佚存書(いつぞんしょ)とは、中国では失われたが、日本や朝鮮などに伝存していた漢籍のこと。佚存という言葉は、江戸後期の文人、林述斎が『古文孝経』など16編の佚存書をまとめた『佚存叢書』によるとされる。有名な佚存書として、『遊仙窟』や『古文孝経』などがある。 漢籍ははやくから周辺諸国に伝えられていたが、歴代王朝の禁書政策や戦禍などにより、中国国内では失われるものも多かった。このため、佚存書がうまれた。しかし、当初は佚存書の存在自体が中国人に認識されていなかった。呉越国の銭弘俶が商人からの情報に従って、日本に残る天台宗の書籍を逆輸入したのが記録に残る佚存書輸入のはじめである[1]。また、宋の張端義は「宣和年間、高麗に奏使する者は、その国に異書甚だ富み」と記している[2]。これらのことから、中国における、佚存書意識の萌芽は10世紀前後にさかのぼることができる。[3] 北宋では「然が太宗に『孝経』鄭注と『越王孝経新義』を献呈し[4]、また欧陽脩が「日本刀歌」で「逸書百篇今尚存」と歌ったことで、日本に古書が残ることが有名になった[5]。 清では考証学が発達し、古い書籍への需要が高まった。日本からは皇侃『論語義疏』、蕭吉『五行大義』(『佚存叢書』版)、太宰春台版の『古文孝経』、岡田挺之が『群書治要』から輯佚した『孝経』鄭注、市河寛斎による『全唐詩逸』などが輸入・出版され、一部は高く評価されたが、一部は贋作ではないかと疑われた。
歴史
楊守敬以降も、董康(『書舶庸譚』)、孫楷第
(中国語版)(『日本東京所見小説書目』)など、佚存書の探索と整理に努めた人は少なくない。この項目は、書籍に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(PJ出版・PJ書物/P書物)。
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更新日時:2017年11月10日(金)13:09
取得日時:2019/10/07 01:25