ハチ公物語
監督神山征二郎
脚本新藤兼人
製作東急グループ
三井物産
松竹
出演者仲代達矢
八千草薫
柳葉敏郎
石野真子
山城新伍
長門裕之
音楽林哲司
主題歌林哲司「ガラスの観覧車」
撮影姫田真佐久
編集近藤光雄
配給松竹富士
公開 1987年8月1日
上映時間107分
製作国 日本
言語日本語
興行収入 50億円[1]
配給収入 20億円
(1987年邦画配給収入1位)[2]
テンプレートを表示
『ハチ公物語』は、1987年に公開された映画作品[3][4]。
忠犬ハチ公の生涯を、実話に基づき創作を加えて描いた[1]。
スタッフ
製作者 - 奥山和由
原作・脚本 - 新藤兼人
監督 - 神山征二郎
音楽 - 林哲司
オーケストレーション - 中西俊博
主題歌 - 林哲司「ガラスの観覧車」(作詞 - 売野雅勇)
撮影 - 姫田真佐久
美術 - 西岡善信、藤原和彦
録音 - 紅谷愃一
照明 - 佐藤幸郎
編集 - 近藤光雄
助監督 - 中島俊彦
ドッグトレーナー - 宮忠臣
犬担当助監督 - 金佑彦
効果 - 小島良雄
MA - にっかつスタジオセンター
現像 - 東京現像所
協力 - 忠犬ハチ公銅像維持会
プロデューサー - 鍋島寿夫、進藤淳一
製作協力 - ライトヴィジョン
出演
上野秀次郎 - 仲代達矢
上野静子 - 八千草薫
森山積 - 柳葉敏郎
上野千鶴子 - 石野真子
煙草屋の内儀さん - 浦辺粂子
尾形才吉 - 尾美としのり
お吉 - 春川ますみ
留さん - 山城新伍
芹沢道郎 - 山本圭
橋本八百蔵 - 殿山泰司
近藤梅蔵 - 加藤嘉
前川 - 井川比佐志
間瀬課長 - 高橋長英
町田巡査 - 石倉三郎
焼鳥屋の客 - 岸部四郎
女中・およし - 片桐はいり
旅館の主人 - 三木のり平
旅館のおかみ - 菅井きん
たみ子 - 加藤登紀子
安井小荷物係 - 泉谷しげる
菊さん - 長門裕之
古川駅長 - 田村高廣
樋浦勉
原知佐子
黒田アーサー
野口ふみえ
田山真美子
及川以造
獅子てんや・瀬戸わんや
高崎隆二
中瀬博文
松竹の奥山和由プロデューサーは、1984年の『海燕ジョーの奇跡』で、実質第一作といえるほど満足がいく作品が出来たと自負し、業界人を集めておもてなしを含めた記者会見をやった[1]。その席で「作品の内容と興行というものがやっと両輪が回るようになった」などと少し調子に乗って演説をぶっていたら、記者の一人に「奥山さん、『南極物語』の数字がいくらか知ってるんですか?『海燕』ぐらいの数字じゃヒットプロデューサーとは言えないんじゃないですか?」と言われた[1]。公然の場で赤っ恥をかかされ、腹を立てた奥山は「あの映画の数字が化けた最大の要因は、タロとジロのかわいさ、それと大量の無料テレビスポットです。数年前の『キタキツネ物語』の手法の拡大版ですよ。言ってみれば動物モノのジャンルです」と言い返した。すると記者連中に「この若造、数字をあげてから言えよ」「松竹カラーを無視している」「なぜ外の監督ばかり使うんだ」などと集中砲火を浴びた[1]。これ以降、「ヒットメーカー」という言葉が強迫観念のように襲いかかり、「ならこっちも犬で当ててやる。どうせ犬だろとは言わせないぞ」と、それで犬の題材を探した。ある日、渋谷を歩いていたら、早慶戦の後で、酔っぱらった慶応の学生が忠犬ハチ公像の上にまたがり、警官と揉めていて、警官が「ハチ公の上に乗っかるな!」と怒鳴ったら学生が「ハチ公は国民のものであってあんたのものじゃないぞ!」と言った[1]。それを聞いた途端、「ハチ公だ!国民映画だ!」と閃いた[1]。 松竹社内で企画を提出したら、最初は偉い人(奥山融)から「古い」と言われて即却下された[1]。するとフジテレビジョンが東宝と組んで作った『子猫物語』が大当たり。「猫の次はまた犬だろ」と再度企画を出したら今度は「東宝が猫で松竹は犬か!そう言われたら沽券にかかわる。駄目だ」と反対された[1]。再々度「ぬいぐるみなどのキャラクターグッズで、マーチャンダイジングが出来る」と具体的に数字を挙げて説明したら、ある役員が「この間、銀座の女に話したら『古いわよ』と言った」と発言し、これが支持されまたまたまた却下された[1]。これは松竹では何度企画を提出しても無理だろうと判断し、ならば外部作品の形で作ろうと考え、東映で出来ないかと、岡田茂東映社長に話を持ち込んだ[1][5][6]。
製作決定まで