作業環境測定士
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労働安全衛生法の測定に関わる資格の「作業環境測定士」あるいは医療従事者のリハビリに関する資格「作業療法士」とは異なります。

作業環境測定士
英名 Working environment measurement
実施国 日本
資格種類国家資格
分野衛生・労働
試験形式五肢択一式
認定団体厚生労働省
等級・称号作業環境測定士
根拠法令作業環境測定法
公式サイトhttps://www.jawe.or.jp/
ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル 資格
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作業環境測定士(さぎょうかんきょうそくていし)とは、作業環境測定法等に基づいて、労働者の職場環境に存在する有害物質を調査するため、調査計画(デザイン)、試料採取(サンプリング)、分析(簡易測定および測定機器を用いる)を行い、労働者の健康を守る者、又はその資格である。

事業者が所定の作業場において作業環境測定を行うには、その使用する作業環境測定士に行わせなければならない(労働安全衛生法第65条、作業環境測定法第3条)。

作業環境測定法について、以下では条数のみ記す。

区分

第一種作業環境測定士と第二種作業環境測定士の二つに分かれる(第14条、施行規則第14条)。デザインサンプリングは種別に関わらず行えるが[注釈 1]、分析については第二種は第一種と比べ、行える業務に制限がある。

第一種 - 鉱物性粉じん放射性物質特定化学物質金属類有機溶剤の5つに分かれており、合格した科目の分野におけるすべての分析が可能となる。

第二種 - 簡易測定機器による分析が行える。「簡易測定機器」は、以下の通り(施行規則第2条)。

検知管方式によりガス若しくは蒸気の濃度を測定する機器又はこれと同等以上の性能を有する機器

グラスファイバーろ紙(0.3マイクロメートルのステアリン酸粒子を99.9パーセント以上捕集する性能を有するものに限る。)を装着して相対沈降径がおおむね10マイクロメートル以下の浮遊粉じんを重量法により測定する機器を標準として較正された浮遊粉じんの重量を測定する機器

その他厚生労働大臣が定める機器


受験資格

第一種、第二種共通である(第15条、施行規則第15条)。「卒業した者」「学士の学位を授与された者」には、「これと同等以上の学力を有すると認められる者」を含む[1]
大学または高等専門学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

高等学校または中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

大学または高等専門学校において理科系統の正規の課程以外の課程を修めて卒業した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

高等学校または中等教育学校において理科系統の正規の学科以外の学科を修めて卒業した者で、その後5年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者(理科系統の正規の課程を修めた者)で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者(理科系統の正規の課程以外の課程を修めた者)で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

応用課程の高度職業訓練(理科系統の専攻学科)または専門課程の高度職業訓練(理科系統の専攻学科または専門学科)を修了した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

普通課程の普通職業訓練(理科系統の専攻学科または専門学科)を修了した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

専修訓練課程の普通職業訓練(理科系統の専門学科)を修了した者で、その後4年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

職業訓練の検定職種のうち、一級、二級または単一等級の技能検定(理学、工学の知識を必要とするものに限る)に合格した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

8年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。

その他、上記各号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者として厚生労働大臣が定める者(作業環境測定士規程第1条、平成24年3月7日基発0307第4号)。

作業環境測定法施行規則第17条(試験科目の免除を受けることができるもの)の各号のいずれかに該当するもの。

技術士試験の第二次試験に合格したもの。

産業安全専門官、労働衛生専門官もしくは労働基準監督官またはその職務にあったもの。

学校教育法施行規則第150条に規定する者(高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者)で、同条各号に該当するに至った後、5年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの

次に掲げる教育施設を卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの

防衛大学校

海上保安大学校及び気象大学校

水産大学校


「理科系統の正規の課程」とは、次のとおりであること(昭和50年8月1日基発448号)。
大学の理学部医学部歯学部薬学部工学部鉱山学部農学部、衛生学部、獣医学部、水産畜産学部、電気通信学部又は商船学部の学科又は課程、体育学部の健康学科又は健康教育学科、教育学部の数学又は理科教員養成課程等

短期大学又は高等専門学校における1.と同様の学科又は課程

大学令による大学又は旧専門学校令による専門学校における1.と同様の学科又は課程

「労働衛生の実務」とは、職場における労働者の健康を保持し、又はその心身の能力を増進させるために行う行為を内容とする実務をいい、具体的には、以下の実務をいうものであること(昭和50年8月1日基発448号)。
労働環境衛生に関する調査又は研究

作業条件、設備等の衛生上の改善

衛生教育、健康診断その他労働者の健康保持のために必要な措置等に関する実務

試験

第一種は8月下旬頃の2日間、第二種は8月下旬頃の1日間と2月中旬頃の1日間の2回である[2]

厚生労働大臣は、申請により指定する者(指定試験機関)に、試験の実施に関する事務を行わせることとされ(第20条)、現在、公益財団法人安全衛生技術試験協会が作業環境測定士の試験事務を実施している[1]
試験科目

施行規則第16条に定められている。

共通科目(第一種・第二種とも)

労働衛生一般

労働衛生関係法令

デザイン・サンプリング

分析に関する概論


選択科目(第一種のみ)

有機溶剤

鉱物性粉じん

特定化学物質等

金属類

放射性物質

試験科目の免除
全科目免除

以下のいずれかの免許を受けたもの(施行規則第17条1号、11号)。つまりこれらの者は登録講習の受講のみで第一種・第二種作業環境測定士資格を得ることができる(施行規則第5条)。

医師

歯科医師

薬剤師

共通科目の全部と選択科目の一部免除

以下に挙げる者は、登録講習の受講のみで第二種作業環境測定士資格及び一部の第一種作業環境測定士資格を得ることができる(施行規則第17条2号、4号、7号、8号)[1]
放射性物質のみ


診療放射線技師免許を受けた者[3]

選任されている核燃料取扱主任者、試験研究用等原子炉主任技術者、発電用原子炉主任技術者または第一種放射線取扱主任者

核燃料取扱主任者免状、原子炉主任技術者免状または第一種放射線取扱主任者免状を有する者で、放射性物質の濃度の測定の実務に3年以上従事した経験を有する者。

放射性物質以外


学校教育法による大学もしくは高等専門学校を卒業し、または高等学校もしくは中等教育学校を卒業し、環境計量士(濃度関係に限る)の登録を受けた者で、厚生労働大臣の登録を受けた団体が行う試験免除講習を修了した者。


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