倒凶十将伝_封魔五行伝承
[Wikipedia|▼Menu]

倒凶十将伝
ジャンル伝奇アクション
[1]
小説
著者庄司卓
イラスト結賀さとる
出版社朝日ソノラマ
レーベルソノラマ文庫
刊行期間1995年3月31日 - 2006年2月25日
巻数全13巻
OVA:倒凶十将伝(第1期)
倒凶十将伝 封魔五行伝承(第2期)
監督高梨光(第1期)
石黒昇(第2期)
脚本大石哲也
キャラクターデザイン山本佐和子(第1期)
今泉賢一(第2期)
アニメーション制作ゼクシズ(第1期)
ティー・ピー・オー(第2期)
製作キティフィルム
発売日1999年7月25日 - 2000年1月25日(第1期)
2001年8月24日 - 2002年1月25日(第2期)
話数1・2期各3巻(全6巻)
テンプレート - ノート
プロジェクトライトノベルアニメ
ポータル文学アニメ

『倒凶十将伝』(とうきょうじゅっしょうでん)は、庄司卓による日本ライトノベル。イラストは結賀さとるが担当している。ソノラマ文庫朝日ソノラマ)より1995年3月から2006年2月まで刊行された。メディアミックスとしてドラマCDOVAが発売されている。
物語

人間界・魔界・仙界に分かれた世界が舞台。400年前、人間界と魔界を支配しようとしていた魔界の王・「現世魔王」が現代に復活しようとしている世界。人間界は現世魔王の手下・「凶魔」に脅かされていた。そんな中、凶魔と戦う者たちがいた。「倒魔士」と呼ばれる彼らは、かつて現世魔王を封印した「十幽将」の生まれ変わりであった。
登場人物
瀬具十斗(せぐ じゅっと)
- 緑川光[2]本作の主人公。現世に転生した「十幽将」の一人で、十将・光の幽将。前世の記憶を引き継いでいない。長く伸ばした黒髪を後ろでしばっている為、少女然とした顔立ちの少年である。幼き頃母(声:百々麻子)が凶魔に殺された過去を持ち、母の仇である凶魔を探し続けている。一匹狼気質で、一人で凶魔と戦うことにこだわって他人を寄せ付けようとしないが、それは彼なりの優しさでもある。捻くれ者だが根はまっすぐで、正義感も強い。凶魔に襲われる人々をなんだかんだと理屈をつけて助ける。前世は十将にして光の幽将・瀬具十兵衛。最強の倒魔術・鳴輝閃術の使い手で数々の凶魔を屠り、現世魔王と対峙した。一方、現世ではまだ歳相応に未熟で、鳴輝閃術の初歩である五〇法までしか習得しておらず、思いがけず凶魔に苦戦することも多い。現世魔王との決戦の後、20年間、刻氷に閉じ込められたここのを守りながら、凶魔の残党と戦っていた。
貴布ここの(きふ ここの)
声 - 今井由香[2]本作のヒロインの一人。現世に転生した「十幽将」の一人で、九将・獣の幽将。前世の記憶を引き継いでいない。長く艶やかな黒髪を持つ浮世離れした少女。「十幽将」と共に現世魔王と戦う組織「幽殿」によって幼少時より囲われて過ごした為に、世間知らずで古風なまま育った。語尾に「なのじゃ」、自分を「儂」と称するなど現世についての知識に疎い。現世に再び「十幽将」が集う機会を察した「幽殿」によって風印学園高校への転入を許されることとなる。前世は九将にして獣の幽将・ここ姫。召喚術を駆使する巫女でもあり、使い魔と強力な四聖獣を操って凶魔と戦う。十斗の前世である十兵衛とは恋人同士だった。お供であるハツカネズミの追儺を拠り代にして四聖獣を召喚できるが、時間帯によって呼べる獣に制限がある。東京都内、しとしとと降りしきる雨の中で十斗と運命の邂逅をすることとなる。戦いが激化していく中、ここのの召喚術を利用した仙界侵攻のために現世魔王に捕らわれてしまい、人の心を破壊して意のままに操る薬「滅魂散」を飲まされ、現世魔王の傀儡とされてしまう(だが連紙が薬の量を減らして飲ませたことで、ここのの意識は生きていた)。やがて自らの意識を取り戻したここのは仙界に赴き、神仙を説得し、仙界の協力を得て、現世魔王との決戦において切り札となる聖獣・麒麟を召喚し、戦いで大きな役割を果たす。戦いが終わった後、自らの時間と引き換えに聖獣・麒麟を召喚したここのは、その代償として少女の姿のまま刻氷の中に閉じ込められてしまう。それから20年間、氷の中に閉じ込められ続けていたが、やがて氷が解け復活することがラストシーンで書かれていた。
追儺(ついな)
声 - 高野直子ここののお目付け役のハツカネズミで、人間の言葉を話すことができる。世間知らずで、自由奔放なここのに振り回されながらも時に諫めて宥めることのできる相棒なのだが、あまり効果はない。戦闘時はここのの呼び掛けに応じて四聖獣をその身に宿して戦う。戦いが終わった後も、何度も転生を繰り返しながら変わらず存在していて、葉霧と行動を共にしていた。
空見高双葉(あみたか ふたば)
声 - 堀江由衣[2]本作のヒロインの一人。現世に転生した「十幽将」の一人で、二将・符の幽将。前世の記憶を引き継いでいない。栗色のショートヘアで細身な少女。引っ込み思案で奥手で常識派。「十幽将」の生まれ変わりである事は幼少より知らされ、また呪符を使った倒魔術・空見高流符術を家系から引き継いでいる。風印学園高校に入学以来、姿を現さず不登校の十斗を気にかけているが、一方で賑やかな風祭壬吾に猛烈なアタックをされている。前世は二将にして符の幽将・双姫。ここのの前世であるここ姫を姉のように慕い、すべての生き物が安楽に暮らせることを願う心優しい姫だった。防御・回復など支援向きの能力でありながら果敢に現世魔王率いる凶魔軍に立ち向かい、少女としてもっとも凄惨な死を迎えてしまう。空見高流符術は、その特性から身体に多大な負荷を与え、符によって作成した結界が破られるなどすると双葉自身にも大きなダメージとなる。凶魔との戦いが加速していく中で徐々に蘇ってくる前世の記憶に苦悩し、やがて白金から前世・双姫の非業の死を教えられた双葉は思い悩んだ末にある行動に出る。戦いが終わった後は壬吾と結婚して若葉という娘をもうけて、主婦業のかたわら、風見双(かざみそう)という名で作家デビューし、自分たちの戦いを描いた小説を世に出して大ヒットした。
風祭壬吾(かざまつり じんご)
声 - 置鮎龍太郎[2]現世に転生した「十幽将」の一人で、五将・風の幽将。前世の記憶を引き継いでいない。おっ立てた金髪がトレードマークの長身でひょうきんなお調子者の少年。「風のジャンゴ」を自称し、関西弁で喋る。「十幽将」の生まれ変わりであることを誇りに思い、風を自在に操って戦う倒魔術・風操術をつかう。風印学園高校で出会った同じ「十幽将」の双葉に一目惚れをして以来、猛烈なアピールをするようになる。凶魔と戦う部活動「風印倶楽部」を結成した本人。十斗と戦い、打ち解けてからは「十やん」と呼び、相棒のポジションを担う事が多いが、双葉が十斗を気にかけていることが落ち着かない。前世は五将にして風の幽将・ジョアン・ラファーガ。名のとおり日本人ではなくスペインの海賊貴族で、壬吾とは似ても似つかない緩やかな巻き毛の美青年。性格もまた大きく異なり紳士である。超強力な風操術士であり、双葉の前世で二将・双姫とは恋人同士だったが、自身が早期に戦死してしまった為に双姫を女性として最も残酷な結末から救う事ができなかった。十斗同様にまだまだ倒魔士としての実力は未熟だが、激化していく戦いの中で徐々に取り戻していく力と記憶が完全な物となった時、彼は双葉にとっての真の騎士となる。現世魔王との決戦が終わった後、双葉と結婚して、若葉という娘をもうけた。高校教師として働いていて、反抗期でお転婆な若葉に手を焼いている。
乱波葉霧(らんば はぎり)
声 - 三石琴乃[2]現世に転生した「十幽将」の一人で、八将・爆の幽将。前世の記憶を引き継いでいない。長い黒髪をポニーテールで一本に束ね、ロングスカートにセーラー服のスケ番風の少女。からっとした性格でバイク運転もお手の物。「十幽将」の生まれ変わりとして渡目沖村で祖母と共に暮らしていたが、ひょんなことから十斗と出会い、行動を共にするようになる。爆とは爆炎、爆薬の幽将であり、それらに関連するものならば自身の能力で干渉・操作することができる。渡目沖村での事件後、運命を感じ取った祖母により風印学園高校へ転入する事となる。前世は八将にして爆の幽将・八桐。忍装束に身を包み、十兵衛に密かな想いを寄せる。前世の戦い終盤で十兵衛をここ姫の下へ送る為に殿を務めて現世魔王へ単身立ち向かう。十斗に想いを寄せるが、性格上素直になれないことが多く、ここのと十斗の間にある特別な空気にヤキモキすることが多い。登場序盤では火薬を操る程度の僅かな能力であったが、物語後半では前世の力をほぼ取り戻しつつあり、核レベルの爆弾をも自在に操ってみせた。戦いが終わった後は、追儺と共に紛争地域で活動していた。
塙禄門(はなわ ろくもん)
声 - 大塚芳忠[2]現世に転生した「十幽将」の一人で、六将・花の幽将。前世の記憶を引き継いでいない。フリーライターを務める、見た目はうだつのあがらない冴えないおっさん。「十幽将」の生まれ変わりであることを知らない。倒魔術も習得しておらず、その好奇心から十斗たちに深入りし、たびたび向かえる危険な目に遭う。現世・最強の倒魔士である加賀味鏡視郎とは旧知の仲で、愛想のない彼に踏み込んでいける数少ない悪友。前世である六将・花の幽将については不明な点が多く、名前はおろか性別さえ明かされていない。草木や花といった植物を操る倒魔術であったらしく、禄門も窮地の際には無意識にそれらを駆使して危機を脱したりしている。「花の幽将」と聞いた誰もが美少女を想像するらしく、数多くの関係者を落胆させた。作中、魔王討伐において幽将の力を自分たちが管理すべきと主張する団体に拉致をされ、自我を奪われ強制的にその力を解放させられた。その後、物語後半で救出されて以降は力を使った描写はないが、幽将の一人として、魔王との決戦に加わる事になる。なおOVAでは力には覚醒しており、植物を自らの意思で操っている。戦いが終わった後、出版社を立ち上げる(会社の運営資金の大半は双葉の小説の莫大な収入でまかなわれている)。
奈々緒・ファリーナ(ななお・ファリーナ)
声 - 木村亜希子[2]現世に転生した「十幽将」の一人で、七将・刃の幽将。前世の記憶を引き継いでいない。イタリア出身のボーイッシュな少女で、髪の一部に目に見えないほどの細かく頑丈な「刃髪(きょうじん)」と呼ばれる特殊な毛を持つ。これらを駆使して、凶魔にとり憑かれた人間を、人間ごと殺してしまう為に関係者からは「殺魔士(さつまし)」と呼ばれ恐れられている。奈々緒の父親は悪魔祓いを生業とする倒魔士だったが、ときとして凶魔を祓わず見逃すなど、異端の存在に理解を示す心優しい人物だった。しかし、その優しさに付け込んだ狡猾な凶魔が奈々緒に取り付き、奈々緒は自分の意識がある状態で体を操られ、自分の手で友達や父を手にかけてしまった。それ以降、心を閉ざし、とりつかれた人間ごと凶魔を倒す「殺魔士」となった。これは自分のように意識のある状態で大事な者たちを殺める苦痛を味わうならば、いっそのこと凶魔ごとと殺してやった方がいいという考えからである。前述の理由から、人と馴れ合うことを極度に嫌い、同年代である十斗たちの誰一人にも心を開かなかった。渡目沖村の事件の最中で、「十幽将」を支援する星剣衆の一人・貪狼と出会う事で、少しずつ心を溶かしていく事になる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:64 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef