この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
出典検索?: "倍音"
倍音(ばいおん、独: Oberton、英: overtone[1]、harmonic sound[1]、harmonic overtone、harmonics)とは、楽音の音高とされる周波数に対し、2以上の整数倍の周波数を持つ音の成分。1倍の音、すなわち楽音の音高とされる成分を基音と呼ぶ。
弦楽器や管楽器などの音を正弦波(サインウェーブ)成分の集合に分解すると、元の音と同じ高さの波の他に、その倍音が多数(理論的には無限個)現れる。
ただし、現実の音源の倍音は必ずしも厳密な整数倍ではなく、倍音ごとに高めであったり低めであったりするのが普通で、揺らいでいることも多い。逆に、簡易な電子楽器の音のように完全に整数倍の成分だけの音は人工的な響きに感じられる。 古来合唱などで、本来聞こえるはずのない高い声がしばしば聞かれる現象が知られており、「天使の声」などと呼ばれて神秘的に語られていた。これらは倍音を聴取していたものだと現在では考えられている。 倍音は、数学者のマラン・メルセンヌによって1636年に発見された。 1753年、ダニエル・ベルヌーイは、波動方程式の解として三角関数を想定することにより、弦の振動は基本周波数とその整数倍の周波数の成分(倍音)の重ね合わせとして表せることを発見した。 この概念は、19世紀の数学者ジョゼフ・フーリエの見出したフーリエ級数によって体系的に理論化された。フーリエ級数とは、周期関数 f ( t ) {\displaystyle f(t)} を正弦波(三角関数)の重ね合わせとして表現するものであり、オイラーの公式を用いれば以下のように表現できる。なお、 T {\displaystyle T} は f ( t ) {\displaystyle f(t)} の周期であり、 f ( t − T ) = f ( t ) {\displaystyle f(t-T)=f(t)} を満たす。 f ( t ) = ∑ n = − ∞ ∞ c n e 2 n π i t / T = c 0 + 2 ∑ n = 1 ∞ 。 c n 。 cos ( 2 n π t / T + arg c n ) {\displaystyle f(t)=\sum _{n=-\infty }^{\infty }c_{n}e^{2n\pi it/T}=c_{0}+2\sum _{n=1}^{\infty }|c_{n}|\cos(2n\pi t/T+\arg c_{n})} ただし、 c n = 1 T ∫ − T / 2 T / 2 f ( t ) e − 2 n π i t / T d t {\displaystyle c_{n}={\frac {1}{T}}\int _{-T/2}^{T/2}f(t)e^{-2n\pi it/T}dt} とする。 第1の式は、周波数 f = n / T {\displaystyle f=n/T} の正弦波 e 2 n π i t / T = cos ( 2 n π t / T ) + i sin ( 2 n π t / T ) {\displaystyle e^{2n\pi it/T}=\cos(2n\pi t/T)+i\sin(2n\pi t/T)} を c n {\displaystyle c_{n}} 倍したものを全ての整数 n {\displaystyle n} に関して重ね合わせると元の波動 f ( t ) {\displaystyle f(t)} に等しくなることを意味している(なお、 c n {\displaystyle c_{n}} の値は一般には複素数であり、その絶対値が各倍音の振幅となって現れ、偏角が各倍音の位相のずれとなって現れる。
歴史的な背景
科学的な背景