仮面ライダー_THE_FIRST
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}仮面ライダーシリーズ > 仮面ライダー THE FIRST

仮面ライダー THE FIRST
Masked Rider The First
監督長石多可男
脚本井上敏樹
原作石ノ森章太郎
製作

加藤和夫(東映ビデオ

矢田晃一(東映エージエンシー

白倉伸一郎

武部直美東映

製作総指揮鈴木武幸(東映)
出演者

黄川田将也

高野八誠

小嶺麗奈

ウエンツ瑛士

小林涼子

音楽安川午朗
主題歌DA PUMP
Bright! our Future
撮影田中一成
編集須永弘志
制作会社東映東京撮影所
製作会社仮面ライダー THE FIRST 製作委員会
公開 2005年11月5日
上映時間90分
製作国 日本
言語日本語
前作劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼
次作

劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE(仮面ライダー次作)

仮面ライダー THE NEXT(THE次作)

テンプレートを表示

『仮面ライダー THE FIRST』(かめんライダー ザ ファースト)は、2005年11月5日に公開された仮面ライダーシリーズ映画作品。キャッチコピーは「継ぐのは、魂」、「時を経て遂に現れた、これが『原点(オリジナル)』だ!」。
概要

現代を舞台に1971年に放送されたテレビシリーズ『仮面ライダー』と、石森章太郎原作漫画を参照しながら描かれる新たな物語となっている。テレビシリーズ第1作と同様、仮面ライダー1号こと本郷猛と仮面ライダー2号こと一文字隼人が主人公として活躍する映画作品ではあるが、従来のテレビシリーズの純粋なリメイクや番外編ではなく、石森章太郎が1作目放送当時に執筆した漫画版を企画の出発点としたもので、プロデューサーの白倉も「オマージュやリメイクではなく、原点を定め、スタートを改めて切る原点回帰」と語っており、「THE FIRST」というタイトルも新たに漫画版を映像化した1ページ目を作り上げるという意志を表したものとなっている[1]

例えば、

仮面ライダーは「変身!」と叫ばず、素顔の上に仮面を自分の意思で装着して「変身」する。

一文字は本郷を襲う刺客として送り込まれる[1]

コブラをモチーフとする男性怪人とヘビをモチーフとする女性怪人がおり、二人はショッカーのメンバーになる前から恋人同士で本名はそれぞれ「晴彦」と「美代子」。

などの要素はいずれも漫画版に由来するものである。しかしまた一方では、

「レッツゴー!! ライダーキック」が流れるオープニング

死神博士(を思わせる人物[注釈 1])の登場

テレビシリーズの変身ポーズをアレンジしたファイティングポーズ

試験管を砕いたり、トラックに轢かれそうになった少女を救うも、圧迫によって呼吸困難になるなど、端的に本郷の力を表した描写[1]

など、換骨奪胎を図ってテレビシリーズ第1作に準じた演出や設定も多く[1]、リメイク的要素も含まれている。

仮面ライダーをはじめとしたキャラクターデザインや設定などは、テレビシリーズ第1作と漫画版をベースに現代風アレンジが加えられている[1]。監督はテレビシリーズ第1作で助監督として携わった長石多可男が担当した。単なる子供向けのヒーローものではなく、恋愛ドラマ的要素も盛り込まれているが、これに関してプロデューサーである白倉伸一郎は「仮面ライダーで冬ソナをやる」という発言をはじめ、原作で放置されていた、本郷猛と緑川ルリ子のエピソードを補完したかったと語っている[1][3]

劇場では単独公開された初の仮面ライダー映画であるが、東映系列の主要映画館では配給されず、公開初日に上映した劇場は20館のみであった。

製作委員会も他の仮面ライダー映画とは異なり、東映グループ4社で構成されている。

立花藤兵衛役は、『仮面ライダーV3』で風見志郎を演じた宮内洋が務めた[1]

また、冒頭シーンには石橋蓮司本田博太郎が出演している。両者とも後の平成仮面ライダーシリーズにおいて別役でレギュラー出演しており、特に本田は本作品へ出演したことが翌年の『仮面ライダーカブト』への出演に繋がった[4]

主題歌はDA PUMPが担当し、ボーカルのISSAは劇中でもショッカー幹部役として出演している(本名の「辺土名一茶」名義)。

2006年4月30日放送の『仮面ライダーカブト』第14話には、本作品で本郷猛を演じた黄川田将也がワンシーンのみゲスト出演した。衣装やバイクなどは本作品の本郷そのものであるが、クレジットは「特別出演」となっている[2]

2007年10月27日には、続編にあたる『仮面ライダー THE NEXT』が公開された。
あらすじ

水の結晶を研究する大学院生の本郷猛は取材を通じて知り合った雑誌記者緑川あすかと惹かれ合っていた。だが、あすかには同僚で将来を誓い合った矢野克彦という婚約者がいた。

ある日、帰宅途中で本郷は謎の集団に襲われる。社会の裏に暗躍する、謎の秘密組織ショッカー。彼らは本郷の才能に目をつけ、組織の一員とするべく拉致し、改造手術を施す。一方、あすかは襲撃事件の現場でたびたび目撃される怪人の影を追っていた。

寒い冬の日、怪人の目撃者を尾行していたあすかと矢野は殺人事件に遭遇する。それはショッカーの改造人間スパイダーの手によるものだった。スパイダーの攻撃で気を失うあすか。そして、矢野の前に現れたのは洗脳され改造人間“ホッパー”となり果てた本郷猛であった。スパイダーの指示で矢野をその手にかけようとした本郷は、降り出した雪を見たことで自我を取り戻す。矢野にとどめを刺そうとしていたスパイダーを攻撃した本郷は“裏切り者”の烙印を押される。矢野を介抱しようとした本郷は、その現場を目を覚ましたあすかに目撃される。

矢野が亡くなったことを知り、自らの体がもはや普通でないことを思い知らされた本郷は人知れず苦悩するが、本郷を婚約者の仇と思うあすかは厳しく叱責する。真実を語ることの出来ない本郷に出来ることは、目撃者としてショッカーに狙われるあすかを影から見守ることだけだった。

そんな2人の前に、死んだ矢野に瓜二つの謎の男一文字隼人が現れる。男の正体は本郷抹殺のためにショッカーが送り込んだ“刺客”であり、第2のホッパーであった。本郷と一文字は激しい戦いを繰り広げる。だが、一文字は抹殺のため近付いたあすかに本郷の影を見たことで、激しい嫉妬と執着を抱くようになる。本来なら定期的な施術(インジェクション)を受けなければ死に至るはずの本郷が健在であることに焦りを感じたショッカーの幹部たちは、一文字の出した「本郷猛抹殺の報酬としてあすかを自分のものにする」という条件を受け入れる。

一方、海沿いの病院で入院生活を送る三田村晴彦は見舞いに訪れる人もなく、孤独のうちに死を迎えることに恐怖しながら殻に閉じこもり、自ら命を絶とうとするなど、精神的に追い詰められていた。そんな彼の枕元に人知れず花を飾る者がいた。それは病院のボランティアを名乗る少女原田美代子だった。明るく天真爛漫に振る舞う美代子に苛立ちを隠さない晴彦。

だが、病院を抜け出しても他に行く場所がない“絶望”を救われたことで、晴彦は美代子に自らの抱える不安を打ち明ける。美代子に誘い出された晴彦は、“恋人同士”のような束の間の楽しい一時を過ごすが、そのさなかに美代子は意識を失い病院に搬送される。美代子は晴彦よりも重い病を抱え、死を間近にした患者の一人だった……。

2人の仮面ライダー、そして2組の運命が激しく交錯する。
登場人物
本郷 猛(ほんごう たけし) / 仮面ライダー1号
城南大学大学院で、水の結晶の研究を行っている青年。研究を取材に来た雑誌記者の緑川あすかに美しさに惹かれ、ほのかな恋心を抱く。類いまれな頭脳を持つゆえにショッカーによって改造手術を施され、頭脳オペレーションによる洗脳で自我を奪われた改造人間ホッパーとなるが、雪の結晶を見たことをきっかけに自我と記憶を取り戻し、ショッカーと決別する。そして自らの力に悩みつつも、“美しいもの=命”を守るために戦うことを決意する。ホッパーの特徴はバッタ由来の身軽さとそれを支える強靭な肉体であり、走行中のトラックを片手で止められるほどの怪力を持つ。戦い方は、相手の攻撃を受け流しながら隙を突いて強烈な一撃を叩き込むカウンター型であり、一文字との初戦では彼の猛攻に押されながらもなんとか受け切り、逆に深手を負わせることに成功している。他の改造人間たちには等しく起こっている発作的な拒絶反応(リジェクション)が彼にだけは起きておらず、改造人間として初めての成功例と呼ばれる。
一文字 隼人(いちもんじ はやと) / 仮面ライダー2号
ショッカーに反旗を翻した本郷を抹殺するためにショッカーによって送り込まれた刺客。ホッパーへと改造される前の経歴は不明であるが、緑川あすかの婚約者、矢野克彦に瓜二つな容姿をしている[注釈 2]。劇中においてたびたび「あすかは俺のもの」と呼んではばからないなど、粗暴な言動で軟派な遊び人だが、内に秘めた想いは誰よりも熱い男。頭脳オペレーションによる洗脳を受けておらず、ショッカーの命令には自分の意思で従っている。組織への忠誠ではなく、任務では報酬の先払いを要求するなど、自分の欲望を優先させることもあった。本郷に負けず劣らずのバイクの腕を持つ。ホッパーの身軽さと怪力を活かした流れるような連続攻撃や、立体的な動きで相手を翻弄する戦法を得意としており、本郷より幾分か戦い慣れしていることがうかがえる。日を増すごとに拒絶反応が起こる間隔が短くなっており、物語終盤にはそれが原因で隙を作ることも多くなっていく。
緑川 あすか(みどりかわ あすか)
週刊ABBAの女性記者。水の結晶の研究を取材する中で本郷と知り合っていた。同僚の矢野克彦とは婚約者の間柄で、結婚を間近に控えていた。世間を騒がす“怪人”の取材中に克彦をショッカーに殺され、それを本郷の仕業だと誤解し、彼に憎しみを抱く。後にその誤解は解けるが、克彦と瓜二つである一文字も現れ、三角関係となってしまう。怪人について探っていたことなどからたびたびショッカーに襲われ、後には改造実験体としてショッカーに拉致されてしまう。
矢野 克彦(やの かつひこ)
週刊ABBAの記者で、緑川あすかの婚約者。性格は温厚で人当たりもよいが小心者であり、瓜二つの風貌の一文字とは正反対である。連続行方不明事件の痕跡を追う中、スパイダーによって殺される。
立花 藤兵衛(たちばな とうべえ)
本郷行きつけのバイクショップ「立花レーシング」の経営者。本郷の身辺に何か変化があったことを見抜き、彼の腕を見込んでサイクロン1号を託す。
三田村 晴彦(みたむら はるひこ)
緑山総合病院に長期入院している少年。誰一人として自分の見舞いに来ないことから自暴自棄になり、自殺を図るまでに追い込まれていたが、美代子との出会いによって生きる意味を見出し、彼女とともに過ごすことを決意する。
原田 美代子(はらだ みよこ)
晴彦の前に突然現れた、天真爛漫な少女。ボランティアと称して晴彦を外の世界に連れ出し、彼に生きる希望を与えるが、実は自分の方が晴彦以上の重い病に冒されていた。
ショッカー

「Sacred Hegemony Of Cycle Kindred Evolutional Realm」(直訳: 同種の血統による全体の、神聖なる支配権)、称して「SHOCKER」。人類と経済を裏から支配[5]しようとする秘密結社。改造人間を製造する技術を有し、優秀な人間を選定・拉致して改造人間にすることで、要人の暗殺や拉致、企業が行う最新研究や開発活動の妨害などを実行する[6]。改造人間の候補として選ばれた人間に「おめでとう」と言いながら赤いバラの花束を贈るなど、改造人間になることを名誉と考えていることを窺わせる。
ショッカー幹部

ショッカーの最上位に立つと思われる政界・財界のトップクラス[5]の者たち。日本国内のとある孤島に存在する基地を管理運営する以下の3人で構成されており、巨大なモニターから改造人間たちに指示を与えるが、いずれもその正体や名前、国籍などの素性、改造人間であるのかは一切不明である[7][6]

チャイナドレスを着た、実社会ではIT産業のトップに君臨する妖艶な若い女[6]

ストリートなファッションに身を包んだ今風の若い男[6]

死神を思わせる衣装を着用した老紳士[6]

ショッカー改造人間

首領や幹部の命令で動く怪人。本郷たちと同じく元は常人であり、スパイダーや『THE NEXT』のシザーズジャガーのように、改造後も普段は社会に溶け込んで生活している者もいるが、作戦を遂行する際には仮面(マスク)を着用することにより、正体と感情を隠すことが義務付けられている[6]。ライダーキックなどの強い衝撃を受けると破壊されて爆発することから、体内には生物的な改造だけではなく、機械的な部品などが使用された強化が図られていると思われる[8]。リジェクションの発生を抑えるため、ショッカー施設において一定期間内の血液交換を必要とする。本記事では便宜上、“ライダー”と“怪人”と表記しているが、裏切る前のライダーもショッカーのバッタ怪人“ホッパー”であった。

登場する改造人間たちは、スネークを除いていずれも旧作『仮面ライダー』や漫画版に登場した怪人たちへのリスペクトやオマージュも込められ、同じショッカーに改造された仮面ライダーとのイメージの統一を図るため、「マスクを被り、スーツを着込んだ姿」という仮面ライダーと同一のデザインコンセプトを元に作られている[2]。原典におけるショッカーベルトに替わる共通項として、1号以外にはショッカーエンブレムをコスチュームに背負わせている[9]

ホッパー1号(仮面ライダー1号)ホッパー2号(仮面ライダー2号)
ホッパー1号は本郷猛が、ホッパー2号は一文字隼人がそれぞれ変身する、バッタの能力を持った改造人間。昭和での仮面ライダー1号と2号は「技の1号」「力の2号」と呼ばれているが、本作品では戦闘スタイルが正反対の、いわば「力の1号」「技の2号」となっている。また、「仮面ライダー」という言葉は使われておらず、変身後は「ホッパー」もしくは本名で呼ばれている。劇中では呼称されないが、とどめを刺す際にはライダーキックを彷彿させる飛び蹴りを使用する。
スパイダー
個人タクシー運転手の山中太一が、特殊強化服を装着して仮面を被ることで変身する、蜘蛛の能力を持った改造人間。
バット
エキセントリックでヒステリックな言動の黒マントの男が、仮面を装着することで特殊強化服を装着して変身する、蝙蝠の能力を持った改造人間。
コブラ
三田村晴彦が特殊強化服を装着し、仮面を被ることで変身する、コブラの能力を持った改造人間。主な任務はホッパーの抹殺であり、圧倒的な怪力を生かした格闘技と、スネークとの息の合った連携技を武器としてライダーを苦しめる。
スネーク
原田美代子が特殊強化服を装着し、仮面を被ることで変身する、の能力を持った女性の改造人間。身軽で柔軟な身体を生かした変幻自在の足技や蛇拳で、コブラと共にライダーと戦う。
ショッカー戦闘(斗)員


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:167 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef