作用素_(関数解析学)
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出典検索?: "作用素" 関数解析学 ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2015年10月)

数学における作用素(さようそ、: operator)は、しばしば写像函数変換などの一般化として用いられる[1]函数解析学においては主にヒルベルト空間バナッハ空間上の(必ずしも写像でない部分写像の意味での)線型変換を単に作用素と呼ぶ。そのような空間として特に函数空間と呼ばれる函数の成す無限次元線型空間は典型的であり(同じものを物理学の分野、特に量子力学などでは演算子(えんざんし)と呼ぶ)、このとき、作用素を関数を別の関数にうつす写像として理解することができる。定義されているベクトル空間の係数体に値をとる作用素は汎函数(はんかんすう、functional)と呼ばれる。

また、が空間に作用しているとき、群や環の各元が定める空間上の変換、あるいはその変換が引き起こす関数空間上の変換のことを作用素ということがある。
定義

U, V を共通の係数体 K をもつ線型空間とする。このとき U から V への部分写像、すなわち部分集合 D ⊆ U 上で定義された V への写像 T を D 上の作用素という[2]。単に U から V への作用素とも呼ぶ。部分集合 D は定義域、部分集合 R = { T x ∣ x ∈ D } {\displaystyle R=\{\,Tx\mid x\in D\,\}} は値域と呼ばれ、それぞれ D(T) = D, R(T) = R と表す。

作用素 T が定義域 D(T) 上で単射ならば逆写像 T−1 は R(T) 上の作用素であり、逆作用素と呼ばれる。

U から V への作用素 S, T は定義域が等しく、定義域上で写像として等しいときに等しいといい、S = T と表す。

U から V への作用素 S, T の α ∈ K によるスカラー倍、和、積は以下のように定義される。

( α T ) x := α ( T x ) x ∈ D ( α T ) := D ( T ) {\displaystyle (\alpha T)x:=\alpha (Tx)\qquad x\in D(\alpha T):=D(T)}

( S + T ) x := S x + T x x ∈ D ( S + T ) := D ( S ) ∩ D ( T ) {\displaystyle (S+T)x:=Sx+Tx\qquad x\in D(S+T):=D(S)\cap D(T)}

( S T ) x := S ( T x ) x ∈ D ( S T ) := { y ∈ D ( T ) ∣ T y ∈ D ( S ) } {\displaystyle (ST)x:=S(Tx)\qquad x\in D(ST):=\{\,y\in D(T)\mid Ty\in D(S)\,\}}

作用素のクラス
汎函数詳細は「汎函数」を参照

汎函数はベクトル空間からその係数への作用素である。汎函数は超函数論や変分法に重要な応用を持ち、これらの分野は理論物理学において重要である。
線型作用素

もっともありふれた作用素の種類は線型作用素である。体 K 上の線型空間 U, V に対し、作用素 T: U → V が線型であるとは、定義域 D(T) が U の線型部分空間であり、任意の x, y ∈ D(T) および任意の α, β ∈ K に対して T ( α x + β y ) = α T x + β T y {\displaystyle T(\alpha x+\beta y)=\alpha Tx+\beta Ty}

が満たされることを言う[3]

線型作用素の重要性として、それがベクトル空間の間のとなることを挙げよう。

有限次元の場合には線型作用素は以下のように行列として表現することができる。体 K 上のベクトル空間 U および V について、それぞれの基底 u1, …, un ∈ U および v1, …, vm ∈ V を選んで固定する。(アインシュタインの和の規約によって)任意のベクトル x = xiui ∈ U を取るとき、線型作用素 T: U → V に対して T x = x i T u i = x i ( T u i ) j v j {\displaystyle Tx=x^{i}Tu_{i}=x^{i}(Tu_{i})^{j}v_{j}}

が成り立ち、このとき aj
i := (Tui)j ∈ K によって作用素 T の固定した基底に関する行列が得られる。ここで (aj
i) は x の取り方に依らない。また Tx = y ⇔ aj
ixi = yj である。故に、固定した基底に関する n × m-行列と線型作用素 U → V の間に一対一対応が成立する。

有限次元ベクトル空間の間の作用素に直接関係のある重要概念として、階数行列式逆作用素固有空間などがある。

無限次元の場合においても線型作用素は重要である。階数や行列式の概念を無限次元行列に対してまで拡張することはできず、それは無限次元の場合において線型作用素(あるいは一般の作用素)に対して有限次元の場合とは非常に異なる手法が展開されることの理由でもある。無限次元の場合の線型作用素の研究は函数解析学と呼ばれる(このように呼ばれるのは、さまざまな函数のクラスが無限次元ベクトル空間の興味深い例をあたえるからである)。

数列の全体や、任意のベクトル空間内のベクトル列の全体の成す空間はそれ自身が無限次元のベクトル空間になる。最も重要なのが実数列あるいは複素数列の場合で、それら全体の成す空間及びその部分空間は数列空間と呼ばれる。またこれらの空間上の作用素は列変換(英語版)という。
有界作用素と作用素ノルム詳細は「有界作用素」および「バナッハ代数」を参照

ベクトル空間 U, V はともに同じ順序体(例えば実数体 R)上のベクトル空間で、ノルムを備えるものとする。線型作用素 T: U → V が有界とは、適当な定数 C > 0 が存在して、任意の x ∈ D(T) に対して ‖ T x ‖ V ≤ C ‖ x ‖ U {\displaystyle \|Tx\|_{V}\leq C\|x\|_{U}}

が成立することをいう。これは線型作用素が連続であることと同値である[4]

全空間で定義されている有界線型作用素の全体はベクトル空間を成し、その上に作用素ノルムと呼ばれる U, V のノルムと両立するノルム ‖ T ‖ = inf { C > 0 : ‖ T x ‖ V ≤ C ‖ x ‖ U } {\displaystyle \|T\|=\inf\{\,C>0:\|Tx\|_{V}\leq C\|x\|_{U}\}}

を入れることができる。U = V の場合には ‖ S T ‖ ≤ ‖ S ‖ ⋅ ‖ T ‖ {\displaystyle \|ST\|\leq \|S\|\cdot \|T\|}

が成り立つことが示せる。この性質を持つ任意の単位的ノルム代数バナッハ代数と呼ばれる。このような代数の上にもスペクトル論は一般化することが可能である。バナッハ代数にさらに追加の構造を入れたC∗-環量子力学において重要な役割を果たす。

バナッハ空間空間上の有界線型作用素の全体は標準作用素ノルムに関してバナッハ代数を成す。


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