伊藤沙恵
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 伊藤沙恵 女流四段
2016年10月2日)
(棋士会みやぎ復興将棋フェスティバルにて)
名前伊藤沙恵
生年月日 (1993-10-06) 1993年10月6日(30歳)
プロ入り年月日2014年10月1日(20歳)
女流棋士番号52
出身地東京都武蔵野市
所属日本将棋連盟(関東)
師匠屋敷伸之九段
段位女流四段
女流棋士DB伊藤沙恵
戦績
タイトル獲得合計1期(女流名人 1期)

2023年4月18日現在
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伊藤 沙恵(いとう さえ、1993年10月6日[1] - )は、日本将棋連盟所属の女流棋士2022年女流名人を獲得[2]。女流棋士番号は52。屋敷伸之九段門下[1]東京都武蔵野市出身[1]

2004年の小学生名人戦では永瀬拓矢を破って3位となり[3]、同年に女性としては史上最年少となる10歳で奨励会に入会[4]。2014年に初段で退会、女流棋士に転向した[3]。2022年の女流名人戦では、史上最多となる9度目のタイトル挑戦で初タイトルを獲得した[3]
棋歴
奨励会時代

将棋を覚えたのは5歳ごろ[注釈 1]。父が兄(5歳上)に教え、その兄から教わった[5]

2004年、小学5年で、第29回小学生将棋名人戦に東京都多摩地区代表で出場、NHK教育テレビジョンで放映される決勝大会(準決勝・決勝)に進出し[6]、準決勝で佐々木勇気に敗れて全国3位(優勝は佐々木勇気、準優勝は菅井竜也[7][8][注釈 2]。準決勝を戦った伊藤と佐々木は、共に石田和雄の経営する将棋道場に通っていた[6]。この年の小学生将棋名人戦には、他に三枚堂達也永瀬拓矢斎藤慎太郎佐々木大地長谷部浩平石川優太が代表選手として出場しており、女子の代表選手は伊藤のみであった[10]

同年9月29日、10歳で関東奨励会に入会(6級)[1]。10歳での奨励会入会は女子では最年少記録である(2018年現在)[4]

2011年5月、2級のとき、里見香奈女流三冠の奨励会編入試験において、加藤桃子(当時2級)・西山朋佳(当時4級)とともに対戦相手を務める[11]。里見は初戦で加藤に敗れたが伊藤と西山に勝ち、1級での編入を決める[11]

2011年7月17日の奨励会(関東)例会から6連勝し、8月24日の例会で1級に昇級[12]。ライバルの加藤より一歩早い昇級であった。

その少し前の2011年5月27日日本将棋連盟が『奨励会と女流棋士の重籍に関する件」について』を公表し[13]、「女性の奨励会員が女流棋戦にエントリーし、出場することは自由である」としたことを受け、第5期マイナビ女子オープンと第1期女流王座戦に出場。

うち、第5期マイナビ女子オープンでは、予選第6ブロック決勝で村田智穂女流二段に敗れて本戦出場を逃した。

一方、第1期女流王座戦では予選を通過し、2011年7月から始まった本戦(16名によるトーナメント)[注釈 3]では、元タイトルホルダーの石橋幸緒を破るなどしてベスト4に進出。しかし、9月21日の準決勝で加藤桃子との奨励会1級同士の対決で敗れた。なお、加藤は決勝五番勝負でも清水市代に勝ち、初代女流王座となった。

2013年10月12日、第7回白瀧あゆみ杯争奪戦(非公式戦)に奨励会員として初出場し、優勝した[14]

2014年9月30日、日本将棋連盟から、伊藤が1級で奨励会を退会し[3]、女流棋士に転向することが公表された[1]。伊藤が奨励会の年齢制限(21歳までに初段)を迎える1週間前のことであった[注釈 4]。本来は「奨励会2級以上で退会の場合は、退会時の段級位でそのまま女流棋士の資格を得る」という規定に基づき女流1級となるが、伊藤は第7期マイナビ女子オープンでベスト4、第1・3・4期リコー杯女流王座戦でベスト4入りしており、「女流棋士昇段級規定」の女流初段の条件を満たしているため、2014年10月1日付で、関東所属の女流棋士初段となった[1]
女流プロ入り後
2015年度

第5期女流王座戦は、第4期ベスト4入りによりシードされて本戦から出場し、上田初美香川愛生、里見香奈のタイトルホルダー・タイトル経験者を連破し、鬼門だったベスト4の壁を突破。さらに、8月31日の準決勝(対 里見香奈)の勝利は、里見が更新中であった女流公式戦の最多連勝記録を21で止めた、特筆すべき一勝であった[15]9月11日の挑戦者決定戦でもタイトルホルダーの甲斐智美 倉敷藤花に勝ち、自身初のタイトル挑戦となった。また規定により同日付けで女流二段に昇段した。奨励会時代からのライバルである加藤桃子との五番勝負は第6局までもつれる熱戦となったが、2勝3敗1持将棋で惜しくもタイトル獲得はならなかった。10月27日には、第27期女流王位戦予選決勝で竹部さゆりを破り、挑戦者決定リーグ入り。リーグ戦(紅組)では3勝2敗でリーグ残留。第43期女流名人戦でも予選を勝ち抜き、女流名人リーグ入りを果たした。
2016年度

第43期女流名人戦挑戦者決定リーグでは5勝4敗でリーグ残留(翌期の順位は5位)。第28期女流王位戦挑戦者決定リーグでは、白組で優勝し(室谷由紀中村真梨花、甲斐智美、清水市代らを連破して5戦全勝)、2017年3月13日に行われた、紅組優勝(同じく5戦全勝)の本田小百合との挑戦者決定戦を制し、2度目のタイトル挑戦を決めた。女流棋士枠で出場した男性棋戦では、第88期棋聖戦の1次予選で宮田敦史に勝利した[16]
2017年度

第28期女流王位戦五番勝負では、里見香奈女流王位(女流五冠)に対して第4局までで2勝2敗、2015年度の第5期女流王座戦(対 加藤桃子)に続いて最終局までもつれ込む熱戦となったが、第5局で敗れた伊藤は2勝3敗で敗退。続いて登場した第39期女流王将戦三番勝負、第25期倉敷藤花戦三番勝負、第44期女流名人戦五番勝負では、3シリーズともタイトル保持者の里見香奈にストレートで敗退し、初タイトル獲得はならなかった。4シリーズ連続の敗退が決まった女流名人戦第3局(2018年2月4日)で、終局後の伊藤は涙を見せた[17][18]

2017年度の伊藤は、第44期女流名人戦挑戦者決定リーグで8連勝して最終一斉対局(9回戦)を待つことなく優勝・挑戦権獲得を決め[19][注釈 5]、6つの女流タイトル戦のうち4つに登場するなど[19]、「今期、大ブレイク」 ? スポーツ報知[19]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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