仮面の告白
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仮面の告白
訳題Confessions of a Mask
作者
三島由紀夫
日本
言語日本語
ジャンル長編小説
発表形態書き下ろし
刊本情報
出版元河出書房
出版年月日1949年7月5日
装幀猪熊弦一郎
総ページ数279
受賞
読売ベスト・スリー(1949年度)
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『仮面の告白』(かめんのこくはく)は、三島由紀夫の2作目の長編小説。三島の初の書き下ろし小説である。大きな成功をおさめた代表作で自伝的作品でもある[1]。人と違う性的傾向に悩み、生い立ちからの自分を客観的に生体解剖していく「私」の告白の物語。自身の性的志向への自覚と、男女の愛への試みと挫折が、苦痛と悲哀に満ちた理知的かつ詩的な文体で描かれている。当時、同性愛というテーマを赤裸々に綴ったことは大きな話題を呼び、この作品により三島は一躍、24歳で著名作家となった[2]。日本文学史上でも、その異質性においても画期的な作品だとされている[3][4]。.mw-parser-output .toclimit-2 .toclevel-1 ul,.mw-parser-output .toclimit-3 .toclevel-2 ul,.mw-parser-output .toclimit-4 .toclevel-3 ul,.mw-parser-output .toclimit-5 .toclevel-4 ul,.mw-parser-output .toclimit-6 .toclevel-5 ul,.mw-parser-output .toclimit-7 .toclevel-6 ul{display:none}
発表経過

1949年(昭和24年)7月5日に書き下ろしとして河出書房より刊行された[5][6]。擱筆日は同年4月27日である[7]。出版社企画の「第五回書き下ろし長篇小説」として刊行されたもので、この時の担当編集者は坂本一亀坂本龍一の父)であった[8][9][注釈 1]。同年12月26日付の読売新聞の「1949年読売ベスト・スリー」に選ばれ[2]、翌年1950年(昭和25年)6月25日に文庫版(三島作品最初の文庫本)が新潮文庫より刊行された[6][9]

翻訳版は1958年(昭和33年)のメレディス・ウェザビー訳の英語(英題:Confessions of a Mask)をはじめ、イタリア語(伊題:Confessioni di una maschera)、オランダ語(蘭題:Bekentenissen van een gemaskerde)、スペイン語(西題:Confesiones de una mascara)、フランス語(仏題:Confession d'un masque)など世界各国で行われている[10]
構成

作者本人を主人公とし、〈私〉による一人称形式による〈告白小説〉の体裁をとり、〈私〉の生まれたときから23歳までの青年期の「ヰタ・セクスアリスラテン語で性欲的生活を意味するvita sexualis)」が全4章の構成で描かれている。前半は自己分析による性的倒錯の研究に費やされ、後半は『アルマンス』的恋愛の告白と永い悔恨の叙述に宛てられている[11]。なお、『アルマンス』とはスタンダールの処女小説で、性的不能者の主人公・オクターヴの絶望的な恋愛を描いた作品である[12]

時代は、1925年(大正14年)から、敗戦をはさんで1948年(昭和23年)までの間で、〈私〉の生い立ち、祖母を中心とした家族との関わり、粗野な学友に対する同性愛的な思慕、友人の妹との恋愛と結婚への逡巡などの出来事が、第二次世界大戦期、戦後期の時代背景の中に描かれている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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