仏道
[Wikipedia|▼Menu]

仏教における道(みち、: marga、: Magga)、仏道(ぶつどう)とは[1]解脱正覚に至る道のことであり、様々な方法が記載されている[2]。最も古典的なものは八正道であるが、これは経蔵記載における要約の一つにすぎない。ほかにも様々な解脱への道が存在する。道すなわち菩提を完成することを成道という[1]
初期仏教

初期仏典には解脱への道についてのさまざまな記載があり、以下はパーリ仏典からの引用である。
八正道詳細は「八正道」を参照

八正道(ariyo a??ha?giko maggo)はもっとも有名な仏道である。相応部では以下のように要約されている。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}

比丘たちよ、聖なる八正道とは何か。
それはすなわち、正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定である。[3]
パーリ仏典での他の記載

パーリ仏典には、仏教の解脱への道を示す別の、そしておそらくはより古いリストが存在する。
三明経

三明経においては、おそらく四諦よりも先行して形成された仏道が述べられている[web 1]

40節: 如来がこの世に生まれ、自らの知識を他人に知らせる。

41節: 在家者はその法に耳を傾け、を獲得し、在家から出家者となる。

42節: 彼は禁欲生活を送り、善行を行い、六根清浄および正念正知な生活を送る。

43?75節: これらによって、

善行によって心の自信が生まれる。

六根が清浄となる。

正念正知が手に入る。

小欲で満足し、シンプルな生活が手に入る。

五蓋が除去される。

これらの結果、体のすべてにおける喜びと平和が手に入る。


象跡喩小経

中部経典においては、違った仏道の段階が説明されており、象跡喩小経においては次である[4]。これは三学に沿ったものとされる[5]
法(Dhamma)の聴聞、(saddha, pabbajja) - 衆生は仏陀の説く法を聞き、仏陀への信仰が発生し、比丘となることを決心する。

- 彼は道徳を示すを受け入れる。

六根清浄(Indriyasamvara) - 六根の防護を実践する。

正念正知(Sati - sampajanna) - 念を実践し、念によって捉えたものを正しく把握する[6]

初禅 - 心から五蓋を取り除き、色界禅定(R?pajjh?na)の最初の段階に到達する。

第二禅 - 禅定の第2段階に到達する。

第三禅 - 禅定の第3段階に到達する。

第四禅 - 禅定の第4段階に到達する。

宿住随念智(Pubbenivasanussati-nana)- 彼はサンサーラ以前における、自分の存在を思い出す[7]

死生智(Sattanam cutupapata-nana)- 彼は(karma)に従って、存在の死と再生を観察する[7]

漏尽智(Asavakkhaya-nana) - 彼は(Asava)を滅尽し、八正道の深い知識に目覚める。

解脱 - 彼は今や解脱し、なすべきことは成し遂げられた。

馬邑大経

馬邑大経においては、釈迦は「隠遁者とバラモンが行うべきこと」の一覧を以下に挙げている:[4]
hiri-ottappa - 慚愧(愚かな行いを恥じる)ことを身につける。

parisuddha kaya-samacara ? 身を清浄にする。

parisuddha vaci-samacara - 口を清浄にする。

parisuddha mano-samacara - 意を清浄にする。(=身口意の三業

正命(parisuddha ajiva) - 正しい生計を立てる。

六根清浄(Indriyasamvara) - 六根の防護を実践する。

bhojane mattannuta - 食事を節制する。

jagariya - 覚醒を実践する。

正念正知(Sati - sampajanna)

第一禅

第二禅

第三禅

第四禅

宿住随念智(Pubbenivasanussati-nana)

死生智(Sattanam cutupapata-nana)

漏尽智解脱(Asavakkhaya-nana ? Vimutti) - 漏を滅尽し、解脱したことを認識する

有学経

有学経においては、衆生に「学びの道」を代わりに説くよう釈迦に求められたアーナンダは、以下を示した[4]
(sila)

六根清浄 (indriyasamvara)

bhojane mattannuta - 食事を節制する。

jagariya - 覚醒を実践する。

妙法(satta saddhamma) - 七つの優れた性質、信(saddha), 慚(hiri), 愧(ottappa), 多聞(bahussuta), 根(viriya), 念(sati), 智(panna)を発達させる。

禅定(jhana) - 四禅を難なく達成する。

宿住随念智(Pubbenivasanussati-nana)

死生智(Sattanam cutupapata-nana)

漏尽智解脱(Asavakkhaya-nana ? Vimutti)

中阿含経

Bhikkhu Sujatoによると、説一切有部学派である中国の中阿含経においては、上座部パーリ仏典にはない道の説明が含まれているという。[8]。彼によれば MA 44, MA 54, MA 55の三つの経典には、以下の道が説かれているという。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:55 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef