優駿の門
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優駿の門(ゆうしゅんのもん)は、やまさき拓味作の競馬漫画週刊少年チャンピオン1995年1+2号から2000年52号まで連載された。単行本は全33巻。



主な登場人物
野山厩舎関係
光優馬
関東地方競馬場の野山厩舎に所属する騎手調教師・捨造に10年に1度の天才、当時の日本ダービー優勝賞金である1億3000万円を契約金として払ってやるなどと言われスカウトされ、騎手となった。競馬学校時代は規律を全く守らない問題児扱いだったが、その天才性は認められていて早々に競馬学校では教えるべきことはないと判断され、中央競馬学校生との諍いの後に表向き退学扱いとして代わりに3年間北海道の牧場で実習を経て特別に地方競馬騎手免許を取得している。JRAトップ騎手・左京を「うんこたれ左京」呼ばわりしているが、仲はとても良い。照れ屋なのか、素直に優しさを見せることはほとんどなく、一見冷たく見えるが思いやりのある行動をとる。特に行為を持っているきな子には顕著。義理も固く、一度交わした約束を反故にすることもない。反面、唯我独尊なところがあり、命令される事を嫌って捨造からの指示にはほとんど逆らっている。優馬が5歳のとき北海道の光牧場が原因不明の火事になり、・和江が死亡し、父親も行方不明になり四国の七色浜にいる源じぃにひきとられた。レースでは逃げの戦法をとることが多い。優馬の才覚は左京や伊賀が技術で後から身に着けたものなら、優馬は生まれついての天才と捨造には評されている。その天才ぶりは騎乗技術にとどまらず、相馬眼では見ただけで素質を、触っただけで体質や弱点を、跨っただけで血統までも見抜く。調教師としても優れていて捨造が基本的に文句も言わずに優馬に任せているのもその方針に間違いがないため。
野山捨造
関東地方競馬場の調教師。優馬が勝つとよく小林と抱きつく。気が強く天の邪鬼のためは愛想をつかして逃げていってしまった。優馬の性格を理解して調教師の仕事はほとんど優馬に任せているが、あまりに優馬の独断が過ぎるとキレる事もある。また、よく馬産地を訪れては自ら良馬を見つけてくることもある。
小林政宏
野山厩舎の調教助手。馬を愛することにかけて、おそらく右に出る物はいない。「あわわ」が口癖。優馬にアルフィーの馬房に新しい馬を入れたらどうだと言われたが、断固拒否した。小林にはと母がいるが、母は老人性痴呆症で小林が世話した馬の名前以外は何もかも忘れてしまった。職歴15年以上のベテランだが仕事ではしょっちゅうポカがあり、その度に捨造や優馬に怒られている。だが、本当は「野山厩舎は小林でもっている」と捨造に言われるほど、誰よりも信頼されている。その為、優馬とクレイジーのアメリカ行きに付いていこうとしたが、捨造に請われて野山厩舎にとどまった。また、アルフィーが死の間際に優馬ではなく小林を探したり、クレイジーがジャパンカップ前に小林の不在を気にしてイレ込んだりするなど、人だけでなく馬にも慕われており、作品を語る上でなくてはならない名脇役である。
神宮寺愛
野山厩舎の厩務員東京大学理学部卒だが、アルフィーのダービーを見て方向転換し、厩務員となった。その為、地頭は良いものの馬については素人同然で、データ上の計算だけで物事を判断するきらいがあるので、それだけでは判断できないという教材目的でクレイジーの担当を任された。その後、小林の代わりとして優馬とクレイジーのアメリカ行きに同行する。
野山きな子
優馬と左京の幼馴染で捨蔵の。アルフィーの死を見て大学中退し、七色浜で獣医勉強をしている。後に優馬がクレイジーと共にアメリカ遠征に行く直前に優馬に告白されて共にアメリカへ旅立った。
中央競馬
月山左京
優馬とは
幼馴染中央競馬の天才騎手。いつの間にか関西弁をしゃべっている。1年目に武豊が1987年に記録した新人最多勝記録の69勝を更新する73勝を挙げ、天才ともてはやされていることに驕ることなく、人前では年齢の割に丁寧な態度であるが、優馬と二人きりの時は素に戻る。七色浜にいたころは標準語だったが、栗東所属になってからはすっかり変な関西弁になった。優馬を「アホ優馬」呼ばわりしているが、優馬の人間としての素晴らしさは認めていて、「優馬にはかなわんな」と発言したことがある(その時は小林が「左京は優しくて自分が女性だったら間違いなくほれてる」とフォローしている)。優馬とは逆にストレートに優しさを表現する。左京は優馬が小学生のときのオール1の成績表のコピーをなぜか持っている。
岡田鮫
JRA騎手。周囲からは「ゴマすりの腕は超一流だが、腕は二流」「あんちゃん(新人騎手)よりまし」などと言われている。レースで騎乗するためならゴマすりやボロ(馬糞)も食うほど。ただし、田辺俊輔は「逃げ馬に乗せたら怖い」と評していた。それゆえファンも多い模様。
伊賀広和
地味だが仕事は確実にこなすベテランジョッキー。よく岡田に説教したり、悪だくみをしているときに止めておくように忠告したりしている。普段は真面目だが、ダブルフェイスが遠征してきた時に長浜から「地方の馬に勝たせてはだめですよね」と悪だくみを持ちかけられ、それに乗ったことがある。
田辺俊輔
優馬のあこがれの騎手。その為、優馬が唯一敬語を使って話す人物。新人賞を受賞している。しかし気性が荒く、よくトラブルを起こすためにだんだん騎乗馬が回ってこなくなり、酒びたりになる。三石調教師の説得により復活を果たすが、優馬がダービージョッキーになった日の最終レースで落馬して死亡。病院には優馬も駆けつけ、死亡報告には滅多に素直な感情を表さない優馬も号泣していた。
佐野和雄
田辺の弟弟子。やや気弱な性格で、彼の騎乗ミスが田辺の死亡事故の原因ともなった。その後アルフィーセカンドで菊花賞に出走するはずだったが、急遽エディに乗り変わったことで一時失踪している。しかし、エディの騎乗を見て自分の未熟さを改めて自覚し、鉄拳制裁を喰らいながらも三石厩舎に戻った。
長浜英伸
ブルー軍団を率いる長浜ファームの三男。親の威光で威張り散らす嫌な性格。ダービーではアルフィーセカンドやバトルハートを封じ込めようとするも失敗、菊花賞では落馬と散々な結果に終わっている。
池野あやめ
バトルハートの厩務員。女性ということで周囲の人間からは低く見られていた。 バトルハートの世話を負かされるが、当初は左京が女性ということで見下し「新馬戦で走らなかったら終わり」というバトルハートを押し付けたとの噂話を信じていたため冷たく当たっていた。しかしチャコから「左京が、チョベリグあや厩、馬に対する愛情が一番」と褒めていたとの話を聞かされたので誤解が解け、和解した。
服部文男
鹿児島県大崎町・ニルキング牧場代表。バトルハート生産者。かつては北海道と並ぶ馬産地だったが今は風前の灯となった九州を嘆き「九州から名馬を」と願いバトルハートを生産。実在する牧場で、繋養していた38代ダービー馬・ヒカルイマイの墓がある。
服部千加子(チャコ)
服部文男氏の娘。左京様と呼ぶほどの左京の大ファン。処分されかかっているバトルハートのために左京に毎日手紙を送っていた。その願いがかない、処分直前に左京に引き取られることになった。
地方競馬
甘利弾
笠松競馬のジョッキー。腕は優馬や左京に引けを取らない。優馬たちが競馬学校に入学した頃にはすでに騎手として有名になっていた。口が悪くて素直に優しさを表さない性格が優馬と似ているせいか、優馬とはそりが合わない。が、お互いに実力は認めあっている。口癖は「たわけ」「デラむかつく」。
山中乗人
地方競馬教養センターで優馬の同期生の1人。あだ名はのり。父は高崎競馬で何度もリーディングジョッキーとなった名騎手。穏やかで、協調性を重んじる性格。優馬たちが無断で行ったナイター競馬で落馬、負傷により騎手の道を絶たれたため、元々の夢であった厩務員の道を歩むこととなった。また、父も落馬により引退を余儀なくされており、親子2代に渡って落馬による不幸に見舞われている。卒業後は高崎競馬場で厩務員となった。同じ厩務員として小林を尊敬している。
長浜卓夫
地方競馬教養センターで優馬の同期生の1人。勝気で短気。実家はオーナーブリーダーの長浜ファームで、四男坊。だが、父からは劣等生と見なされており、卓夫自身も父や兄に強い反発心を抱いている。また、同じような境遇にある担当馬のモンテスターには強い思い入れを持っている。卒業後は荒尾競馬場で騎手となった。日本大賞典では優馬を負かすために父親に頭を下げ、中央のブルーチャンピオンに騎乗した。レースは5着に敗れ、父親の騎乗指示にも従わなかった事については叱責されるが、頼ってきてくれてうれしかったと言われ、和解する。
伊達信長
地方競馬教養センターで優馬の同期生の1人。大人しく気弱な性格で、その性格が災いし中学時代にイジメにあい登校拒否をしていた。漫画を見て騎手を志すものの、気弱な性格は治らずセンターを辞めかけたこともある。優馬たちの説得により思いとどまり無事卒業した。騎手になってからは性格も多少は改善されたようである。卒業後は水沢競馬場で騎手となった。日本大賞典ではのりの計らいで高崎のセンターコートに騎乗した。
上村鉄平
地方競馬教養センターで優馬たちの先輩。後方からの差しきりを得意としており、まくりの鉄平と呼ばれている。優馬を除くセンター生の中では一番の実力者。当初は優馬を規律を乱す生意気なやつ、卓夫を落ちこぼれのクズと馬鹿にしていたが、優馬とのマッチレース後は優馬たちを仲間と認めた。卒業後は高知競馬場で騎手となった。マッチレースでの教訓を生かし、対戦相手の研究と下見を欠かさない貪欲さを身に着けて若手ナンバー1騎手として活躍している。
その他登場人物
エディ・フォード
アメリカのトップジョッキー。優馬とは義理の兄弟だが、本人はそのことを知らない。左京に妙な関西弁を教え込まれている。
シャロン・フォード
エディの妹で、優馬から見て義理の妹にあたる。エディと異なり父親からそのことを聞きだしているため、優馬を「兄貴」呼ばわりすることもある。調教でとはいえクレイジーを乗りこなした数少ない人物。兄と違い流暢な日本語を話す。
ベン・フォード
優馬の父。自分にも人にも厳しく、馬にだけは優しい人と言われている。作中、自分から優馬に父と名乗る事はなかったが、優馬には気づかれていた。

地方競馬教養センターの教官。かつては力道とともにオリンピックにも出場した。生きる気力をなくしていた力道を再起させた優馬をセンター関係者ではいち早く認め、以後はよき理解者となる。
土井
地方競馬教養センターの教官。たびたび規律を乱す優馬を毛嫌いしている。
大川慶次郎井崎脩五郎
実在する競馬評論家。主にテレビの競馬中継が描写されている場面で登場する。
主な登場馬
野山厩舎
アルフィー(父:
サンデーサイレンス 母:サクラハツユキ 母父:パーソロン
静内・谷岡牧場生産の競走馬。当歳時、牧場に来た観光客にナイフたてがみを切られたことに驚いて観光客に噛みつき、これによって逆上した観光客から虐められた経験から非常に臆病な性格になり、中央では1度も出走できなかった。その後野山厩舎で優馬と出会い、優馬の手によって前が見えない状態で強引に銀座歩行者天国に連れていかれ、ここで人目に慣れたことで臆病な性格を克服してレースへの出走ができるようになった。


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