住宅金融専門会社
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住宅金融専門会社(じゅうたくきんゆうせんもんがいしゃ)は、本来、個人向けの住宅ローンを主に取り扱う貸金業(ノンバンク)の一業態である。住専(じゅうせん)と略される。目次

1 住専各社

2 歴史

2.1 設立

2.2 不動産業への傾注

2.3 住専問題


3 住専問題の最終処理

4 アメリカの住宅金融専門会社

5 現在の日本における住宅ローン

6 脚注

7 参考文献

8 関連項目

9 外部リンク

住専各社

日本住宅金融
JCBの母体の一つである三和銀行(現:三菱UFJ銀行)系だが、当初は創業者庭山慶一郎の支配色が濃い。三和等の各都市銀行と、東洋信託銀行(現:三菱UFJ信託銀行)、三井信託銀行(現:三井住友信託銀行)の信託銀行2行、横浜銀行千葉銀行地方銀行2行が出資し、破綻処理時の融資額は8社中最大である。

株式会社ファミリーライフサービス
株式会社飯田産業が70%を出資、タクトホーム株式会社、株式会社東栄住宅、株式会社アーネストワン、一建設株式会社がそれぞれ7.5%を出資する。

住宅ローンサービス
第一勧業銀行富士銀行(共に現:みずほ銀行)、三菱銀行東海銀行(共に現:三菱UFJ銀行)、住友銀行さくら銀行(共に現:三井住友銀行)、あさひ銀行(現:埼玉りそな銀行)が5パーセントずつ出資する。

日本ハウジングローン
日本興業銀行(現:みずほ銀行)と日本債券信用銀行(現:あおぞら銀行)を母体に、末期は大和証券(現:大和証券グループ本社)、日興証券(現:SMBC日興証券)、山一證券(経営破綻)等の各国内証券会社に加え、母体行融資先企業も複数社出資する。

第一住宅金融
現在の野村ホールディングス各社と日本長期信用銀行(現:新生銀行)子会社の日本ランディックの合弁会社である。

住総

地銀生保住宅ローン
日本生命保険を筆頭に生命保険会社各社と、横浜銀行等の一部地銀が出資する。

総合住金
東京相和銀行(現:東京スター銀行)等の第二地方銀行各行が出資する。

協同住宅ローン
農林中央金庫JAバンクが出資する。事業性不動産関連融資は早期に撤退し、現在も唯一営業している。他7社と異なり優良顧客を奪取して不良融資紹介する母体行の不存在で損失が桁違いに少なかった、と紺谷典子は自著[1] に綴る。
歴史
設立

1970年代、住宅資金需要が旺盛になったものの、銀行は個人向けローンのノウハウが乏しく、その実小口融資が面倒でコスト高につくため、また重厚長大産業向け企業融資をメインとしていたため、これに熱心でなかった。このため、大蔵省が主導し銀行等の金融機関が共同出資して、住宅金融を専門に取り扱う会社を設立した。これが住宅金融専門会社(住専)である[2]。なお、銀行の出資に当たっては、会社法でのいわゆる「5%ルール規制」により、一行あたり最高でも5.00%しか出資していないが(出資で言うなら農業協同組合は0%)、後の住専処理では、出資額・融資額以上の責任を追及された。

住専の事業構造は、金融機関から資金を調達して、個人・事業者に融資を行うというものである。また、店舗網を持たないことから、案件は母体行等からの紹介されたものを中心とした。また、代表者ほかには、多数の大蔵省OBが天下っていた。親銀行も役員を送り込んでいた。
不動産業への傾注

1980年代に入って大企業の間接金融離れが広がると、銀行が直接個人向け住宅ローン市場に力を入れはじめ、住専の市場を侵食し始めた。送り込んだ役員経由の顧客リストを基に、より低い金利を武器にして、母体行が取引先を肩代わり(住専にとっては繰り上げ償還)することで優良顧客を奪っていった[3]。また財政投融資資金で長期・固定で低金利の融資を行っている住宅金融公庫も住専の市場を圧迫し、また大手信販会社も住宅ローンに注力し始めた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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