備後都市圏
[Wikipedia|▼Menu]

備後都市圏
都市雇用圏

備後都市圏
北緯34度29分 東経133度22分 / 北緯34.483度 東経133.367度 / 34.483; 133.367
 日本
都道府県広島県岡山県
中心都市福山市
面積(2011)[1]
 ? 合計1,420.74km2
人口(2010)[2]
 ? 合計612,988人
域内総生産(2010)[1]
 - 名目2兆7665億円
ウェブサイトbingolife.jp
JR福山駅南口 JR尾道駅 JR三原駅南口 古城山公園からの笠岡市街 井原市街

備後都市圏(びんごとしけん)とは広島県福山市を中心都市として岡山県西部から広島県東部、愛媛県の一部地域に及ぶ都市圏。福山都市圏とも呼ばれる。
目次

1 概要

2 名称

3 定義

3.1 都市雇用圏

3.2 広域行政圏

3.3 備後圏域連携中枢都市圏


4 都市圏の変遷

5 地理

6 歴史

7 特色

8 方言

9 拠点を置く行政機関

9.1 国の機関

9.2 独立行政法人および特殊法人


10 主要産業

10.1 当地域に本社を置く主な企業

10.2 当地域に拠点を置く企業


11 商業

11.1 百貨店

11.2 主要な商業施設

11.3 金融機関

11.3.1 地方銀行

11.3.2 信用金庫・信用組合等

11.3.3 主要な証券会社



12 交通アクセス

12.1 空港

12.2 新幹線

12.3 在来線・私鉄

12.4 バス

12.5 主要国道

12.6 高速道路

12.7 航路

12.7.1 旅客航路

12.7.2 貨物航路



13 地域メディア

14 関連項目

15 脚注

16 外部リンク

概要

広島県南東部の広島県福山市を中心都市として広がる都市圏である。福山平野を中心に南は瀬戸内海に接し、北は中国山地が迫る。中四国地方では広島都市圏岡山都市圏に次ぐ経済規模を誇り大きな工業生産高と県域を越えた都市圏の広がりを特色とする。広島県福山市・府中市・尾道市/岡山県笠岡市・井原市などが主要な構成自治体である。

雇用都市圏の10%通勤圏の定義では広島県東南部と岡山県西南部、愛媛県の一部の3県5市2町にまたがり、人口約75万人を擁する。雇用都市圏の定義では、全国25番目の規模となるが、県庁所在地以外の都市圏に限ると全国で4番目の規模である。域内総生産は約2兆7665億円[3]。なお、都市圏に含まれる愛媛県部分は愛媛県越智郡上島町の生名島など一部島嶼が尾道市(旧因島市)のベッドタウンであることによるもので、愛媛県本土は当都市圏に含まれない。

太平洋ベルト瀬戸内工業地域の一角を占め、JFEスチール西日本製鉄所や大手造船企業を抱え、製鉄や造船などを筆頭に工業生産が非常に盛んである。都市圏の大部分は備後地区工業特別整備地域と重なり、臨海部では鉄鋼や造船など重工業が、内陸部では繊維業や木工業が発展した。上場企業を含む多く企業の拠点を構え、年間粗鉄生産量が全国第1位であるなど重工業を中心に工業生産の大きさが特徴的である。圏内の2013年の製造品出荷額は3兆2600億円であり宮城県以下20あまりの県の工業生産高を越え、高知県の6倍を越える日本有数の規模である。

大規模な輸出入が行われる国際貿易港から製造・加工、出荷までを行う体制が都市圏内にあり、域内人口も大きく福山市を中心に独自の商業的な流通網をもつ。

中心都市である福山市は中核都市であり、県庁所在地の広島市から100kmも離れていることもあり行政上は国・県の主要機関が拠点を構え民間企業が広島市に加え福山市に県内第二拠点を置くなどの例が多く見られる。広島市や岡山市といった周囲の都市に古くから依存せず独自の文化圏を形成し、その都市圏規模から県庁所在地でないにも関わらず県庁所在地並の扱いを受けることがある。
名称

都市圏の中心都市である福山市を含め、尾道市・府中市などが旧備後国にあることから備後都市圏と呼ばれる。しかし域内の三原の西部地域は旧安芸国で笠岡や井原・浅口などはほぼ全域が旧備中国であるし上島町は旧伊予国であることから他都市圏と同様に中心都市の名を冠した福山都市圏の呼称も同義として行政上多用される。特に笠岡市・井原市など都市圏内の旧備後国ではない地域では福山都市圏の呼称が一般的である。なお笠岡市、井原市は江戸時代初期まで旧備後福山藩領であり都市圏は幕藩体制の福山藩の区域とほぼ一致する。



定義

都市圏の定義は複数あり、定義により圏域、域内人口が異なる。ここでは代表的な定義をあげている。
都市雇用圏

2015年国勢調査の基準では福山市を中心都市とする5市2町で都市雇用圏(10%通勤圏)を構成する。域内総生産は2015年時点で約2兆7665億円[1]、2018年10月時点の人口は74,0641人である。2015年国勢調査時点の福山市を中心とする都市雇用圏(10% 通勤圏)の構成市町を以下に列挙する。かつては多くの市町村が含まれたが現在は市町村合併によって、福山市・尾道市・府中市・笠岡市・井原市・浅口郡里庄町・越智郡上島町の5市2町に集約されている。なお、この都市圏の広島県部分は、全域が「福山地方拠点都市地域」に指定されている。

福山市への通勤・通学人口 (PDF) (地図)

広島県

福山市(463,020人)

尾道市(133,794人)

府中市(38,294人)


岡山県

笠岡市(47,970人)

井原市(39,819人 )

浅口郡里庄町(10,985人)


愛媛県

越智郡上島町(6,759人)

府中市において、通勤者の数では、「福山市→府中市」(3436人)の方が、「府中市→福山市」(2584人)よりも多い(福山市からの流出超過)。しかし、府中市の通勤者の 10% 以上が福山市に通勤しているのに対し、福山市の通勤者の 10% 以上が府中市に通勤しているわけではないので、府中市は福山都市圏に入ると見なされる(工業都市である都市圏によく見られる例→北九州都市圏)。その他の市町は福山市への流入超過である。

浅口郡里庄町は笠岡市の、越智郡上島町は尾道市のそれぞれ10%通勤圏にあたる郊外都市である。[4]



広域行政圏

備後都市圏は行政上は広域行政圏単位で扱われることがある。その場合広島県内の福山および尾三の両広域行政圏を合わせた地域(人口約80万人)を指す場合と福山・尾三に加えて岡山県の井笠広域行政圏の3つの広域行政圏(人口約90万人)を指す場合がある。

これら3つの広域行政圏の合計の人口は889,036人(広島県[5]および岡山県[6]発表の2018年10月現在の推計人口)となり山梨県、福井県など多くの県の人口を上回る。以下にそれら広域行政圏の構成自治体を示す。

福山広域行政圏( ⇒福山地域事務所の管轄地域)501,314人

福山市(463,020人)

府中市(38,294人)


神石郡神石高原町(8,572人)

尾三広域行政圏( ⇒尾三地域事務所の管轄地域)242,029人

尾道市(133,794人)

三原市(92,727人)

世羅郡世羅町(15,508人)

井笠広域行政圏(旧・井笠地方振興局の管轄地域)145,793人

笠岡市(47,970人)

井原市(39,819人 )

浅口郡里庄町(10,985人)


浅口市(33,356人)

小田郡矢掛町(13,663人)

備後圏域連携中枢都市圏

「連携中枢都市圏構想推進要綱」に基づき2015年2月24日に福山市長が宣言した連携中枢都市宣言によるもの。連携中枢都市は福山市である。連携中枢都市は指定都市または中核市で,昼夜間人口比率が1以上,かつ三大都市圏の区域外に所在することを条件としており福山市を含めて全国で61市が該当する。構成自治体は福山市(連携中枢都市),三原市,尾道市,府中市,世羅町,神石高原町,笠岡市,井原市。圏域人口は875,682人(うち福山市461,357人)、圏域面積は2,509平方キロメートル。圏域人口及び圏域面積は平成22年国勢調査の値を使用。[7]

福山市(463,020人)-連携中枢都市

三原市(92,727人)

尾道市(133,794人)

府中市(38,294人)

世羅郡世羅町(15,508人)

笠岡市(47,970人)

井原市(39,819人 )

都市圏の変遷

現在「備後都市圏」と言われている地域には、複数の都市圏が存在してきた。交通インフラや社会の変化に従って、それら都市圏の枠組みも変化してきた。以下に、備後圏域連携中枢都市圏に岡山県里庄町愛媛県上島町を合わせた地域における、2010年までの都市雇用圏(10% 通勤圏)の変遷を示す[8][2]

福山都市圏および三原都市圏の 10% 通勤圏に属していない市町村には○印を付す。さらに、どの周辺都市圏の 10% 通勤圏にも入っていない町村は、各統計年の欄で「-」で示す。

自治体
('80 - '00)1980年1990年1995年2000年2005年2010年自治体
(現在)
岡山県里庄町福山 都市圏福山 都市圏福山 都市圏岡山 都市圏福山 都市圏
73万1960人福山 都市圏
61万2988人○里庄町
美星町----井原市
井原市福山 都市圏
51万7514人福山 都市圏
53万4641人福山 都市圏
72万9472人福山 都市圏
71万5334人
芳井町
笠岡市笠岡市
広島県福山市福山市
沼隈町
内海町
神辺町
新市町府中 都市圏
8万1420人府中 都市圏
7万7182人
府中市府中市
上下町----
油木町------○神石高原町
神石町----
豊松村----
三和町----
甲山町------○世羅町
世羅町----
世羅西町----
三原市三原 都市圏
10万0586人三原 都市圏
10万2523人三原 都市圏
10万0791人三原 都市圏
9万8626人三原 都市圏
10万4196人三原 都市圏
10万0509人三原市
久井町
本郷町
大和町----
御調町府中 都市圏府中 都市圏福山 都市圏福山 都市圏福山 都市圏尾道 都市圏
15万2850人○尾道市
尾道市尾道 都市圏
12万1710人尾道 都市圏
11万5266人
向島町
瀬戸田町--因島 都市圏
4万6861人因島 都市圏
4万3775人因島 都市圏
4万3837人
因島市因島 都市圏
5万0733人因島 都市圏
3万9968人
愛媛県弓削町上島町
生名村
岩城村---
魚島村----

地理

南部の市町(三原市・尾道市・福山市・笠岡市)は瀬戸内海に臨み、圏域中部から北部に位置する市町(府中市・世羅町・神石高原町・井原市)は中国山地を後背に擁している。中国山地と四国山地に挟まれた瀬戸内海式気候に属し年間を通じて温暖で降水量が少なく(年間約1200mm)河川の流量が少ないのが特徴である。都市圏南部で降雪はほとんどなく年間降雪日は数日ほどであるが神石高原町など北部の高地を中心に冬季は降雪が見られる。四国山脈と中国山地に挟まれ台風の直撃は少なく被害も極小であるが、平成30年7月豪雨では河川の氾濫や堤防の決壊による浸水、土砂崩れなど土砂災害が相次いだ。地震は少なく、歴史上では地震により大きな被害を受けた記録は見つかっていない。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:60 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef