保釈金
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

保釈保証金(ほしゃくほしょうきん)とは保釈という形で勾留されている被告人の身柄を釈放する代わりに公判への出頭等を確保するために預けさせる金銭のことである。
概要

日本では刑事訴訟法第93条・第94条で規定されている。

現金での納付が基本であるが、有価証券又は保釈保証書にて代える事もできる。近年では、弁護人は、電子納付(Pay-easy)の方法で保釈保証金を銀行振込をすることが増えている。
保釈保証金の立替え制度・保釈保証書発行事業

裁判所の保釈許可決定がされても、被告人や家族等が保釈保証金を用意できない場合には釈放されない。

家族等(被告人以外の者)は、日本保釈支援協会や全国弁護士協同組合連合会に申し込みをして、家族が被告人が逃亡した場合に保釈保証金を支払う保証人となる契約を締結することで、保証料(手数料)だけを負担することで、保釈保証金を立替え、または保証書発行をしてもらう制度を利用することができる。

ただし、これらの各制度は、無制限に利用できるものではない。日本保釈支援協会や全国弁護士協同組合連合会は、被告人が保釈期間に逃亡した場合に、国から保釈保証金を没取される立場に置かれる。そのため、組織側は、貸金のように、被告人の犯罪や認否等事件の概要のほか、家族の資力等に関して審査をしている。日本保釈支援協会は、審査の結果、「この度、貴方様の保釈保証金立替支援申込みについて審査の結果、立替支援はお見送りとさせていただく事となりましたので、通知いたします。」と書面で通知をすることもある。家族が申請をしても必ず立替えをしてもらえるわけではない。勾留施設(警察署や拘置所)では、無制限に保釈保証金の立替え等をしてもらえるような噂が蔓延るものの、実際には制度を利用できないこともある。

さらに、制度の利用について、保証料は「有料」である。

概略を示すが、薬物事案の場合等で条件が異なるため、正確には各制度のウェブページを参照すること。

日本保釈支援協会の保釈保証金の立替え制度は、保釈保証金の2.75%の保証料が必要である(保釈保証金300万円の場合、保証料82500円+事務手数料2200円)[1]

全国弁護士協同組合連合会の保釈保証書発行事業は、保釈保証金の2%の保証料が必要である(保釈保証金300万円の場合、保証料60000円)[2]

利息制限法の上限金利である年利15%でカードローンで保釈保証金300万円を借りた場合、1月あたりの金利は37500円である。保釈から判決言渡期日までの期間の長短にもよる(一般に、裁判官裁判の自白事件の審理期間は2ヶ月前後である)が、各制度の手数料は特段に安いとは言えないことが実情である。親戚等から借金をして保釈保証金を支払った方が手数料はかからず、審査がなく保釈手続きとして簡便であるため、家族として手放しに各制度の利用をした方が良いとはいえない。
没取

保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で保釈保証金の全部又は一部を没取(ぼっしゅ)(保釈保証書の場合は取り立て)することができる(刑訴法96条2項)。

没取とは、国庫に帰属させることである。
還付

没取されなかった保釈保証金は、裁判が終わった段階で還付される。

具体的には、次の場合に保証金を還付する(刑事訴訟規則第91条第1項各号)。

勾留が取り消され、又は勾留状が効力を失ったとき(第1号)保釈の前提となっていた勾留そのものが取り消され、又は失効した場合である。勾留が取り消される場合については、刑訴法87条等に定めがある。勾留状が失効する場合としては、
無罪免訴、刑の免除、刑の執行猶予公訴棄却の判決や、罰金科料のみの判決が言い渡された場合がある(刑事訴訟法第345条)。なお、被告人の死亡等により公訴棄却の決定がされた場合には、被告人の親族又は後見人が受取人となることがある。


保釈が取り消され又は効力を失ったため被告人が刑事施設に収容されたとき(第2号)保釈が取り消された場合については保釈#保釈の取消し参照。保釈が取り消されたものの保釈保証金の全部又は一部が没取されなかった場合の還付の規定である。保釈が失効する場合については保釈#保釈の失効参照。実刑判決を受けた場合の還付の規定である。


保釈が取り消され又は効力を失った場合において、被告人が刑事施設に収容される前に、新たに、保釈の決定があって保証金が納付されたとき又は勾留の執行が停止されたとき(第3号)前段は、上級審での再保釈で、刑事訴訟規則第91条第2項による保証金の充当をせずに新たに納付した場合に、先に納付していた保証金の還付を定めるものである。後段は、実刑判決後に勾留の執行停止(刑訴法95条)がされた場合の還付の規定である。

ただし、刑事事件で罰金刑や追徴金が確定した場合や保釈中に民事訴訟で債権者から差し押さえられた場合は、保釈保証金から差し引かれることもある。
相場

保釈保証金は、被告人が逃亡をした場合に没取することを抑止力とする意味がある。そのため、犯罪の重さ等だけでなく、被告人の資力(預金や収入)によっても上下する。ただし、被告人が無職・無収入であっても、保釈保証金が無しになるわけではない。刑事第一審の保釈保証金の相場は、最低150万円?300万円程度である。ただし、裁判員裁判対象の重大事件ではより高額の保釈保証金を求められる傾向にある。

「保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない。」(刑事訴訟法93条2項)。

保釈保証金は、弁護人等が保釈請求書に保釈保証金の金額の希望額を記載することが多い。もっとも、あくまで希望額であり、最終的に裁判官が保釈保証金の金額を決定する。

たとえば弁護人が低額の保釈保証金(100万円等)の希望額を記載した場合には、裁判官によっては、保釈を認めない決定をし、または保釈保証金を上げられないか弁護人に打診をしている相場よりも高額の保釈保証金を希望する被告人の方が、逃亡のおそれが低くなるため、保釈が認められやすいといえる。

保釈保証金の額について、過去の平成10年のデータでは、100万円未満が1.4%、100万円以上150万円未満が15.2%、150万円以上200万円未満が34.5%、200万円以上300万円未満が31.5%、300万円以上が17.4%であった[3]。近年、弁護士などからは、保釈保証金が高額化しているとして批判もある。
保釈保証金が高額となった例

日本における保釈保証金最高額はハンナン事件における浅田満ハンナン会長の20億円である。

保釈保証金没取最高額はカルロス・ゴーンの保釈中制限されている無断の海外渡航による15億円である。

一審判決までの保釈保証金ランキング人物肩書き事件保釈日[注 1]金額
[注 2]出典
浅田満ハンナン会長ハンナン事件2004年12月22日20.0億円[4]
竹井博友地産会長地産事件1991年10月1日15.0億円[5]
末野謙一元末野興産社長末野興産事件1996年9月20日15.0億円[6]
高山清司弘道会会長京都恐喝事件2012年6月15.0億円
カルロス・ゴーン日産自動車会長カルロス・ゴーン事件2019年4月25日[注 3]15.0億円
[注 3][7][8]
滝沢孝山口組若頭補佐山口組銃刀法違反事件2003年6月17日12.0億円[9]
小谷光浩元光進代表光進事件1992年3月19日[注 4]10.0億円
[注 4][10]
水野健元常陸観光開発社長茨城カントリークラブ事件1993年6月16日10.0億円[11]
司忍山口組組長山口組銃刀法違反事件1999年7月9日10.0億円[12]
尾上縫元料亭経営者尾上縫事件1992年3月17日7.0億円[13]
山岸忍プレサンスコーポレーション社長明浄学院事件2020年8月7.0億円
許永中元不動産管理会社代表イトマン事件1993年12月21日6.0億円[14]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:48 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef