伊東線
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伊東線

伊東線に乗り入れる特急「サフィール踊り子
(2022年8月 伊東駅
基本情報
通称上野東京ライン[注釈 1]
日本
所在地静岡県
種類普通鉄道在来線幹線
起点熱海駅
終点伊東駅
駅数6駅
電報略号イトセ
路線記号JT
開業1935年3月30日
全通1938年12月15日
所有者東日本旅客鉄道(JR東日本)
運営者東日本旅客鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
使用車両使用車両を参照
路線諸元
路線距離16.9 km
軌間1,067 mm
線路数複線(熱海駅 - 来宮駅間)[注釈 2]
単線(上記以外)
電化方式直流1,500 V架空電車線方式
最大勾配25
最小曲線半径240 m
閉塞方式自動閉塞式
保安装置ATS-P[1]
最高速度95 km/h

路線図


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停車場・施設・接続路線
凡例


東海道本線


JR東海東海道新幹線


0.0JT 21 熱海駅




野中山トンネル 255 m


1.2JT 22 来宮駅


JR東海:東海道本線


丸山トンネル 80 m


水口トンネル 963 m


不動トンネル 1,795 m


6.0JT 23 伊豆多賀駅


多賀トンネル 69 m


新小山トンネル 186 m


8.7JT 24 網代駅


新宇佐美トンネル 2,941 m


13.0JT 25 宇佐美駅


16.9JT 26 伊東駅


伊豆急行線

伊東線(いとうせん)は、静岡県熱海市熱海駅と同県伊東市伊東駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線幹線)である。
概要

熱海から伊豆半島東岸を走り伊東に至る路線である。熱海駅では東海道本線東海道新幹線に接続し、また伊東駅以南では当路線を延長する形で伊豆急行線が伊豆半島南部の下田まで延びており、直通運転が行われている。東京方面から東海道本線を経由して多くの特急列車が乗り入れ、観光路線としての役割を担う。

0キロポスト来宮駅に置かれているが、正式な起点は、線路名称上の起点である熱海駅となっている。東海道本線が熱海駅 - 来宮駅間で併走し、来宮駅の信号設備も使用するが、営業上は東海道本線に来宮駅は存在しない。

日本国有鉄道(国鉄)の路線として初めて列車集中制御装置 (CTC) を導入した線区である。

伊豆多賀駅 - 網代駅間のカーブはほとんど半径300 - 400メートルである。また宇佐美駅 - 伊東駅間は山地が迫る海岸沿いを走る。全線の約3割がトンネル区間だが、沿線は@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}伊豆半島特有の軟弱地層[要出典]のため、大雨が降ると土砂崩れの危険性が高く、しばしば運転見合わせになることがある。

当線の来宮駅 - 伊東駅間は単線ながら全駅で行き違い可能となっているが、ほとんどY字分岐のため進入時に減速を余儀なくされる。先に普通列車が停車していても、通過する特急列車が運転停車することが多い。

旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「東京近郊区間」、およびIC乗車カードSuica」の首都圏エリアに含まれている。路線記号はJTで、駅番号は東海道線からの続番となる。

静岡県内を通るJR線で、唯一県内で完結する路線でもある[注釈 3]。また静岡県内でJR東日本が管轄しているのは、東海道本線の丹那トンネル以東と当路線のみである。東海地方にある路線や駅でJR東海が管轄していないのは、在来線の熱海駅とこの伊東線、三重県内の関西本線非電化区間(亀山駅以西:JR西日本が管轄)のみである[注釈 4]
ラインカラー

旅客案内で使用される本系統のラインカラーは媒体によって2通り存在している。

東京近郊路線図(現在の路線ネットワーク)では、東海道線の延長的な扱いとしてオレンジ(■)を使用している。一方、各駅に掲示される運賃表や、スマートフォン向けサイト「JR東日本アプリ」においては、緑(■)を使用しており、駅名標についても前述の駅番号を導入する一方で帯の中央のラインカラーが緑に統一された。駅構内の旅客案内では、両方のラインカラーによる表現が混在しているが、路線記号以外に限れば、熱海駅や伊東駅のように後者の緑に統一された駅もある。

来宮駅の駅名標
路線記号のカラーは東海道本線と同一であるが、中央の帯は緑一色となっている。

熱海駅の駅名標
帯の中央のラインカラーにおいて、東海道本線と伊東線を区別している事例。

路線データ

管轄:東日本旅客鉄道(
第一種鉄道事業者)・日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者)

路線距離(営業キロ):16.9 km

軌間:1,067 mm

駅数:6(起終点駅含む)

伊東線所属駅に限定した場合、東海道本線所属の熱海駅[2]が除外され、5駅となる。


複線区間:熱海駅 - 来宮駅間(1968年完成)

電化区間:全線(直流1,500 V・架空電車線方式

閉塞方式:自動閉塞式

保安装置:ATS-P[1]

最高速度:95 km/h

運転指令所:熱海CTC

準運転取扱駅(入換時は駅が信号を制御):熱海駅・来宮駅・伊東駅


最長トンネル:新宇佐美トンネル (2,941 m)

全区間が横浜支社の管轄となっている。
歴史

改正鉄道敷設法別表第61号で定められた「静岡県熱海ヨリ下田、松崎ヲ経テ大仁ニ至ル鉄道」の一部である。元々は熱海駅と下田町(現:下田市)の間を複線で結ぶ計画であったが、濱口雄幸緊縮財政政策により、熱海駅 - 伊東駅間のみが単線で建設されることになった。伊豆半島独特の海岸に山が迫る険しい地勢、断層・軟弱地層などで開通には苦労を要した(宇佐美トンネル掘削時の温泉湧出などは同時期の清水丹那トンネルなどに最新の掘削技術がフィードバックされた)。

1938年(昭和13年)に熱海駅 - 伊東駅間が全線電化で開通した。観光路線として全通するとすぐに東京駅からの直通列車の運転が開始されている。1961年(昭和36年)には伊東駅 - 伊豆急下田駅間を結ぶ伊豆急行線が開業し、同線との直通運転も開始された。当時は伊東駅に田町電車区伊東支区があり、同駅にて増解結を行っていた。2003年(平成15年)に小野田線で最後の運用が終了したクモハ42001も1950年代に伊東線で運用されていたことがある。

国鉄時代より複線化計画があったが、熱海駅 - 来宮駅間の線増(複線化)、新小山トンネル、新宇佐美トンネルの建設、線路切替、網代駅 - 宇佐美駅間の路盤改良工事のみを実施したところで凍結された。再整備して使用する計画であった旧宇佐美トンネル等は放置された。地元で複線化の構想が長年続いたが、2003年(平成15年)に伊東複線化期成同盟会は解散した[3]。[要出典]
年表

1935年昭和10年)3月30日:熱海駅 - 網代駅間 (8.7 km) が開業。来宮駅・伊豆多賀駅・網代駅が開業。

1938年(昭和13年)12月15日:網代駅 - 伊東駅間 (8.2 km) が延伸開業し全通。宇佐美駅・伊東駅が開業。

1958年(昭和33年)

5月11日:来宮駅 - 伊東駅間で列車集中制御装置 (CTC) の試運用を開始[4]

5月20日:来宮駅 - 伊東駅間でCTCの本運用を開始[4]


1961年(昭和36年)12月10日:伊豆急行線開業により、同線との直通運転を開始。

1968年(昭和43年)9月9日:熱海駅 - 来宮駅間の東海道本線が新線に移ったため、旧線(複線)が伊東線専用となる。

1984年(昭和59年)2月1日:全線の貨物営業廃止。

1985年(昭和60年)2月25日:老朽化した CTC 装置を取替使用開始。

1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化によりJR東日本が継承。JR貨物が全線の第二種鉄道事業者となる(全線の貨物営業再開。ただし、伊豆急行への車両搬入出時に限る)。

1996年平成8年)10月1日横浜支社の発足に伴い、全線の管轄がこれまでの東京地域本社(現在の東京支社)から横浜支社に変更される。

2004年(平成16年)11月下旬:ATS-SNからATS-Pへ更新。

2013年(平成25年)8月19日 : 熱海駅・伊東駅で、始発列車について半自動ドアの通年運用を開始する[5]

2015年(平成27年)3月8日:熱海駅と伊東駅を除くすべての駅が無人化。無人駅化に合わせ「駅遠隔操作システム」導入。

運行形態

熱海駅から東海道線(東京方面)と、伊東駅から伊豆急行線(伊豆急下田方面)とそれぞれ直通運転を行っている。

なお、当線での貨物列車は伊東駅発着の甲種車両輸送列車が稀に運行されるのみであり、定期列車の設定はない。
特急列車

当線を介して東海道本線と伊豆急行線を直通運転する特急踊り子」4往復(土休日は6往復)、「サフィール踊り子」1往復が運行されている。かつては特急「スーパービュー踊り子」も定期運行されていたが、2020年で運行終了となった。
普通列車
伊東線内および伊豆急行線直通列車

早朝と夜間は熱海駅 - 伊東駅間の折り返し運行となるが、それ以外の時間帯は伊豆急行線へ直通運転を行う。

伊豆急行所属車両による直通もあり、JR線内のみの運用にも充当される。なお1988年時点では、同社の2100系を使用する普通列車について車両愛称と同じ「リゾート21」の列車名を付与していた[6]
東海道線直通列車(上野東京ライン)

東海道線直通列車は、2022年現在1日5往復が直通しており、夜間の上り品川行き1本を除き上野東京ラインとして東京駅から東北本線宇都宮線)・高崎線に直通している[注釈 5]


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