似ている」。血液型はA型。
東 幸子(あずま さちこ)
この物語のもう一人の主人公。光の母親。旧姓西山。一人っ子として育ち、反抗期もいじめもなく、何不自由もなく育ってきた。尾崎豊の曲が流行した頃に中学時代を過ごし高校までは地元の公立校を卒業、お嬢様が多く在籍する短大を卒業後就職した。雅人とは会社で出会い、結婚。光の保育園入園と同時期に、経理事務の経験を生かし、会計事務所のパソコン入力業務を主とした在宅ワークを始める。悩み、傷つきながらも光の障害を受け入れ、笑顔で育てている。特技は人間観察カラオケで歌うことが苦手。
東 雅人(あずま まさと)
光の父親。IT企業「ジャパネット」勤務。地元の名士の長男で、区立開明小学校卒業後、私立の男子校に就学し、大学は理系学部を卒業、会社では20代ながら昇進を見込まれていた。光が小さい頃は、自分の幼少期から受けた両親からの教育の影響で家庭よりも仕事が大切と思い、家のことを顧みず世間体を気にしてばかりであった。新婚のときはそのような性格は出さず、優しい性格だったが、光の自閉症が判明したことで、幸子との言い争いが絶えなかった。しかし自らが過労で倒れ、幸子たちが今まで彼女や光にあたっていた自分のことを心配に病院へ駆けつけてきたことに改心し、子供たちの面倒を見たり幸子を気遣ういいお父さんになった。過労で倒れ回復後は閑職へ回されるが、しばらくして復帰。その後、上司とのいざこざから地方の事業所へ左遷されるが、障害者支援が絡んだ企画書が専務取締役の目に止まり、本社へ返り咲く。本社復帰後は地方の事業所の人脈や環境を活かし特例子会社「ジャパネットきのこ園」を立ち上げ、同社のCMにも出演した。現在、転勤により神奈川の事業所に勤務。幸子と結婚する以前から会社などで女性に人気があり、ライバルが多い中、幸子に告白された。
東 花音(あずま かのん)
光の妹で7歳年下。東家の長女。父親の出張中の台風の日に生まれる。出産中にカノンが流れていたことと、「花のような子が訪れた」という意味で花音と名付けられた。自分の意見をはっきり言う性格なので、光とはたまに喧嘩をしている。しかし、クラスメートなどからの兄をバカにするような発言を耳にすると、兄の行動についてサラッとフォローしたり、時には悔しさのあまり取っ組み合いの喧嘩をするなど、実は非常に兄思い。お転婆ではあるが容姿は可愛く、子供モデルの事務所への登録を勧められたこともある。ほとんど手のかからない子として育ってきたが、どうしても兄中心に家族の生活がまわっているせいか、幼い頃から自然と我慢強さが身についており、両親や祖母、周りの友達への気遣いの心も強い。それゆえに辛さを一人で抱え込んでしまう節がある。しかし、母親の幸子には普段からよく懐いており、甘えることもある。また、成長してからも、兄の光のサポートなどで、幸子の右腕的な役回りを買って出る様子も見られるなど、幸子を慕う心は強い。幼い頃から人形の「ニノくん」が好きで、現在でも辛いことがあると話しかけたり添い寝したりしている。将来の夢は「(海七太君の)お嫁さん」「犬を飼いたい」。七月町保育園卒園後、七月小学校に就学し学童保育にも所属。同時期にトランポリンを習い始めた。しかし、一家の転居のため、1年の2学期より父親の母校でもある開明小学校へ転校予定である。幼少時は、光と一緒に視聴する男の子向けテレビ番組の影響による言葉遣いの悪さを雅人の母から指摘されたこともあったが、小学生になった現在では目立たなくなっている。
七月小学校教師
吉沢校長
七月小学校の前校長。女性。光が5年生になる前の春休みに
クモ膜下出血で急逝する。光のあさがお教室編入希望に対し、受け入れに積極的であった。また、校長の立場でありながら毎朝校門前に立ち、生徒一人一人に声をかけ目を配らせていた。その教育姿勢は、亡き後も七月小学校の若い教師たちに引き継がれて行った。酒豪で、趣味は油絵宗教やしきたりなど細かいことに囚われない性格であった。女手ひとつで一人息子を育て上げた。
青木 繁(あおき しげる)
光が1年生?4年生のときの、あさがお教室(特別支援学級)の担任。特殊教員免許保有者。光たちをきめ細かく指導してくれており、保護者の信頼も厚い。現在は島田小学校勤務。
若林 紀子(わかばやし のりこ)
光が1年生の時の交流学級の担任。また、光が4?5年の時に在籍していたお料理クラブの顧問。光が4年生の時の冬に青木先生と結婚し[注釈 2]、6年生になる前の春に異動。
甲田 徹(こうだ とおる)


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