伝統的工芸品
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経済産業大臣指定伝統的工芸品(けいざいさんぎょうだいじんしていでんとうてきこうげいひん)は、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号)に基づいて経済産業大臣により指定された日本伝統工芸品を指す。
概要

行政用語では伝統的工芸品と呼ばれ、次の要件によって指定される。
主として日常生活の用に供されているもの。

製造過程の主要部分が手工業的であるもの。

伝統的技術または技法によって製造されるもの。

伝統的に使用されてきた原材料を使用していること。

一定の地域で産地形成されていること。

経済産業大臣が指定する伝統的工芸品の品目数は、2022年令和5年)11月時点で241点を数え[1]、分野ごと(業種別)の内訳は以下のとおりである[2]

織物(38)

染色品(14)

その他繊維製品(5)

陶磁器(32)


漆器(23)

木工品・竹工品(33)

金工品(16)

仏壇仏具(17)


和紙(9)

文具(10)

石工品(4)

貴石細工(2)


人形こけし(10)

その他の工芸品(25)

工芸材料・工芸用具(3)


伝統的工芸品産業振興協会編著の『伝統的工芸品ハンドブック』では、法律において「伝統的」と認められる年数について「100年以上の歴史を有し、現在も継続しているもの」との基準が示されている[3]

2000年(平成12年)の時点では千葉県熊本県にも指定品目が存在しなかったが、2003年(平成15年)に千葉県の1品目・熊本県の3品目が指定された。

北海道においては先住民族であるアイヌが固有の文字を持たず口承のみが世代間の知識の伝達手段であったため、古来よりその工芸品が生産されてきたことを示す文献が残されておらず長らく伝統的工芸品の指定を受けている品目が存在していなかったが[3]、2013年(平成25年)2月にいずれも日高振興局管内沙流郡平取町二風谷の工芸品2点が指定を受け、全ての都道府県において1品目以上の指定が出揃うことになった[4]

指定品目が多い都道府県は東京都が最多の21点で、次いで京都府が17点となっている[5]
生産額

伝統的工芸品の生産額は1974年昭和49年)以降、日本の経済成長の波に乗って年々増加を続け、1980年代には年間5000億円前後の水準を維持していた。とくに1984年(昭和59年)には生産額が5237億円とピークを迎えた。しかしながら、国民の生活様式の変化やバブル崩壊後の長引く景気の低迷、海外からの安価な生活品の輸入などの理由から2003年(平成15年)には2003億円と半減した。2003年度における各産地の関連工芸品総生産額は約6037億円であり、指定伝統的工芸品は工芸品総生産額の約3分の1を占めていることになる。2006年(平成18年)にはさらに1773億円まで落ち込んでいる[6]

生産額の推移グラフ(経済産業省製造産業局 伝統工芸品産業室の資料を基に作成[6]

「S」は昭和年度、「H」は平成年度を表す。

下の数字は生産額(単位10億円)を表す。

年代S49S54S59S61S63H2H4H5H8H10H12H14H15H16H17H18
生産額305383383454509539461354321298314225235219214202

企業数及び従事者数

企業数は1979年(昭和54年)の34,043社から2006年(平成18年)には16,704社と半減し、従事者数は1979年の28万7956人から2006年には9万3365人と3分の1にまで減少している[6]

また30歳未満の従業者の比率も1974年(昭和49年)の28.6パーセントから2006年には6.1パーセントまで落ち込み、伝統的工芸品産業は高齢化が進んでいる[7]

企業数及び従事者の推移グラフ(経済産業省製造産業局 伝統工芸品産業室 の資料を基に作成[8]

「S」は昭和年度、「H」は平成年度を表す。

下の数字は、企業数(単位100人、青棒)および従事者数(単位1000人、緑棒)を表す。

年代S49S54S59S61S63H2H4H5H8H10H12H14H15H16H17H18
企業数305383383454509539461354321298314225235219214202
従事者数280287236249229205186152137114961061031009893

経済産業大臣指定伝統的工芸品一覧

本節の出典[2][5]
本項での決め事


個々の記述内容は、左から順に、品目名、丸括弧内に、属する分野、指定年、主要製造地域、丸括弧を閉じる。次いで、必要に応じて記号(後述)を添え、最後に備考があればこれを記す。
なお、厳密には、2000年(平成12年)7月31日指定の甲州手彫印章までは通商産業大臣によって指定されたもので、2001年(平成13年)7月3日指定の八女提灯以降は経済産業大臣によって指定されたものである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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