この項目では、日本の漫画について説明しています。生存権については「日本国憲法第25条」をご覧ください。
健康で文化的な最低限度の生活
ジャンル群像劇
漫画
作者柏木ハルコ
出版社小学館
掲載誌ビッグコミックスピリッツ
レーベルビッグコミックス
発表号2014年18号 -
発表期間2014年3月31日 -
巻数既刊12巻(2023年8月30日現在)
ドラマ
原作柏木ハルコ
脚本矢島弘一、岸本鮎佳
演出本橋圭太、小野浩司、大内隆弘
音楽fox capture plan
制作MMJ(協力)
製作カンテレ
放送局フジテレビ系
放送期間2018年7月17日 - 9月18日
話数全10話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画・テレビドラマ
ポータル漫画・テレビ・ドラマ
『健康で文化的な最低限度の生活』(けんこうでぶんかてきなさいていげんどのせいかつ)は、柏木ハルコによる日本の漫画作品。小学館『ビッグコミックスピリッツ』にて2014年18号から連載中。
新人ケースワーカーの目を通して生活保護のリアルに迫る青春群像劇。題名は日本国憲法第25条第1項の条文「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」から採られている。第64回小学館漫画賞一般向け部門受賞(2018年)、第23回手塚治虫文化賞一般部門最終候補作品(2019年)。2021年3月時点で電子版も含めた単行本の累計発行部数は100万部を突破している[1]。
2018年7月より連続テレビドラマ化された[2]。テレビドラマ版の公式略称は「ケンカツ」。 東京都内に所在する架空の特別区「東区(ひがしく)」区役所内の福祉事務所を舞台とする。「東区」という地名から、東京都区部東部の下町地区が舞台となっており、漫画には大きな川と河川敷の風景が頻繁に登場する。 原作漫画では、東区の公式ゆるキャラはシダレヤナギの「しーだくん」と「やーなちゃん」(テレビドラマ版では公式ゆるキャラが変更されている)。 柏木自身はもともと自己責任論者のような考え方で[3][4]、漫画家という職業柄「プロになれたのは努力したからで、なれないのは努力が足りない」と思い、自身のアシスタントにも「もっと頑張らなければ漫画家になれない」と叱咤激励していたところ、アシスタントが無口になってしまったため反省した経験もあったという[4]。また社会運動家の湯浅誠や作家の雨宮処凛の著作などを読み、社会問題について考えるようになったと語る[3]。東日本大震災を契機に社会問題を扱った漫画を描いてみたいと考えるようになったとも述べている[5]。 生活保護を題材としたのは、法テラスに勤める友人から相談に訪れる生活保護受給者について話を聞き[5][注釈 1]、非常に興味を持ったのがきっかけだと述べている[5]。取材では、身寄りがなく孤独死した人の部屋で特殊清掃業者が遺品整理を行うのに同行したこともあるという[5]。 柏木は「『健康で文化的な最低限度の生活』というタイトルは思いつきで付けたものだが、今となっては良いタイトルで、人権をどうとらえるかというのがこの漫画の最終的なテーマになる」と述べている[3]。 朝日新聞のインタビューで、日本国憲法第25条で保障された生存権について、柏木は以下のように述べている[3]。
概要
制作の背景