会計史
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ルカ・パチョーリの著書『スムマ』(1494)。複式簿記を体系化した最初の本とされる。

会計
主要概念
簿記 - 時価会計
現金主義 - 発生主義
環境会計
売上原価 - 借方 / 貸方
複式簿記 - 単式簿記
後入先出法 - 先入先出法
GAAP / US-GAAP
概念フレームワーク
国際財務報告基準
総勘定元帳 - 取得原価主義
費用収益対応の原則
収益認識 - 試算表
会計の分野
原価 - 財務 - 法定
基金 - 管理 -
財務諸表
貸借対照表
損益計算書
キャッシュ・フロー計算書
持分変動計算書
包括利益計算書
注記 - MD&A
監査
監査報告書 - 会計監査
GAAS / ISA - 内部監査
SOX法 / 日本版SOX法
会計資格
JPCPA - ACCA - CA - CGA
CIMA - CMA - CPA - Bcom
税理士 - 簿記検定
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会計史(かいけいし)では、会計歴史および会計と密接に関係がある帳簿簿記の歴史について扱う。会計は利益利害関係者に説明する行為(英語: accounting)を指し、簿記は帳簿に取引を記録する行為(英語: bookkeeping)を指す[1]。歴史的には、会計はの記録とそれにもとづく管理、簿記は会計に固有の記録・計算用ツールともいえる[2]。現在の会計という語は企業会計を指す場合が多いが、国家についての記録も多数が残されている[3]。本記事では古代を含めて国家・商業組織の会計や家計簿を対象とする。
概要
各時代の概要クエンティン・マサイス両替商とその妻』(1514年)。金銭を扱う職業の注意深さ、妻の信心深さを表している[4]
古代

会計や帳簿の起源は、ものを数える行為や、物資を管理する行為に関係し、文字の使用よりも早く行われていた[5][6]。物資を集めて分け与える管理は再配分とも呼ばれ、古代の会計や帳簿は再配分と密接な関係にあった。穀物をはじめとする食糧や現物は、国家の歳入歳出や交換に使われ、物資の数量把握が必要とされた。エジプトメソポタミアイスラエル中国ギリシャローマなどの地域では、現在の単式簿記にあたる会計が行われていた[7][8]
中世

イスラーム王朝は商業のインフラを整えて、財務官僚の技術として書記術とともに簿記術を広め、インド数字を取り入れた[9][10][11]イタリア都市国家は地中海貿易を盛んに行い、13世紀から15世紀にかけて複式簿記の原型が整えられていく[12]貿易金融の複雑化や、商人識字率の上昇も帳簿の発展を後押しした。インド・アラビア数字イスラーム世界からヨーロッパへ伝わり、計算や記録が容易になっていった[13]
近世・近代

複式簿記がヨーロッパ各地に伝わり、会計や商法の近代化が進んだ。主な点としては、(1)年次決算の確立、(2)精算表の出現、(3)時価による評価替え、(4)口別損益勘定の総括化、(5)貸借対照表の原型となる資本金勘定、などがある[14]

初期の複式簿記は少人数の組合員や組織によるものだったが、産業革命が進んで投資額や企業が大規模になると、多くの株主に成果を開示するためにフローとストックを要約した表を開示するようになった。これが貸借対照表損益計算書である[15]。会計制度や法規制の増加にともない、専門家として公認会計士が登場し、公認会計士による監査制度も整えられた[16]
現代

地域による会計基準の違いを解決するために、国際会計基準の導入が進んだ。会計事務所は監査に加えてコンサルティングを行うようになり、20世紀後半から監査法人独立性に疑問が呈されるようになる。21世紀には不正会計により大企業が相次いで破綻し、会計の厳格化や投資家保護の法律が定められたが、世界金融危機が発生した[17][18]
数学・技術コーデクス・ヴィギラヌス(英語版)。インド・アラビア数字がヨーロッパで書かれた初期の例。スペインの修道院で発見された[19]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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