仮面ライダー555
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平成仮面ライダーシリーズ
第3作仮面ライダー龍騎2002年2月
- 2003年1月
第4作仮面ライダー5552003年1月
- 2004年1月
第5作仮面ライダー剣2004年1月
- 2005年1月

仮面ライダー555
ジャンル特撮テレビドラマ
原作石ノ森章太郎
脚本井上敏樹
監督田ア竜太
出演者

半田健人

芳賀優里亜

溝呂木賢

泉政行

加藤美佳

唐橋充

村上幸平

原田篤

栗原瞳

村井克行

声の出演假野剛彦
ナレーター假野剛彦
音楽松尾早人
オープニング「Justiφ's
歌:ISSA
言語日本語
製作
プロデュース

濱田千佳(テレビ朝日

白倉伸一郎

武部直美

宇都宮孝明

製作

テレビ朝日[注釈 1]

東映

ADK


放送
放送局テレビ朝日系列
音声形式ステレオ放送
放送国・地域 日本
放送期間2003年1月26日
- 2004年1月18日
放送時間日曜 8:00 - 8:30
放送枠

テレビ朝日日曜朝8時枠の連続ドラマ

スーパーヒーロータイム第2枠[注釈 2]

放送分30分
回数全50
仮面ライダー555
仮面ライダー555(東映公式)
特記事項:
平成仮面ライダーシリーズ」 第4作
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『仮面ライダー555』(かめんライダーファイズ、欧文表記:MASKED RIDER Φ's)[注釈 3] は、2003年1月26日から2004年1月18日まで、テレビ朝日系列で毎週日曜8時から8時30分(JST)に全50話が放映された、東映制作の特撮テレビドラマ作品。仮面ライダーシリーズ初の地上デジタル放送でもある[注釈 4]

キャッチコピーは「疾走する本能」。
概要

平成仮面ライダーシリーズの第4作。前作『仮面ライダー龍騎』とは異なり、劇中で「仮面ライダー」という名称は用いられていない。

従来描かれることの少なかった怪人側のドラマにも本格的にスポットが当てられ、怪人(オルフェノク)へと変わってしまった者たちの苦悩が描かれている点が、本作品の大きな特色である。怪人の人間ドラマを描くことは、「ヒーローが殺人者に見えてしまう」というデメリットから敬遠されていたといい[1]、「仮面ライダーシリーズ」での作劇は初の試みであった[注釈 5]

仮面ライダー龍騎』同様にライダーに変身する人間が善良とは言えない者だったり、本作品では逆に怪人・オルフェノクにも彼らなりに正しい心を持つ者がいたりと、単純な善悪二元論では割り切れない群像劇が織りなされた。従来のシリーズ同様に児童層を意識しながらも、登場人物同士の様々な人間関係を前面に押し出した重くシリアスな物語が展開されている。劇中では「人間と怪人の共存」が作中のテーマとして取り上げられ、ライダーに変身する主人公・乾巧も中盤以降、人間に危害を加えない、あるいは改心する見込みのあるオルフェノクに対しては止めを刺さないというスタンスを採っている[注釈 6]。様々な立場のオルフェノクと人間、それぞれの思惑が交錯する入り組んだストーリーは、シリーズ中でも特に複雑なものとなっている。また、作中でも登場人物たちが相互に変身している人物が不明確であるがゆえの誤解や、他者の謀略による行き違い、感情のすれ違いなどから衝突や殺し合いに発展するなど、「誰を信じ、誰を信じないか」という極めて難解なテーマも掲げている。

また、体の灰化、新しいベルトの実験でベルトを付けた人間の消滅、といった描写に見られるように、従来よりもホラー色の強い作品にもなっている。パイロット版監督の田ア竜太は、子供番組として「死」を表現することもテーマとして掲げている[2]

外付けかつ自由に携帯可能な変身ベルトを用いて変身する設定が本格的に取り入れられた作品であり、その要素は後のシリーズでも受け継がれている。そのため、劇中に登場する各ライダーにも複数の変身者が存在し、時には敵であるオルフェノクがライダーに変身することもある。ただし、変身アイテムの他に契約を必要としていた『龍騎』のように、適合性を備えていない者は繰り返しの変身、あるいは変身自体ができないため、「条件が満たされていないと仮面ライダーの資格がない」という点で従来の要素もまだ活きている。本作品ではアイテムの争奪戦が物語の主軸の一つとなっており、脚本の井上敏樹は本作品を「主人公はベルト」「3本のベルト物語」と評している。また、「変身ベルト」と呼ばれていた従来のイメージを払拭させるため、シリーズでは初めて「ベルト」ではなく「ドライバー」という名称になった[3]
あらすじ

西暦2003年。九州で一人旅をしていた青年乾巧は、そこに居合わせた少女園田真理とともに、謎の怪人オルフェノクに襲われる。真理は持っていたベルトを装着して超戦士ファイズに変身しようとするが失敗し、無理やり巧にベルトを着け、彼をファイズに変身させることで窮地を脱した。どうやらオルフェノクたちは、そのベルトを狙って真理を襲ったらしい。その後2人はクリーニング屋の菊池啓太郎と出逢い、事情を知った彼の勧めにより東京にある彼の家で3人の共同生活を始めることになる。

一方、東京で暮らしていた青年木場勇治は、2年前の居眠り運転のトラックによる交通事故によって両親を失い、自らも2年間の昏睡状態を経て死亡したかに見えた。しかし、勇治は病院で謎の蘇生を遂げ、周囲を混乱させる。自らも混乱したまま帰宅する勇治だったが、自宅は既に他人のものとなっていた。叔父一家が自分が眠っている間に財産を根こそぎ利用していた事実を知り、恋人が自分を裏切り従兄弟と交際していることを知った勇治は、異形の怪物に変身し、従兄弟と恋人を手にかけてしまう。

醜悪な肉体変貌と犯した罪に絶望する彼の前にスマートレディという女性が現れ、事の真相を告げる。勇治は一度の死亡により、オルフェノクとして覚醒したのだった。スマートレディが属するオルフェノクの組織スマートブレイン社に囲い込まれた勇治は、同じようにオルフェノクとして覚醒した長田結花と海堂直也の2人と行動を共にするうちに、人類を敵視するスマートブレイン社の姿勢に反発し、人類とオルフェノクの融和を考えるようになる。

巧と勇治。2人の男の物語を中心に、ベルトを、ひいては人類の未来を巡って、オルフェノクと人類の戦いが幕を開けた。
作品詳細「仮面ライダー555の登場キャラクター」および「仮面ライダー555の登場仮面ライダー」を参照
オルフェノク

本作品における敵。人間が一度死を迎えた後に知的生命体へと再度覚醒した人類の進化型[4]。通常の人間として病死や事故死を経て自ら覚醒する場合と「使徒再生」(後述)により覚醒する場合の2通りの覚醒パターンがあるが、前者のパターンで覚醒したオルフェノクは「オリジナル」と呼ばれ、その数は希少ながら全体的に高い能力を持つ傾向にあり[5]、いずれもオルフェノク因子を持った者のみが覚醒する。なお、オリジナルであることがはっきりわかるのは乾巧、木場勇治、長田結花の3名と、澤田亜希を除くラッキー・クローバーのメンバーのみである。また、実験段階ながら人為的な操作によって作り出されたオルフェノクも存在する[6]

通常外見は人間だった時と同一で、オルフェノク同士でも人間との区別がつかないが、自らの意志で細胞の配列を組み替えることで地球上の動植物一種の性質や外見と、それに見合った特殊能力を具えた異形な姿へ変化する[5](複数の形態を併せ持つ者もいる)。それは動植物のほかにその者が潜在的に抱いている「戦う姿」としてスポーツ選手や戦士などを彷彿とさせる意匠が具体化したものである[7][8]。どの個体も体色は灰色が基調であるが、これは“死”や“滅亡”のイメージ(具体的には“死体”)を表している[9]。変化する場合、瞳が灰色になり、顔にオルフェノクの顔のシルエットが浮かび上がる[4]。オルフェノク状態で人間の言葉を発する際には、足元の影が青白い裸身の人間の上半身になる[4]。力を物にしたオルフェノクは、人間態でもある程度はその力を発揮することが可能であり[注釈 7]、並のオルフェノク相手ならば戯れ程度に薙ぎ倒す。また、オルフェノクになったからといって傷病などを負わなくなるわけではなく、風邪をひいたり体調を崩すこともあるなど、通常時においては人間とさほど変化はない。また、普通のオルフェノクは人間態の時は人間並の力しか出せないが、体自体は頑丈になっており、勇治は人間態で超高層ビルからの飛び降り自殺を図った際にも傷一つ負っていない。

全てのオルフェノクには、腹部に共通の紋章である「死と再生」を表すオルフェノクレストがある。これは3方向に伸びた矢印であり、3つの矢印がそれぞれ「命あれ」「形あれ」「姿あれ」と願う“心”を象徴していて、人間がオルフェノクへと進化する段階を表している[9]

オルフェノクは人間の中から半ば自然的に発生する存在であるため、種全体として組織化されているわけではない。オルフェノクとして覚醒した者が現れると、スマートブレイン社はいち早く接触を図って同種として受け入れ、オルフェノクに関する知識と援助を与える一方で、管理下に置こうとする。しかし、スマートブレイン社の情報収集能力や統制力には限界があり、オルフェノクに覚醒後もスマートブレイン社に従わない者、スマートブレイン社に知られないまま過ごす者も存在する。

オルフェノクの多くはその力に溺れて人間性を喪失し(三原曰く、本当に怖いのはオルフェノクの力じゃなく、力に驕れる人間の弱い心[注釈 8])、人間社会に紛れて生活しながらも密かに人間を襲い(仲間を増やすことにも繋がる)、人間との共存が不可能だと考えて自分たちだけの世界を作ることを目指す。勇治たちのように共存を望む者や、人間として生きようとする者もいるが、人間を殺めるのも由としないオルフェノクはスマートブレイン社から「裏切り者」と称され[6]、刺客による抹殺の標的にされる。ただし、人間を襲う者はブラックリストには載っていないため、海堂を倒すために現れた琢磨は海堂を庇った結花を襲わなかった[10]

なお、彼らの存在意義は「いずれ地球の代表者として“何者か”と戦うために生まれてきた」「地球意志が、人からさらに次元の進んだ存在を造り、人と競わせることで精神の進化を促しているようでもある」「地球上の生物全てを背負ったオルフェノクという種そのものが、いずれ“ノアの方舟”になるのではないか」とされ、そういう意味では彼らの心自体は人と何ら変わらないという[9]

オルフェノクは最期の時、青白い炎を噴き出して灰になって死を迎える[4][注釈 9]。強力なフォトンブラッドによる攻撃(ライダーの必殺技)を受けて倒された場合は、青い爆発と共に瞬時に灰と化す。また、寿命が近づくと時々体がわずかに灰化し、死期には一気に灰となって崩れる。

オルフェノクへの進化は極めて急激になされ、その急激な進化に多大な負担を強いられて肉体が急速に滅びて耐えきれないため、長寿の生命が保てず、個体差はあるものの、死に至る病と同様にいずれは肉体が灰となって崩れ去り、滅びの時が訪れる運命にある[6]。オルフェノクの王の力に頼ることで、真の力と永遠の命を得られるが、その場合人間としての部分を消滅しなければならないため、元の人間の姿には戻れない。

「オルフェノク」という名称は、ギリシア神話に登場する「オルフェ(Orpheus)」と旧約聖書に登場する「エノク(Enoch)」をかけあわせた造語であるとされている[11]

制作関連
顔に文様が浮かぶ表現にはテクスチャマッピングが用いられており、3D化した顔の表面を文様のデータが皮膚の移動を追いかけるため、口の動きにも違和感なく対応している[2]。パイロット版監督の田アは「技術の進歩によって表現可能になったアイデア」と評している[2]。オルフェノクの影が喋るという案は、プロデューサーの白倉の「口をパクパクさせる以外の方法で怪人が喋る表現を考えて欲しい」という要望を受けて田アが考えだした[2]。基本的には合成で表現されているが、第2話でのトンネルの中のシーンでは撮影時に映写している[2]。デザインを担当した篠原によると、オルフェノクのコンセプトカラーが「白」であったのも「死と再生」をイメージしているため、オルフェノクレストも「死と再生」を象徴するものになったという[12][13]。初期の段階では名前や配置、一度死んだ者がオルフェノクとして蘇ることは決まっていたが、外見は指定されておらず、半人半獣のケンタウロスのようなものを表現しようと思っていたため、メインの3人のモチーフは分かりやすく馬、鳥、蛇となった[13]。平成仮面ライダーシリーズの怪人は『クウガ』以来常に動物モチーフだったため、一度死んでいるということから動物の骨や死骸をモチーフにすることで新鮮な切り口となっている[13]。その後、諸事情で骨の要素がなくなり、白一色の全身が通るようになった[13]。「一度死んだ人間が覚醒し人類の進化形態として蘇る」という設定から、全身を死のイメージから灰色に染め、カラーリングもモノトーンで統一している[8]
使徒再生

オリジナルのオルフェノク[14]が人間の内臓にオルフェノクエネルギーを注入して覚醒を促してオルフェノク化させる行為で[4]、内臓の破壊方法はオルフェノクの特質ごとに差異がある[15]


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