偏向コイル
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カラー受像管の断面図
1.電子銃
2.電子ビーム
3.集束コイル(焦点調整)
4.偏向コイル
5.陽極端子
6.シャドーマスク
7.色蛍光体
8.色蛍光体を内側から見た拡大図

ブラウン管(ブラウンかん)は、ドイツカール・フェルディナント・ブラウンが発明した図像を表示する陰極線管を指す、日本語における通称である。

ブラウンによる発明は陰極線管自体の発明でもあり、陰極線管を総称してブラウン管と言うこともあり、逆に受像管をCRT(Cathode Ray Tube)と言ったりする。しかし、たとえばマジックアイも陰極線管の一種であるが、基本的にブラウン管の一種には含めない。


目次

1 概要

2 原理

3 特殊なブラウン管

4 走査方式

5 多色表示の方法

6 磁石の影響

7 注意・その他

8 市場規模

9 ブラウン管の歴史

10 ギャラリー

11 脚注

12 関連項目

13 外部リンク


概要

ブラウンによるオシロスコープをはじめとして、ビデオモニターテレビ受像器、コンピューターなどのディスプレイなど、多く用いられてきた。

また、テレビの代名詞のように扱われることもあり、たとえばテレビの番組などを指して「ブラウン管の向こうに?」といったような使われ方をすることもある。YouTubeの"Tube"もこの真空管に由来する。「ブラウン管のスター」という言葉は映画スターを指す「銀幕のスター」と対置されよう。

ブラウンが発明したのは、冷陰極管で、クルックス管に、陰極線によって光る蛍光面を付けたものであった。今日[いつ?]一般的なブラウン管では、電子銃を利用している。

ブラウン管式のテレビでは、スイッチを入れたらすぐ表示できるようにするため、および加熱と冷却、通電と放電の繰返しによって寿命が短くなることを防ぐため、いくらかの回路を通電しっぱなしにするため待機電力を消費した。真空管時代にはこのことをうたった「ポンパ」という商品名もある。

スイッチを入れた時に聞こえる「ブーン」という音は残留磁場を消磁する音である。動作中には非常に高い周波数の「キーン」という音が、特に高域の聴覚が敏感な子供には聞こえるが、これは水平走査の音である。
原理

ブラウン管内で、陰極線電子電子銃により発射、集束され、電界または磁界により偏向されて蛍光物質を塗布した蛍光面を走査する。電子が蛍光物質に衝突するとが放出される。オシロスコープではもっぱら電界で(静電的に)、モニターディスプレイではもっぱら磁界で偏向している。ブラウン管において、磁界で偏向するための電磁石のことをヨーク(yoke、ヨークコイル)と言う。

陽極に高電圧を印加することにより、陰極から放出された電子はさらに加速される。カラーブラウン管のアノード電圧は普通20,000から26,000V (20から26kV)であり、白黒ブラウン管ではこれよりも低い。電子ビームを輝度変調するためにコントロールグリッドを備えるため、簡単なブラウン管は真空管の分類としては三極管に分類される。さらに多くの電極を持つ複雑な管もある。

ブラウン管で用いられるガラス管はその形状から、ファンネル(漏斗)と呼ばれる。
特殊なブラウン管

ある閾値以上の輝度で光らせた輝点は、以後、走査せずとも光り続けるような仕掛けになっているブラウン管があり、蓄積管(en:Storage tube
)という。次の記憶装置用のものと区別するためDirect-View Storage Tube(DVST)とも。en:Direct-view bistable storage tubeも参照。

蛍光面の帯電をダイナミックメモリに応用したものがあり、特に区別する場合はウィリアムス管という。1940から1950年代のコンピュータで採用例がある。これも蓄積管と呼ばれることがある。

低速度走査テレビジョンやレーダー、ベクタースキャンなど、リフレッシュ間隔が長い応用で使われる、残光が(比較して)長く残るタイプのブラウン管を長残光ブラウン管という。パソコンではベーシックマスターレベル3の専用ディスプレイなどの採用例がある。

たいていのブラウン管は、蛍光体の画像を見る面の反対側の面に陰極線を当てる構造になっているが、ポータブル薄型テレビ(ソニーのウォッチマン(en:Sony Watchman)など)やカメラ付きインターホンのモニタ用などで使われている、画像を見る側に陰極線を当てる構造のものもある。

薄型ブラウン管

真空管という構造的に、丸い、ないし丸みをおびた形状にどうしてもならざるをえないのだが、矩形の画像を表示する以上は、外形はより矩形に、表示面はより平坦に近いほうがよいわけで、そのように研究開発が進められていた。トリニトロンは表示面が円筒状になっており縦方向には平らであった。1996年に発売されたフラットトリニトロンに代表されるように、ブラウン管時代の末期には、特に高級モデル向けで、ほぼ完全に矩形で平坦な表示面が実現されていた。

完全平面の表示器を目指し、多数個のブラウン管を並べたような構造などが研究されたこともあり、たとえば松下の「フラットビジョン」 ⇒[1] などがある。

走査方式日本陸軍電探用ブラウン管、静電偏向型


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