体の拡大
[Wikipedia|▼Menu]

この記事は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。
出典検索?: "体の拡大" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2015年7月)

抽象代数学のとくに体論において体の拡大(たいのかくだい、: field extension)は、体の構造や性質を記述する基本的な道具立ての一つである。

体の拡大の理論において、通常は非可換な体を含む場合を扱わない(そのようなものは代数的数論に近い非可換環論あるいは多元環論の範疇に属す)。ただし、非可換体(あるいはもっと一般の)の部分集合が、非可換体の演算をその部分集合へ制限して得られる演算により、その非可換体を上にある体として(可換な)体構造をもつとき、元の非可換体の(可換)部分体と呼び、元の非可換体を(非可換)拡大体と呼ぶことがある。

以下本項では特に断りの無い限り、体として可換体のみを扱い、単に体と呼称する。目次

1 定義

2 中間体

3 代数性・超越性

4 正規拡大・分離拡大・ガロア拡大

5 拡大の準同型

6 注

6.1 注釈

6.2 出典


7 参考文献

8 関連項目

9 外部リンク

定義 K 。 k {\displaystyle {\begin{matrix}K\\|\\k\end{matrix}}}

(可換)体の組 K, k が与えられるとき、体の拡大 K/k [注釈 1]とは、k は K に集合として含まれ[注釈 2]、k の体構造が K の体構造の制限として得られる構造に一致していることをいう。またこのとき、k は K の部分体(ぶぶんたい、subfield)、基礎体(きそたい)あるいは下にある体であるといい、K は k の拡大体(かくだいたい、extension field)あるいは上にある体であるという。

同じことだが、可換体 K が体 k を集合として含み、かつ k-多元環の構造をもつとき K/k を体の拡大という。後の条件のないときは拡大体といわず上体と呼ぶ流儀もある。いずれの場合も上にあるとか下にあるとかといった言い回しは用いて構わない。多元環は積を持つベクトル空間であるから、拡大 K/k において上の体 K を下の体 k 上のベクトル空間と見なすことができる。k ベクトル空間としての K の次元のことを拡大 K/k の次数(じすう、degree of field extension)といい、[K : k] などで表す。特に、体 K が有限次元 k ベクトル空間なら、拡大 K/k は有限次拡大であるといい、そうでないとき無限次元拡大という。
中間体 K 。 M 。 k {\displaystyle {\begin{matrix}K\\|\\M\\|\\k\end{matrix}}}

K, M, k が体で K/M および M/k がともに体の拡大であるとき K/M/k と書いて体の拡大の列と言い、M を拡大 K/k の中間体(ちゅうかんたい、intermediate field)という。 k ¯ 。 K 。 M N ╱ ╲ M N ╲ ╱ M ∩ N 。 k {\displaystyle {\begin{matrix}{\bar {k}}\\|\\K\\|\\MN\\\diagup \quad \diagdown \\M\qquad \quad N\\\diagdown \quad \diagup \\M\cap N\\|\\k\end{matrix}}}

もし M, N がともに K/k の中間体なら、共通部分 M ∩ N もふたたび K/k の中間体となる。とくに、K の部分集合 E と k に対して、E と k とをともに含む最小の体が存在する。これを k に E を添加(てんか、adjunction)した体とよび k(E) のように表す。また、部分体 M に対し M = k(E) となるとき、M は E によって k 上生成された体であるといい、E を M の k 上の生成系とも呼ぶ。中間体 M, N に対して和集合 M ∪ N は必ずしも体とはならないが、M ∪ N を含む最小の体 MN := M(N) = N(M) を M と N の合成体と呼ぶ。

代数閉包の(同型を除く)一意性から、通常はある体 k の拡大を考えるときには、k の代数閉包 k を一つ固定し、k の任意の拡大は代数閉包 k に含まれる中間体であるものとして議論を進めることが多い。

k に有限集合 E = {a1, ..., an} を添加した体 k(E) は k 上有限生成あるいは k 上有限型であるといわれ、k(a1, ..., an) とも略記される。特に生成系が一元集合 E = {α} のとき、k(α) を k に α を添加して得られる単拡大あるいは単純拡大(たんじゅんかくだい、simple extension)という。一般に、有限とは限らない集合 E を添加するとき、 k ( E ) = lim → F ⁡ k ( F ) = ⋃ F k ( F ) {\displaystyle k(E)=\varinjlim _{F}k(F)=\bigcup _{F}k(F)}

となる。ただし、F は包含関係による帰納系と見た E の有限部分集合全体を動く。 K 。 k ( E ) 。 k [ E ] 。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:27 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef