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体液(たいえき)は、動物がなんらかの形で体内に持っている液体である。生物学的には、動物の体内にあって、組織間や体腔内、あるいは全身に広がった管や循環系の中を満たしているものだけを指す。
一般的には、唾液・汗・精液・尿など、体内外に分泌・排泄される様々な液体も体液と呼ばれることがある。人の体液 左から精液、尿、唾液
など 体液は大きく細胞内液(ICF)と細胞外液(ECF)に分けられるが、細胞内液は体液に含まないことが多い。細胞外液には、血液やリンパ液、血管の外の細胞間を満たす組織液、および体腔内の体腔液などが含まれる。 体重70 kgの男性の体液の内訳[1]全水分量42 L細胞外液14 L血漿(血管内)2.8 L ヒトの成人男性において、健常時の全体液(細胞内液+細胞外液)は体重の60%を占める。内訳は、体重に対して細胞内液が40%、組織液が15%、血液(血漿のみ)・リンパ液が4.5%・体腔液などが0.5%である。脂肪組織はほとんど水を含まないため、男性に比べて脂肪が多い成人女性では、体重に対する体液の比率が小さくなる(男性の8割ほど)。 体液比は年齢とともに減少していく。新生児で最も高く約78%であるが、これは細胞外液量が多いためである。4歳くらいで成人とほぼ同じ比率になる。一方、老人の体液比は約50%で、これは細胞内液量が減少したことによる。 生体の水分代謝の異常を知るためには体液量を測定する必要がある。日常的には、尿量や尿比重、血液組成などから体液量を推測する間接的な方法を用いるが、より正確に知りたい場合には直接的な方法で測定する。 直接法の中で臨床的に使われる方法としては希釈法がある。これは、すみやかに体内に拡散して代謝や排泄が行われにくい標識物質を一定量投与し、平衡状態に達したときの濃度から各体液量を算出する方法である。 全体液量の測定には、標識物質として細胞内外に均一に分布するアンチピリンや重水が使用される。また細胞外液量測定には、細胞内に移行しないイヌリン、マンニトール、チオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムなどが標識物質となる。
分類
狭い意味での体液
血液
リンパ液
組織液(組織間液、細胞間液、間質液)
体腔液
漿膜腔液
胸水
腹水
心嚢液
脳脊髄液(髄液)
関節液(滑液)
眼房水(房水)(→眼圧)
ときに体液と呼ばれるもの
消化液
唾液
胃液
胆汁
膵液
腸液
汗
涙
鼻水
尿
精液
膣液
羊水
乳汁
体液量
間質液11.2 L
細胞内液28 L
体液量の測定法
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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