仙台初売り
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2011年平成23年)1月2日午前7時頃(開店直後)のお茶の井ヶ田一番町本店の様子。先着100人の客には、品物が詰め合わせられた縁起物のお茶箱が渡される。同店は仙台初売りの名物となっており、左側では一番乗りの客がお茶箱と共に地元TV局の取材を受けている。

仙台初売り(せんだいはつうり)は、年初に行われる旧仙台藩領内の伝統行事である。江戸時代からの商習慣として国から認められ、特例として他地域より豪華な景品を付けることが可能になっている[1]。特例が適用される期間は3日以内で、正月新暦)または旧正月旧暦)に行うことが出来る[2]
概要

全国的には、新年最初の営業日における販売を初売りとするが、仙台では、豪華景品や特典を付けた商品を取り扱う年初の期間を初売り期間とし、その期間における商習慣を「仙台初売り」と言う。

豪華な景品や特典を付ける販売方法は、景品表示法に抵触し、不当廉売にもあたる可能性がある。しかし、公正取引委員会は、旧仙台藩領内などで見られる初売りは伝統行事とみなし、特例として3日間以内で認めている[2]。すなわち、公正取引委員会に認められた「仙台初売り」開催地域は旧仙台藩領内に限られ、また、その地域内で「仙台初売り」の期間を4日間以上で案内している商店があったとしても、4日目以降は景品などについての特例は認められていない[2]

現在「仙台初売り」は、1月2日から3日間以内で開催されるのが一般的であるが、郊外のGMSでは1月1日に通常営業を行い、1月2日から「仙台初売り」を行う店舗があったり、カーディーラー住宅メーカーを中心に正月休み明けの最初の営業日(1月4日など)から数日間を「仙台初売り」とする店舗も見られる。近年ではアベカツや万代書店のように1月1日から(前述の元日通常営業・2日初売りではなく)「仙台初売り」を行う店舗も少数ながら見受けられる。また、冬服のバーゲンセールが年々前倒しになってきたこともあり、近年はファッションビルを中心に、1月2日に景品を多く付けた商品や福袋を販売の中心とする「仙台初売り」とし、1月3日以降に値下げ商品を販売の中心とするバーゲンとする傾向も見られる。

「仙台初売り」は、仙台城城下町からの伝統がある仙台市都心部の商店街で特に盛大に行われており、景品目当てに大晦日の夜から並ぶ者もいる。一番町のアーケード街などでは、開店前には振興組合が甘酒などを振る舞う様子が見られる。

現在のイメージキャラクター仙台四郎である。また、年末年始には、「仙台初売り」の特集番組が、宮城県テレビローカル局から数々放送されている。近県からの誘客キャンペーンも実施され、福島県福島駅郡山駅)、山形県山形駅)、岩手県一ノ関駅)等のJR東日本の駅には「仙台初売りナビゲーションブック」(河北新報社作成)が設置・配布される[3]

日の出の頃には既に長い列ができている。

アーケードが、並ぶ市民でうめつくされる。

列は長く伸びて1ブロックを囲んでしまうほど。

「仙台初売り」が認められている地域

「仙台初売り」は、旧仙台藩(旧一関藩含む)の領域[4]で認められていることになっているが、旧仙台藩領域に含まれる岩手県北上市の一部、釜石市の一部、および、福島県相馬郡新地町では、公正取引委員会が「仙台初売り」を実施することを認めていない。「仙台初売り」を実施可能な旧仙台藩地域とは、以下の自治体に限られる[2]

青森県

黒石市上北郡七戸町及び三戸郡三戸町


岩手県

気仙郡地域:大船渡市陸前高田市住田町

胆沢郡地域:奥州市金ケ崎町

磐井郡地域:一関市平泉町


宮城県

全ての地域

また景品額の上限は「取引価額の10分の2(ただし5万円以下)」とされるが、500円以下の景品の場合は取引価額の10分の2を超えても良い[2]

ただし現在では、岩手県南や宮城県北では特例を適用した初売りは実施しておらず、仙台都市圏を中心とした行事となっている[1]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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