使徒座空位
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使徒座空位の紋章

使徒座空位(しとざくうい、ラテン語: Sedes vacans)は、ローマ・カトリック教会教会法上の用語で、使徒座すなわちローマ教皇死亡し、又はその地位を退いたことにより不在であることをいう。教皇空位とも。前回の使徒座空位は教皇ベネディクト16世が退位した2013年2月28日[1]からフランシスコが教皇に選出される2013年3月13日まで12日間続いた。目次

1 暫定統治

2 紋章

3 長期間にわたる使徒座空位

4 1799年以降の使徒座空位

5 教皇座空位論

6 出典

7 関連項目

暫定統治

使徒座空位が生じてから、新たなローマ教皇が選ばれるまでの間は、枢機卿が集団指導体制のもとバチカンを統治する。この枢機卿団の権限は使徒座空位の間に限った暫定的なもので、基本的には教皇空位であろうとも止められない日常業務の遂行と、どうしても新教皇選出まで待てず延期できない案件の処理のみに限られる。

使徒座空位に伴い、国務長官をはじめローマ教皇庁の各聖省の長官、評議会の議長はすべてその職務から自動的に(一旦)解任される。ただし、カメルレンゴ、内赦院長、サン・ピエトロ大聖堂首席司祭枢機卿、バチカン市国総代理枢機卿は例外である。使徒座空位が生じたときには、教皇を選出するための枢機卿の教皇選出会議であるコンクラーヴェが開催される。なお新教皇が選ばれると、解任された長官または議長は再任されるのが通例となっている。また、教皇ベネディクト16世は退位直前の2013年2月にコンクラーヴェの規則を変更し、投票権の有する枢機卿が全員揃った場合にコンクラーヴェの日程を前倒しして開催することを許可した[2]

使徒座空位の間に、枢機卿であるカメルレンゴをその長とする使徒座空位期間事務局が置かれる。使徒座空位期間事務局は、使徒座空位の間のみ使用できる使徒座空位切手や使徒座空位通貨を発行する権限を有する。
紋章

使徒座空位の際には教皇の紋章に代わって、傘と聖ペトロの鍵を組み合わせた使徒座空位の紋章が用いられる。
長期間にわたる使徒座空位

コンクラーヴェは一般的にはそれほど時間がかからないが、歴史においては数か月間ないし1年以上使徒座空位の状態が継続した時期もあった。

下記の表では空位期間が1年以上の時期を掲載する。

先代教皇次代教皇教皇離任教皇就任空位期間
クレメンス4世グレゴリウス10世1268年11月29日1271年9月1日2年10か月間
ニコラウス4世ケレスティヌス5世1292年4月4日1294年7月5日2年3か月間
クレメンス5世ヨハネス22世1314年4月20日1316年8月2日2年3か月間
グレゴリウス12世マルティヌス5世1415年7月4日1417年11月11日2年5か月間

1799年以降の使徒座空位

先代教皇次代教皇教皇離任教皇就任空位期間
ピウス06世ピウス07世1799年8月29日1800年3月14日197日間
ピウス07世レオ12世1823年8月20日1823年9月28日39日間
レオ12世ピウス08世1829年2月10日1829年3月31日49日間
ピウス08世グレゴリウス16世1830年12月1日1831年2月2日63日間
グレゴリウス16世ピウス09世1846年6月1日1846年6月16日15日間
ピウス09世レオ13世1878年2月7日1878年2月20日13日間


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