倍量・分量単位(ばいりょう・ぶんりょうたんい)とは、基本となる計量単位に接頭語(SI接頭語など)などを付加して、その倍量・分量(通常は10のべき乗倍)を表した計量単位をいう。 例えば長さを示すのにその基本単位であるメートル(m)のみを用いたのでは、地球から他の天体までの距離は非常に大きな数値となり、逆に分子、素粒子などの大きさは非常に小さな数値となってしまう。大きな値や小さな値でも扱いやすい数値で表せるようにするために、基本となる単位の倍量・分量を示す単位が作られている。 国際単位系をはじめとするメートル法では、元の単位に対する倍数を意味するSI接頭語が使用される。例えば、接頭語センチ (c) は0.01倍を意味し、センチメートル (cm) は0.01×メートルとなる。接頭語ミリ (m) は0.001倍を意味し、ミリニュートン (mN) は 0.001×N となる[注 1]。 なお、SI接頭語を用いる代わりに、指数表記を用いた表現も科学・技術分野では頻繁に用いられる。 国際単位系(SI)ではその国際文書である国際単位系国際文書の「3 SI単位の十進の倍量および分量」において、SI接頭語とSI単位を組み合わせて、新たな計量単位を合成することを規定している[1]。 国際単位系に準拠して、計量法は、その定める計量単位に、別に定める接頭語を付加して新たな計量単位とすると規定している[2]。このようにして合成された計量単位もまた法定計量単位である。 SI接頭語接頭語記号10n十進数表記漢数字表記short scaleメートル法への導入年国際単位系における制定年
概要
法定の倍量・分量単位
一覧
クエタ (quetta)Q10301000000000000000000000000000000百穣nonillion2022年
ロナ (ronna)R10271000000000000000000000000000千'"`UNIQ--templatestyles-00000004-QINU`"'𥝱octillion2022年
ヨタ (yotta)Y10241000000000000000000000000一𥝱septillion1991年
ゼタ (zetta)Z10211000000000000000000000十垓sextillion1991年
エクサ (exa)E10181000000000000000000百京quintillion
ペタ (peta)P10151000000000000000千兆quadrillion
テラ (tera)T10121000000000000一兆trillion
ギガ (giga)G1091000000000十億billion
詳細な使い方は、SI接頭語を参照のこと。 命数法の大数、命数法#小数も古典的な倍量・分量単位の一種である。
漢数字における倍量・分量
脚注[脚注の使い方]
注釈^ ただし、1つだけ例外がある。歴史的な理由により、質量の単位キログラム(kg)はすでに単位名に接頭語を含んでおり、接頭語はキログラムではなくグラム(g)に対してつけることになっている。すなわち、キログラムの10?6倍は、マイクロキログラム(μkg)ではなくミリグラム(mg)となる。
出典^ SI国際文書第9版(2019) pp.112-113
^ 計量法 第5条第1項「計量単位に十の整数乗を乗じたものを表す計量単位」
参考文献
国際度量衡局 (BIPM); (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター (NMIJ)(訳・監修). “国際単位系 (SI) 国際文書第9版(2019年)日本語版
関連項目
SI接頭語
計量法
法定計量単位
計量法に基づく計量単位一覧
国際単位系
国際単位系国際文書
単位記号
命数法
外部リンク
『倍量単位』 - コトバンク
『分量単位』 - コトバンク