仏ゾーン
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仏ゾーン
ジャンル
少年漫画
漫画
作者武井宏之
出版社集英社
掲載誌週刊少年ジャンプ
レーベルジャンプ・コミックス
発表号1997年12号 - 31号
巻数全3巻(文庫版全2巻)
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『仏ゾーン』(ブツゾーン)は、武井宏之による日本漫画作品。仏教を作品に取り入れている。
あらすじ

西岸寺に住む少女・サチはある日、寺の千手観音像の中から出てきた少年・センジュに、彼女が弥勒菩薩の生まれ変わりであることを告げられる。センジュは仏王・大日如来からミロクの生まれ変わりであるサチを守り、悟りへ導くために仏の国から仏ゾーンとして地上へやってきた千手観音であった。

困惑するサチであったが、仏敵・魔羅の仏ゾイドの襲撃やセンジュの説得を受けて、サチはセンジュと共に悟りの地・インドへ旅立つことを決意する。
世界観

西暦1975年の日本が物語の舞台になっている。
仏ゾーン

仏ゾーンとは、仏像の体を借りて地上での活動が可能となった仏(厳密には「」は如来を指すが、ここでは他に菩薩天部明王なども含める)のことである。仏ゾーンの体は、入り込んだ仏像の素材の影響を受ける。致命傷を受けるなどした場合、中の仏は仏国土へ帰り、仏ゾーンは仏像に戻る(作中では一見して死亡したように描写されているが、最終回のエピローグで全員無事な様子を見せている)。
天衣

天衣(アーマー)とは仏ゾーン最大の特徴であり、彼ら独自の武器である。仏ゾーンによって様々な形状が存在する。宇宙の真理のエネルギーが体の各部分に宿った「チャクラ」とよばれるものが天衣の原動力になっている。合掌することで天衣が発動し、印を組むことで自在に操作することができる。体内を駆け巡るチャクラが尽きると、天衣は停止して操作できなくなる。天衣が破損した場合は、体の元になる像を制作した仏師に、新しい天衣を制作してもらう必要がある。
魔羅

魔羅(マーラ)とは仏敵であり、欲望の化身といわれる悪魔のことである。欲界(よっかい)に住み、人間の欲望を餌に成長する。人間が魔羅への恐怖心から神仏を信じることを恐れているため、人前に姿を現すことはない。
仏ゾイド

魔羅が仏像に入り込むことで「仏ゾイド(ブツゾイド)」として地上で活動できるようになる。仏ゾーンと同様に、体は元になった仏像の素材の影響を受ける。
地理
仏国土(ぶっこくど)
仏が住む世界。金剛法界宮(こんごうほっかいぐう)に仏王・大日如来が住んでいる。
欲界(よっかい)
魔羅が住む世界。空は暗く、地面には多数の髑髏が転がり、邪鬼が徘徊している。天魔波旬が支配している。
西岸寺(さいがんじ)
とある温泉街にあるサチが暮らしている寺。箕浦組に打ち壊されたが、後に改心した箕浦組によって新西岸寺として再建された。
恐山(おそれざん)
青森県にあり、イタコの活動拠点となっている。ジゾウの故郷でもある。
インド
センジュ達の旅の目的地。サチの悟りを開くために向かうことになる。
登場人物
主要人物
センジュ
本作品の主人公。千手観音菩薩の少年。左腕に「天衣腕釧・千手(アーマーリング・せんじゅ)」を装着し、背中には天衣との接続部の目印がある。大日如来の命令でサチを悟りへ導くために地上へ降りてきた。普段は楽観的で飄々としているが、衆生をもれなく救うという強い信念を持っている。左右20本の腕が生えた天衣「千手天衣(せんじゅアーマー)」を操る。千手天衣の掌には眼(センサー)が備えられており、素早く正確な操作が可能となっている。仏ゾイドなどの敵を倒す際は、千手天衣の腕を一斉射撃して標的を粉砕する「千手パンチ」や、千手天衣のチャクラを「空(くう)」にした状態で、千手天衣の左側の腕で敵の攻撃を受け止め、右側の腕で受け止めた相手のチャクラをすべて跳ね返すカウンター技・「因果応報(いんがおうほう)」を使用する。千手パンチはチャクラを大量に消費するため、一日一回しか使えない。体の元になった仏像が木製なので、水に入ると浮く。仲間たちを卑劣なやり方で傷つけていくアシュラを前に怒りに捕らわれそうになるも、戦いの末に慈悲の心に目覚め、アシュラの攻撃をあえて反撃せずに受け止め、怒りや悲しみといった負の感情を全て吸収することで救った。
西岸 サチ(さいがん サチ)
西岸寺に住んでいる12歳の少女。赤ん坊の時に西岸寺の鐘の下に捨てられていた孤児であり、寺の和尚に育てられた。毎朝牛乳配達をしながら和尚と2人で暮らしている。箕浦組に絡まれているところを千手観音像の中から出てきたセンジュに助けられる。センジュから自身が弥勒菩薩の生まれ変わりであると告げられ、センジュと共にインドへ旅立つことになる。次回作の「シャーマンキング」に登場するサティ・サイガンはサチが成長した姿であり、持霊のダイニチもセンジュであることが判明している。
ジゾウ
センジュの幼馴染の少年。背は低く、スキンヘッドで頬にそばかすがある。シャカの入滅後、ミロクが下生するまで2500年の間、地上で待っていた。所持している錫杖や、「転法輪印(てんぽうりんいん)」のかけ声と共に、目元に指で輪を作りビームを放つ「印ビーム(いんビーム)」、鉄壁の防御を誇る天衣「地蔵天衣(じぞうアーマー)」で戦う。地蔵天衣を装着している時の印ビームは「印ビーム!天衣スペシャル!!」となる。また、賽の河原でのみ、ジゾウからチャクラを与えられた大量の地蔵をミサイルのように発射する「あやつり地蔵」という技が使える。体の元になった地蔵が石なので非常に石頭であり、水には沈む。また、恐山の温泉では石が溶解する泉質のため入浴しなかった。アシュラを巻き込んで自爆する。
コマ
センジュが飼っている狛犬。センジュを慕って神社の狛犬像に入り込み、仏国土から地上へやってきた。チーズが好き。アシュラに捕らわれ、センジュの眼前で八つ裂きにされた。
バトウ
センジュの先輩の男性。センジュ達の旅に同行するように言われて地上に降りてきた。長髪で額に目があり、常にギターケースを持ち歩いている。センジュに戦力外通告を言い渡し、センジュと勝負することになるが、実際はセンジュを試すための狂言だった。ギターを弾いて歌を歌うことで路銀を稼いでいる。菩薩クラスで最強の力を誇る「馬頭天衣(バトウアーマー)」を操る。馬頭天衣は馬頭印という印を組むことで変形する能力を持ち、全身から鎖で繋がれた刃物や飛び道具などを射出する「発射刃(ハッシャバ)」が使用できる「馬頭戦車形態(バトウタンクモード)」や、馬頭天衣のパーツの90パーセントを使用し、巨大な斧を形成する「馬頭超大戦斧形態(バトウスーパーアックスモード)」がある。馬頭超大戦斧形態では、山を吹き飛ばすほどの破壊力ある技「爆畜生閃(ばくちくしょうせん)」を繰り出す。デスペラードアントニオ・バンデラスがモデルとなっている。天竜八部衆を1人でほぼ壊滅に追いやるが、油断からゴブジョウに刀で腹部を刺され、捕縛されてセンジュ達の目の前で拷問を受ける。センジュを叱咤するが、アシュラにとどめを刺された。
恐山 アンナ(きょうやま アンナ)
イタコである盲目の養母と2人で古びた旅館を営んでいる少女。


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