俳優
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「役者」はこの項目へ転送されています。楽曲については「役者 (ちあきなおみの曲)」をご覧ください。

「旅役者」はこの項目へ転送されています。映画については「旅役者 (1940年の映画)」をご覧ください。
コメディ・フランセーズの俳優たち(1720年歌舞伎俳優1853年

俳優(はいゆう、: actor)は、演劇映画等において、その人物に扮して台詞身振り表情などで演じる人、またはその職業のこと[1]。男女の性別は問わない[注 1]
歴史

ギリシア悲劇は、はじめ1人の俳優によって演じられていた。その後アイスキュロスが俳優を2人に増やし、ソポクレースが3人に増やしたと伝えられている[2]古代ギリシアの俳優はポリスから報酬を得ていた[2]

古代ローマヨーロッパ中世では、俳優の数は少なかったという[2]。だが、15世紀フランスおよび周辺国では聖史劇(神秘劇)が流行しており、旧約聖書新約聖書に題材を得てイエス・キリスト生誕受難復活の物語が演じられ、街の中心にある聖堂前の広場などで、地元の住民などが臨時の俳優となって参加する形で、数日間にわたり上演される、ということが各地で行われていた。

16世紀になると、コメディア・デラルテという仮面を用いる歌・踊りを交えた即興劇が流行するようになり、俳優が職業として成立するようになった[2]。男性の俳優が主に活動していたが、16世紀末の段階でイタリアやフランスで職業的女優も登場するようになった[2]。ただしイギリスでは、エリザベス朝演劇においては女の役は少年が女装して演じており、職業的女優が登場するのは17世紀後半になってからのことであった[2]

俳優の社会的地位というのは概してかなり低いものだった[2]が、19世紀になると向上する傾向が生まれ、イギリスではナイトの称号を授けられる者まで現れた[2]。「演劇の歴史」も参照
日本語の呼び名の歴史、語源

俳優という漢字表現については、『字通』(平凡社)によれば〔荀子王覇〕に「俳優侏儒(しゆじゆ)」という表現があり、また〔韓非子、難三〕には「俳優侏儒は固(もと)より人主の與(とも)に燕(たの)しむ所なり」という表現がある(親字「俳」の項)。つ

『話のネタ』という本では、日本語の「俳優」という語は坪内逍遥によるもの、と書かれた[3]
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俳優は、それぞれの特色や得意な分野に着目してキャスティングされたり、ジャンル分けされることがある。しかし、このジャンル分けに明確な基準はなく、流動的である。
活動範囲での分類

俳優をその主な活動範囲に注目して分類することがあり、「舞台俳優」「映画俳優」「テレビ俳優」「ミュージカル俳優」などといった分類が行われることがある。

欧米では主にコメディ映画・ドラマで演技を行う者はコメディアンと分類されている。

舞台演劇を中心に活動している俳優が舞台俳優である。映画俳優とは、もっぱら映画に出演している俳優のことで、米国・ハリウッドには多数存在する。「テレビ俳優」とはもっぱら劇場公開されないテレビドラマに出演している俳優で、棲みわけのはっきりしている米国では舞台俳優、映画俳優のほかに「テレビ俳優」も区別され成立している。米国では他の職業同様に、俳優業も厳格な契約によって成立しており、映画やテレビの世界では細かな職業分類がなされて法的な権利の確保や職種別の労働組合活動が行われてきた歴史があり、契約書で書かれたこと以外は一切しない、それをさせたら違法とされ裁判沙汰になるのが通例である。米国の映画俳優は原則的にテレビ広告にも出演しない。
性別での分類

俳優は男性であることが当然視されていた時代があったので、例外的な女性の俳優を特に女優と呼び分けていた時代もあった。そして女優が登場した時代以降に、男性の俳優をレトロニムで男優と呼ぶことも行われた。現在でも俳優の性別に着目して「女優」「男優」という分類がされることもあるが、現代では性差を強調しない「俳優」という呼び方で通す場合もある。英語圏でも「actor」をジェンダー中立的な用語として男女問わずに使い、従来の「actor(男優) / actress(女優)」という呼び分けを廃する動きがあるほか、演劇などの分野では男女問わず舞台俳優を「player」と呼ぶ習慣がある。

男性のみの俳優で催す歌舞伎の場合は「立役」「女形」と呼び分けられる。一方、女性のみの俳優で催す宝塚歌劇団では「男役」「娘役」がある[注 2]。ただし、例えばNHKの場合は、「俳優」と男女の別なく言及される。なお、日本においては「女優」が女性俳優を指す用語として広く用いられているのに対し「男優」という語が用いられることは少ない。ただしアダルトビデオ業界ではAV女優AV男優と呼ぶ習慣がある。
その他の分類

様々な分類がありうるが、たとえば二枚目俳優[注 3]性格俳優喜劇俳優、悪役俳優、アクション俳優、老け役俳優、個性派俳優(怪優(かいゆう))、子役脇役俳優、端役俳優(チョイ役俳優)、エキストラ俳優、スーツアクター、プライベートアクター、美人女優、脱ぎ女優、動物俳優などがある。日本では名題役者時代劇俳優、剣劇俳優、大部屋俳優などという分類もある。

また俳優はキャリアの長さに応じて、大御所俳優、中堅俳優、駆け出し俳優、新人などに分類されることもある。

アニメ洋画吹き替えなどに声だけで出演する俳優は声優と称される。ただし、俳優でもナレーションなどで顔を出さない作品も存在する。逆に声優でも舞台やテレビ等で顔を出して出演することもあり、線引きが曖昧になっている。
仕事の内容と流れ

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職業俳優の業務は、観客に公開することを目的とした劇作品を製作するために、その脚本(シナリオ)に基づき、プロデューサー演出家映画監督などの指導・指示の下、共演者や製作スタッフなどと協力して、その上演や撮影にあたって、与えられたキャスト(配役)を演じることにある。

俳優業は、まず自身の役を得ることが、ひとつの大仕事となる。ハリウッドでは一般的に、主要な役はすべてオーディションによって選ばれる。まずオーディションで選ばれないことには、俳優としての仕事が始まらない。大物俳優もオーディションに応募し、ひとつの役を巡って数倍から数十倍や数百倍におよぶ厳しい倍率の競争を勝ち抜いて役を得る。大物俳優もそうしたオーディションへの応募を年中繰り返すことでひとつひとつ自分の仕事を得ており、それを止めると仕事がパタリと無くなってしまう。

俳優の中には、ある役で高く評価されて人気が出る人も(ごく少数ではあるが)いる。大きく評価を受けた役を「当たり役」と呼ぶ。運よく類似の役が次々と出てくるようなことがあれば、その役を回してもらいやすくなり(指名してもらいやすくなり)、そうした「流れ」のようなものができて役獲得の労苦を免れる日々を人生の一時期過ごす俳優もわずかだがいる。

役を得た後の俳優の仕事の流れは、国・現場の種類・監督などによって異なっている面がある。香港映画ではしっかりした脚本が存在せず、あくまで監督の心に作品概略やアイディアだけがあり、俳優に事前に脚本が与えられず、主に撮影現場で監督が台詞を(思いつきで)与え、俳優の動作を指示しつつ撮影を進めてゆくことが多い。インド・ボリウッドでは、脚本がしばしば存在せず、撮影現場で監督の思いつきでストーリーが作られ台詞が与えられ、しかもボリウッド映画の定番である集団ダンス・シーンでは、ダンス担当監督が現場で自身の身体を使って手本を一度だけ見せ、主演俳優から多数の脇役(エキストラ・ダンサー[注 4])までが、それを見て一発で見事に模倣し撮影する、ということを次々と繰り返しつつ撮影が進む。日本では、上質の演技を行うために、通常は脚本が事前に渡され、俳優はそれを読み込み、役作りの上、打ち合わせ・稽古リハーサルなどを繰り返すといった膨大な下準備を行い、その上で本番の演技を行う。「役作り」も参照

舞台や撮影は一般に、きわめて多人数の人々が携わることによって成立している。一般に俳優ひとりが欠ける(「穴をあける」)だけでも舞台や撮影が成立しなくなってしまう。したがって俳優という仕事は、病気や個人的な都合で安易に休むことができない。特に舞台は、観客と生身の俳優が一緒にいる「場」があってはじめて成立する。観客は、例えば早くからチケットを購入し、楽しみに思いつつ、さまざまな困難がある生活の中でスケジュールを調整した上で劇場に足を運んでおり、それを裏切るわけにはいかない。また休演などという事態を引き起こすと、他の俳優にも迷惑をかけ、また観客にチケット代の払い戻しをしなければならなくなり、興行主が莫大な損失を被ることが多い。俳優が舞台に穴をあけてしまうようなことをすると、次の仕事が来なくなると言われていたり、俳優を仕事に選んだら「親の死に目にも会えない」と言われていたりする。
日本の俳優
歴史

日本では平安時代末期に田楽猿楽という演劇があり、これを演ずる田楽法師や猿楽法師が日本での職業的俳優のはじまりだと考えられている[2]

その後、を演じる能役者が現れた。また、江戸時代初期には歌舞伎を演ずる歌舞伎役者が現れた[2]

明治時代になると新派新劇と呼ばれる新しい演劇ジャンルが生まれ、それぞれのジャンルの俳優が活躍するようになった[2]
昭和 - 平成

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戦前の大スター・月形龍之介や、阪東妻三郎大河内傳次郎といった人たちは、映画監督より圧倒的に立場が上で[4]、監督がいちいち「先生、ここでお"アップ1枚ちょうだいします」と言っていたという[4]

1950年代から1960年代にかけて五社協定という取り決めがあり、映画会社と専属契約を結んだいわゆる映画俳優は、自社製作の映画以外への出演が制限されるなど、明確に活動範囲を区分されていた。そのため初期の大河ドラマは、歌舞伎界や新劇などの俳優に頼らざるを得なかった事情がある。同時期の民放のテレビドラマも同様で、海外ドラマを輸入して放送したり、テレビ局で制作するドラマには、映画俳優以外の俳優や新人を起用することで対処していた。

1970年代になり、邦画の斜陽化に伴って五社協定が自然崩壊し、さらには映画会社がテレビドラマの外注先になってテレビ映画を制作するなど、映画とテレビとの垣根はほぼ消滅した。既にテレビドラマの制作現場では映画俳優に頼らないシステムが確立され、別ジャンルから俳優業に参入するケースは以前より増えた。ただし、テレビドラマにおいては俳優の実力よりも、テレビ局と所属事務所、あるいは番組スポンサーとの関係や、俳優個人の人気すなわち視聴率を取れるかどうかを重視してキャスティングすることが多く、視聴者が疑問を感じるキャスティングがされる場合もある。


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