停車駅
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鉄道における停車(ていしゃ)は、鉄道車両運転中に停止することを言う。

本項では鉄道における停車をダイヤグラム(以下「ダイヤ」と略す)や鉄道運転業務の観点から記述する。
目次

1 停車の取り扱い

2 目的

3 列車の停車時間

4 旅客列車の停車方式

4.1 相互発着

4.2 緩急接続

4.3 千鳥停車

4.4 選択停車

4.5 臨時停車・特別停車

4.6 臨時通過・特別通過

4.7 緊急停車

4.8 運転停車


5 その他の停車

6 脚注

7 出典および参考文献

8 関連項目

停車の取り扱い

運転規則上、停車している車両に乗務員が乗務している場合を「列車の停車」、乗務していない場合は「車両の停車」として取り扱っている(新交通システムなどでの無人自動運転を除く)[1]
目的

停車する目的として以下のような行為があげられる。特に客扱いや荷扱いを行わないものは運転停車と称する。

駅における旅客、貨物荷物の取扱いや積込、荷降ろし。

乗務員交代や機関車の交換、車両の増解結

信号場における列車の待避や列車交換

車両の故障鉄道事故を避けるための緊急停車。

遅延列車からの接続を行うための停車時間延長。

その他、停止信号や運転指令所などからの停止命令による停車(「延発」や「抑止」がこれに当たる)。

列車の停車時間

旅客列車の場合、基本的には列車種別や車両のドア数、また大都市の駅では乗降人員ホームと出入口の構造(階段の位置など)、線路配線および平面交差支障時分などの様々な制約や条件を考慮して停車時分を設定する。このため明確な基準は無いものの、小規模の駅では短い場合15秒程度、長距離列車や乗降客が集中する駅では60秒から90秒程度である。またワンマン運転を行う場合は、運賃の収受や定期券の確認に時間がかかり、停車時間が延びやすい。

客扱いの他、列車交換や待避・増解結・乗務員交代・機関車交換・給炭や給水等を行う場合には停車時間が長くなる[2]。また路線が変わったりしてダイヤの基準となる列車が変わる場合、路線境界の始終点駅で時刻調整をするために10 - 20分程度停車することもある。

貨物列車の場合には、荷役を行なう貨物駅の構造や、荷物の積込作業、入換作業の有無に大きく左右され、貨車の連結と解放を同時に行う場合は停車時間が長くなる。また着発線荷役方式 (E&S) を採用している貨物駅では、貨車の連結・解放作業なしでコンテナの荷役作業が可能である。この場合、15 - 20分程度の停車時間を要する。
旅客列車の停車方式
相互発着詳細は「相互発着」を参照

1面のホームに接する2線を用いて、列車を複数の番線に相互に停車させる方式である。ホームの片方に列車が停車している状態で後続の列車が入線できるため、列車の運転間隔を狭めることができる。ラッシュ時など列車本数が多い時間帯において、乗降客の集中などで停車時間が延びるターミナル駅で用いられる。
緩急接続詳細は「待避駅」を参照

待避駅において、停車駅・速度の異なる列車(普通列車と快速列車・優等列車など)を相互に乗り換えられるようにすることを緩急接続という。アナウンスでは緩急接続を「待ち合わせ」「各駅停車に連絡(接続)」などと案内する場合が多い。

速度の遅い列車(緩)と速い列車(急)が「接続」することから「緩急接続」と呼ぶ。「緩急結合」「相互接続」とも呼ばれる。また、待避駅を通過して追越を行う場合にその前後の駅に停車し、待避駅以外の停車駅から上位種別の列車への乗換の利便を図ることを「準緩急接続」と呼ぶ場合もある[要出典][3]。また、急行電車が特急電車と待避駅において待ち合わせを行う「急急接続」もある[4]

緩急接続によって、普通列車しか停車しない駅でも速達列車を利用しやすくなり、路線全体の駅に利便が及ぶ。その反面、速達列車の乗客が増えることで混雑したり、待合わせにより普通列車の所要時間が増えてしまう短所を持つ。そのため、通勤時間帯など利用が集中する場合は、あえて緩急接続を行わず、混雑の平均化を図る場合が多い。これを緩急分離という。

緩急分離の一種として途中駅での列車待避を行わず、列車種別に関係無く平行ダイヤに乗せてしまうこと[5]もあれば、逆に速達列車が後続を走るさらに上位の速達列車を待避し、追い抜かれた列車がそのすぐ後ろを続行運転するダイヤが組まれているケースがある[6]。折り返し時の車両運用の都合や、乗降人員がきわめて多く乗車に時間がかかるため、その時間を利用してすぐ後ろに迫っている後続の通過列車に追い抜かせた方が合理的であるなど、ラッシュ時特有の理由によりこのような措置が取られているものである。

また、乗換駅や複々線などで1面のホームに複数の番線が設けられている場合、運転系統の異なる列車を相互に接続をとる手法もある。この例は三ノ宮駅・芦屋駅などで見られる。京王線調布駅の、京王線系統の特急・準特急と相模原線系統の急行・快速の接続や、神戸駅での夕方の姫路方面の新快速・快速相互接続などの「急急接続」や、それぞれの路線の各駅停車を接続させる「緩緩接続」(尼崎駅におけるJR東西線JR宝塚線同士の接続など)もある。「対面乗り換え」も参照。
千鳥停車

列車種別によって停車駅を分散させるダイヤが混雑時間帯などに採用されることがある。これを千鳥停車、または千鳥式運転という[7]。日本では阪神電気鉄道で初めて採用された[8]

多くの場合、緩急接続のため上位の列車種別の停車駅には下位の列車種別の列車は必ず停車するが、ラッシュ時にそれを行うと、より速達効果の高い上位種別列車に乗客が集中し、乗換駅での乗降時間の増大を招く。それを防ぐため、種別ごとに対象とする駅を分散させ、列車ごとの乗客数を平準化することが千鳥停車を実施する主な理由である。列車の追越もあまり行わず、複数種別の列車が走る場合でも平行ダイヤに近い形態をとることもある。

代表的な事例として、西武池袋線池袋 - 所沢間が挙げられる。この区間では、平日朝ラッシュ時は、急行と快速急行(Fライナーを含む)が停車するひばりが丘駅を通勤急行は通過する[9]。急行と快速急行(Fライナーを含む)が停車する石神井公園駅を通勤準急は通過し、一方で急行と快速急行(Fライナーを含む)が通過する保谷駅には有料のS-TRAINが停車するなどの千鳥式運転を実施している[10]1998年3月 - 2001年12月までが最も多く、10種もの列車種別が存在していた)。

また、東海道本線新橋駅浜松町駅の間にも千鳥停車の事例が存在する。新橋駅には列車線である東海道線上野東京ライン)の列車が停車するが電車線である京浜東北線の快速電車は通過する。逆に浜松町駅は東海道線は全列車が通過する代わりに京浜東北線は快速を含めた全ての電車が停車する。

このような利点のある千鳥停車であるが、対象駅においては上位種別の停車駅を下位種別の列車が通過するダイヤとなるため、その路線に慣れていない利用者にとっては利用しづらく、誤乗により下車駅を通過してしまったり、所要時間が伸びてしまう危険が高い。


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