伊勢参宮神乃賑
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女芸人お杉・お玉のくだりに登場する間の山(伊勢参宮名所図会より) 寛政9年(1797)

『伊勢参宮神乃賑』(いせさんぐうかみのにぎわい)、通称『東の旅』(ひがしのたび)は、喜六と清八による伊勢参りの道中を描いた一連の上方落語である。『伊勢参宮神之賑』の表記もある。

大坂から奈良を通って伊勢へ(『発端』-『奈良名所』-『野辺』-『煮売屋』-『七度狐』-『うんつく酒』-『常太夫義太夫』-『鯉津栄之助』-『三人旅浮之尼買』)、伊勢神宮にお参りをし(『間の山お杉お玉』『宮巡り』)、近江京都を廻って大坂に戻ってくるまでの道中(『軽石屁』-『これこれ博打』-『高宮川天狗酒盛』-『矢橋船』-『宿屋町』-『こぶ弁慶』-『走り餅』-『京名所』-『三十石夢乃通路』)が、多くの演目によって構成されている。『野辺』から『法会』-『もぎどり』-『軽業』-『軽業講釈』と続ける道程もある。

ほとんどの演目は喜六と清八の二人が主人公であるが、『軽業講釈』『こぶ弁慶』『地獄八景亡者戯』(登場する軽業師が『軽業』と同一人物とすれば)などは主人公が異なり、『東の旅』に接続された「外伝」とも位置づけられる噺である。

この『伊勢参宮神乃賑』(東の旅)や『兵庫船』(西の旅)などの旅ネタと呼ばれる一連の道中噺は、元々基礎訓練のための前座噺で、前座が張扇と小拍子を用いて賑やかにしゃべる。3代目桂米朝一門では入門するとまずこの『東の旅』より『発端』を習い覚える。

タイトル簡単なあらすじ
(前口上)「ようよう上がりました私が初席一番叟で御座います」?小拍子と張扇を用いての口上。
発端喜六と清八が伊勢参りに出かける。大坂から出立し、東へ、玉造?深江?暗峠
奈良名所旅は奈良に入る。
大仏の眼大仏の中に落ちてしまった眼を直そうと子供が大仏の中に入って…。『奈良名所』でサゲる時に使われる小噺。
野辺野辺へ出てくると、伊勢参りからの帰りとみられる陽気な一行とすれ違う。清八が後付けを始め…。
煮売屋喜六と清八が、変な煮売屋で休息する。
七度狐ひょんな事からの恨みをかい、何度も何度も化かされてしまう。
うんつく酒造り酒屋で暴言を吐いた後、酒屋の姦計に引っかかって捕らえられてしまうが…。清八の弁舌が見物。
常太夫義太夫義太夫語りと三味線弾きだと偽り、土地の庄屋に歓待してもらうことに。
法会村の鎮守様の法会に遭遇。露天商の描写から、がまの油売りの口上に入る。現在は『がまの油』として独立して演じられることがほとんど。
もぎどり続いてうさんくさい見せ物小屋のインチキ興行でひどい目にあう。現在はしばしば『軽業』の前半部分として演じられる。
軽業軽業の舞台を見学する。指二本と扇子で軽業の模写をする芸が見どころ。
軽業講釈軽業の隣は講釈場。講釈師が一席語り始めるが、隣の騒音で聞こえなくなってしまい、軽業師と喧嘩になる。
鯉津栄之助大和三本松の鹿高の関で、領主の倅の名に通じる「こいつぁええ」と言う言葉を禁じられる。ところが喜六はその禁句を言ってしまい…。
三人旅浮之尼買源兵衛を加え、三人で伊勢明星の宿に宿泊。女郎を買う事になるが喜六ひとりが尼さんに当たってしまい…。『三人旅』とも。
間の山お杉お玉伊勢間の山にいた女芸人に、他所では価値のなかった仙台銭を投げつける。
宮巡り伊勢神宮の名所巡り。4代目桂文我によって蘇演された。
軽石屁鈴鹿峠で清八に家来扱いされた挙句、籠賃を騙し取られた喜六が、珍妙な方法で意趣返しをする。
これこれ博打賭場で身ぐるみ剥がれた後、神様のふりや、盗人に会ったふりなどしながら、飲み食いをせしめる。
高宮川天狗酒盛多賀大社に向かう道中、宿を夜逃げし、盗人の一味に出会った二人は…。
矢橋船近江矢橋大津を結ぶ船の中で、平家の秘宝である名刀「小烏丸」を探す侍二人と遭遇。
宿屋町大津に宿泊。客引き女と二人のやり取りが見どころ。
こぶ弁慶宿屋の壁土を食べた男が、壁の中に塗りこめられていた大津絵武蔵坊弁慶に憑依される。初代笑福亭吾竹作と伝える。
走り餅逢坂の関で乞食に絡まれた侍を助けた二人は、名物走り餅をおごってもらうが、侍は突然しゃっくりが止まらなくなり…。
京名所『三十石夢乃通路』の発端として演じられる。
三十石夢乃通路京と大坂を結ぶ三十石舟の船上を描く。

関連項目

上方落語#旅ネタ

4代目桂文我










落語の演目 (場面別)
長屋噺

厩火事

小言幸兵衛

子ほめ

三軒長屋

粗忽長屋

宿替え(粗忽の釘)

たらちね

天災

貧乏花見(長屋の花見)

花屋の仇討ち

不動坊

へっつい幽霊

まんじゅうこわい

薬缶

寄合酒

らくだ

廓噺

明烏

居残り佐平次

お直し

お見立て

紺屋高尾

五人廻し

三枚起請

品川心中

付き馬

文違い

みいら取り

お店噺

御神酒徳利

笠碁

口入屋

松竹梅

崇徳院

千両蜜柑

高砂や

寝床

百年目

味噌蔵

百川

旅噺

大山詣り

こんにゃく問答

三十石

三人旅

伊勢参宮神乃賑(東の旅)

富士詣り

二人旅

万金丹

宿屋の仇討ち

宿屋の富

音曲・芝居噺

お血脈

掛取万歳

替わり目

七段目

四段目

中村仲蔵

淀五郎 

カテゴリ:落語の演目

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更新日時:2020年2月20日(木)00:16
取得日時:2020/10/08 01:16


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