倫敦の人狼
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倫敦の人狼
Werewolf of London
狼男の人形と、ヘンリー・ハルの遠戚コンラッド・ハル
監督スチュアート・ウォーカー
脚本ジョン・コルトン
ハーヴェイ・ゲイツ
音楽カール・ハヨス
撮影チャールズ・J・スチューマー
公開 1935年5月13日
上映時間75分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
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『倫敦の人狼』(Werewolf of London)は、ユニバーサル映画が製作し、1935年5月13日に公開したアメリカ映画。白黒、75分。
概要

本作はヘンリー・ハルが主演の 「狼男映画」であり、当時のハリウッドのメインストリームのうち、現存する作品の中で最も古い狼男映画とされている(フィルムが現存していないものを含めると、1913年の『The Werewolf』が最も古い)。

「狼男」の特殊メイクは、『フランケンシュタイン』(1931年)などで知られるジャック・ピアス(英語版)が担当。当初ピアスが施そうとしたメーキャップは、「表情をわかりにくくすべき」という少数派の意見を取り入れたため没になった。(ただし、その案は後に『狼男』へ流用された)。「狼男」役のヘンリー・ハルが最初のメーキャップに不満があったために変更されたとも言われ、その理由にも諸説ある。一説によると、ハルが最初のメーキャップは時間がかかりすぎることに不満があったのだという[1]。別の説によると、ハルは最初のメーキャップはあまりに動物的すぎるとしてカール・レムリ・Jrに直訴し、メーキャップを変えさせたのだという[2]。本作における狼男のメーキャップは、ピアスがのちに『狼男』で施したものと似ているが、映画史の専門家は『倫敦の人狼』のほうがおぞましいと考えている。

狼男の吠え声は本物のオオカミの鳴き声と、主演のヘンリー・ハルの叫び声を混ぜるという、あまり使われていない方法だった。冒頭文における村人の会話はチベット語とされているが、実際は広東語だった。
あらすじ

英国の著名な植物学者・グレンドン博士は、"狼憑き"という奇病の治療薬である"狼草"を求めて、チベット高原までやってきた。雇った労働者や助手までもがおびえて消極的になる中、グレンドン博士はついに"狼草"を見つけ出すも、一匹の狼に噛まれてしまう。

帰国後、グレンドン博士が主催する植物展覧会に、ヨガミ博士という謎めいたアジア人学者が来訪した。ロンドンに"狼憑き"の患者がいると言って"狼草"を手に入れようとしたこの男は、グレンドン博士を襲った狼そのものだった。

グレンドン博士は"狼憑き"の症状が出て正気を保てなくなり、自宅を去って貧民窟を転々としながら研究室の"狼草"が咲くときを待っていた。"狼草"が咲きだしたとき、グレンドン博士は研究所に侵入してきたヨガミ博士と鉢合わせ、殺し合いになった。ヨガミ博士を殺した直後、グレンドン博士は"狼憑き"について調べていたフォーサイス大佐によって射殺され、"狼憑き"から解放された。
キャスト

※括弧内は日本語吹替(テレビ版[3]/DVD版)

グレンドン博士:ヘンリー・ハル中村正石塚運昇

ヨガミ博士:ワーナー・オーランド(英語版)

Lisa Glendon:ヴァレリー・ホブソン(英語版)(水城蘭子/)

Paul Ames:レスター・マシューズ

フォーサイス大佐:ローレンス・グラント

Miss Ettie Coombes:スプリング・バイイントン

レンウィック:クラーク・ウィリアムズ

ホーキンス:J.M.ケリガン

フォーサイス夫人:シャーロット・グランヴィル

Mrs. Whack:エセル・グリフィス

Mrs. Moncaster:ゼフィ・ティルバリー

デイジー:ジーン・バートレット

その他

ウォーレン・ジヴォンの1978年のヒット曲「ロンドンのオオカミ男」は、本作をテレビで見たエヴァリー・ブラザーズのフィル・エヴァリーが発した冗談から生まれた[4]


1981年の映画『狼男アメリカン』は本作をいくつか下敷きにしている。


水木しげるは『東西妖怪図絵』(読売新聞社)で、本作の狼男を「狼男」のイラストのモデルに使っている。

脚注^ Weaver, Tom; Brunas, Michael; Brunas, John (2007). Universal Horrors: The Studio's Classic Films, 1931-1946. McFarland. p. 137. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-0-7864-2974-5 
^ Neibaur, James L. (2017). The Monster Movies of Universal Studios. Rowman & Littlefield. p. 46 
^ 初回放送1964年3月5日 NET『ショック!』


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