信貴山急行電鉄
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信貴山急行電鉄
種類株式会社
本社所在地 日本
大阪府大阪市天王寺区上本町6丁目-1
(大軌ビル)[1]
設立1928年(昭和3年)5月19日[1]
業種鉄軌道業
事業内容旅客鉄道事業[1]
代表者社長 種田虎雄[1]
資本金1,100,000円(払込額)[1]
特記事項:上記データは1943年(昭和18年)4月1日現在[1]
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信貴山急行電鉄(しぎさんきゅうこうでんてつ)は、大阪府中河内郡高安村(現在の八尾市)において普通鉄道鋼索鉄道(ケーブルカー)を運営していた鉄道事業者である。近畿日本鉄道(近鉄)の前身となる大阪電気軌道(大軌)の系列会社で、後に近鉄に統合された。

同社が運営していた鉄道線は、ケーブルカーで登った山の上を走るという、スイスなどでは例があるものの日本では唯一のもので、「山上鉄道線」「信急平坦線」「平坦線」とも呼ばれていた。本項では、主にこの鉄道線について記述する。目次

1 歴史

1.1 年表


2 路線データ

2.1 鋼索線

2.2 鉄道線


3 運行概要

4 駅一覧

5 接続路線

6 輸送・収支実績

7 車両

8 脚注

9 参考文献

歴史

元々、信貴生駒電気鉄道王寺駅 - 山下駅(現、信貴山下駅)間の鉄道線(現、近鉄生駒線)と山下駅 - 信貴山駅間の鋼索線(後に近鉄東信貴鋼索線となり、1983年に廃止)を1922年(大正11年)に開業させたのに対抗して、大阪から大軌の路線を経由してより短距離で信貴山へ行ける路線の建設を目論んで設立されたのが同社である。大軌によって1930年(昭和5年)に桜井線(現、近鉄大阪線)から分岐する形で信貴線が麓の信貴山口駅まで開業したのと同時に、信貴山口駅 - 高安山駅間の鋼索線と、高安山駅 - 信貴山門駅の鉄道線を開業させた。

信貴山門からさらに三郷町勢野までの鉄道敷設免許が存在したが、1931年(昭和6年)に起業廃止となった[2][3]

折からの不況の影響で開業時から営業成績は悪く、1938年(昭和13年)には大軌に経営を委任するが、太平洋戦争中の1944年(昭和19年)1月7日に同社が運営していた路線は不要不急線に指定され休止された。そして同年4月1日には大軌の後身の関西急行鉄道(関急、のちの近鉄)に合併され解散した。

戦後は近鉄が休止状態の路線を引き継ぎ、鋼索鉄道線は1957年(昭和32年)に復活し近鉄西信貴鋼索線となり現在も営業を続けているが、鉄道線に関してはそのまま廃線となった。その廃線部分は有料道路信貴生駒スカイライン」の一部に転用され、近鉄バスがケーブルカーに接続して運行されている。
年表

1927年(昭和2年)1月 信貴山ケーブルが大阪府中河内郡南高安村大字恩智から奈良県生駒郡三郷村大字南畑に至る索道の免許を受ける(未開業)[4]

1928年(昭和3年)

1月24日 信貴山電気鉄道が大阪府中河内郡中高安村大字山畑から奈良県生駒郡三郷村大字勢野に至る免許を受ける(一部鋼索線)[2][4][5]

5月19日 信貴山電気鉄道設立。信貴山電鉄に社名変更[6][4]。資本金75万円、大阪電気軌道のほか信貴生駒電鉄も出資[4]。本社を大阪市天王寺区上本町六丁目の大軌ビル内に置く。

11月6日 信貴山ケーブルを吸収合併[4]。資本金110万円に増資。


1930年(昭和5年)12月15日 鋼索線の信貴山口 - 高安山間、鉄道線の高安山 - 信貴山門間が、大軌信貴線と同時に開業[7][8]

1931年(昭和6年)

10月29日 信貴山急行電鉄に社名変更[4][9]

12月3日 信貴山門 - 勢野間の起業廃止[2][3][10]


1932年(昭和7年)11月4日 5号電車が高安山駅車止めに衝突[11]

1937年(昭和12年)9月26日 6号電車が谷底に転落し車体を大破。人的被害不明。

1938年(昭和13年)8月1日 大軌に運営を委託[3]。鋼索線を信急鋼索線、鉄道線を信急平坦線と称し、両線を信急線と総称[12]

1944年(昭和19年)

1月7日 信急鋼索線・信急平坦線を不要不急線として休止[3]

4月1日 大阪電気軌道(大軌)の後身の関西急行鉄道(関急)に合併[3]

6月1日 関急が南海鉄道(南海)と合併し、近畿日本鉄道(近鉄)発足。


1957年(昭和32年)

3月12日 信急平坦線を廃止[13](バス代替輸送[14])。


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