この項目では、保証債務について説明しています。工業製品のアフターサービスの一種については「保証期間」をご覧ください。
「補償」とは異なります。
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保証(ほしょう)とは、民法上に規定された契約としての保証(保証契約)のことである。
民法について、以下では条数のみ記載する。 保証とは、主たる債務者が債務を履行しない場合に、その債務を主たる債務者に代わって履行する義務を負うことをいう(446条
目次
1 総説
2 保証債務の性質
3 保証債務の成立
3.1 要式契約
3.2 保証人の要件
3.3 成立における付従性
4 保証債務の効力
4.1 保証債務の範囲
4.2 内容における付従性
4.3 催告の抗弁権・検索の抗弁権
4.4 保証人の相殺権
4.5 保証債務の対内的効力
5 保証債務の消滅
5.1 消滅における付従性
5.2 求償権の問題
6 特殊な保証
6.1 連帯保証
6.2 継続的保証
6.3 共同保証
7 脚注
8 関連項目
総説
この義務を保証債務(ほしょうさいむ)とよび、義務を負う者を保証人(ほしょうにん)と呼ぶ。保証債務は、保証人と債権者との間で締結される契約(保証契約)によって生じる。
抵当権のように物の交換価値によって債務の弁済を担保する物的担保に対し、保証は、保証人の資力(財力)を弁済の担保とするため、連帯債務などとともに人的担保といわれる。保証人が自然人である場合は個人保証、法人である場合は法人保証という。特に、信用保証協会のように保証を業務とする法人によってなされる保証は機関保証という。 保証債務は、主たる債務との関係で以下のような性質を有する。 保証債務は、保証人と債権者との間の保証契約によって成立する。その前提として、主たる債務者が保証人に保証を依頼する保証委託契約が締結されることが多いが、保証委託契約の有無は保証契約の効力に何ら影響を及ぼさない。 2004年(平成16年)の民法改正により、保証契約には書面または電磁的記録が必要となった(446条 保証人は、債務者が立てる義務を負う場合には、行為能力者であり、弁済をする資力を有することが必要である(450条 成立における付従性とは、保証債務は主たる債務を担保するものであるから、保証債務が存在するためには、主たる債務が有効に成立していなければならないという原則である。主たる債務が無効であったり取り消されたりすれば、保証債務も無効又は消滅する。ただし、保証契約時に行為能力の制限によって取り消すことができる債務であることを知りながら保証した者は、主たる債務が不履行の場合又は主たる債務が取り消された場合において、主たる債務と同一の内容の独立した債務を負担したものと推定される(449条
保証債務の性質
独立性
保証債務は、それによって担保されている主たる債務とは別個独立の債務である。
同一内容性
保証債務とそれによって担保された主たる債務の内容は、原則として同一である。もっとも、保証の内容は保証契約で定まるのであり、主たる債務の内容から一義的に定まるものではないから、同一内容性の原則はしばしば排されているといえる(例えば、サーカス公演契約を保証した者は自らサーカスを行うのではなく、違うサーカス団を探してきたり、損害賠償をしたりといった内容の保証債務を負っていると考えられる)。
付従性(附従性)
保証債務の成立、変更、消滅は、主たる債務の成立、変更、消滅に従う。つまり、保証債務は、主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重い債務となることはなく、また主たる債務が消滅すればともに消滅する。保証債務の付従性は、成立、(内容の)変更、消滅の各局面において、それぞれ、成立における付従性、内容における付従性、消滅における付従性として問題となる。後に詳述する。
随伴性
主たる債権について債権譲渡がされた場合、保証債務履行請求権も主たる債権と同時に債権の譲受人へと移転する。
補充性
保証債務は、主たる債務者が債務不履行に陥って初めてその補充のため履行する義務が生じる二次的な債務であること(446条
保証債務の成立
要式契約
保証人の要件
成立における付従性