この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
日本の刑法
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表
話
編
歴
偽証の罪(ぎしょうのつみ)とは、刑法の「第二十章 偽証の罪」に規定された犯罪類型で、刑法169条の「偽証罪」と、刑法171条の「虚偽鑑定等罪」の総称。国家的法益の罪に分類される。 偽証罪(刑法169条
目次
1 概説
2 偽証罪
2.1 主体
2.2 行為
2.3 故意
3 虚偽鑑定等罪
3.1 主体
3.2 行為
4 自白による刑の減免
5 特別法上の偽証罪
6 脚注
7 関連項目
8 外部リンク
概説
裁判員制度の開始に合わせて、検察は偽証罪の積極的な適用を進めているとされる。プロの裁判官とは違って、裁判員が嘘の証言を見破るのは容易ではなく、法廷での証言は真実という前提でなければ、裁判員制度の根幹が揺らぎかねないからである。今まで、適用例が少なかったのは、偽証の多くは客観的な証拠が少なく、捜査に手間がかかる上、偽証があっても有罪判決が出れば、問題にしないこともあったからだといわれる[2]。
一方で、2006年(平成18年)8月、強制わいせつ罪の容疑で起訴された長男の公判で「虚偽の証言をした」として、さいたま市の夫婦が偽証容疑で逮捕されたが、夫婦は検事から「刑務所に送ってやる。獄中死しろ」「人間の屑だ」などと暴言を吐かれ、結局、妻は無罪、夫は起訴猶予処分となった。夫婦は2009年(平成21年)8月7日、日本国政府を相手取って770万円の損害賠償を求める裁判を起こした。夫婦の弁護団は、検察が裁判員裁判に向けて偽証罪を積極的に摘発していること、検察と違う証言をすると逮捕される危険性を孕んでいることを指摘している[3]。 法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、3ヶ月以上10年以下の懲役に処される(刑法169条 本罪の主体は「法律により宣誓した証人」である(真正身分犯)。 本罪の行為は「虚偽の陳述」である。「虚偽の陳述」については客観説と主観説の対立がある。 上の客観説によれば本罪の故意は陳述内容が客観的真実に合致していないことについての認識を指すこととなるのに対し、主観説によれば本罪の故意は自己の記憶に反した陳述を行う認識を指すことになる。 法律により宣誓した鑑定人、通訳人又は翻訳人が虚偽の鑑定、通訳又は翻訳をしたときも、偽証罪と同じく3月以上10年以下の懲役に処される(刑法171条 本罪の主体は「法律により宣誓した鑑定人、通訳人又は翻訳人」である(真正身分犯)。平成7年刑法改正により「翻訳人」が追加されている。 本罪の行為は「虚偽の鑑定、通訳又は翻訳」である。 偽証罪と同じく客観説と主観説の対立があるが、通説・判例(大判明治42年12月16日刑録15輯1795頁)は偽証罪の場合と同じく主観説をとる。 偽証の罪には自白による刑の減免規定がある(刑法170条 「自白」については、法的な自首にあたる場合に限定されないとされる。
偽証罪
主体
行為
客観説
客観的真実に合致しない陳述をすることが「虚偽の陳述」であるとする。結果的に客観的真実に合致していれば本罪の保護法益である国家の審判作用を害することはない点を根拠としている[4]。
主観説
自己の記憶に反した陳述をすることが「虚偽の陳述」であるとする。通説・判例(大判大正3年4月29日刑録20輯654頁)は主観説をとる。証人が自己の記憶に反する陳述をすることは本罪の保護法益である国家の審判作用を害する抽象的危険を生じさせるという点を根拠とする[5]。主観説からは、自己の記憶に反した陳述をすれば、それがたまたま客観的事実に合致していても罪に問われることになる。
故意
虚偽鑑定等罪
主体
行為
自白による刑の減免
特別法上の偽証罪
国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律第57条
国際刑事裁判所における手続に従って宣誓した証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人が虚偽陳述をした場合は、3月以上10年以下の懲役に処せられる。
前項の罪を犯した者が、その証言をした管轄刑事事件について、その裁判が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
国際刑事裁判所における手続に従って宣誓した鑑定人、通訳人又は翻訳人が虚偽の鑑定、通訳又は翻訳をしたときは、前二項の例による。
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法第4条
合衆国軍事裁判所の手続に従つて宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、3月以上10年以下の懲役に処せられる。
前項の罪を犯した者が、証言した事件の裁判の確定前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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