介護保険
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この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

介護保険(かいごほけん、英語: Long-term care insurance)とは、介護を保険事故として支給される保険

ドイツオランダなどでは通常の医療保険から独立した社会保険制度となっている。一方でイギリススウェーデンで一般税収を財源とした制度となっている。韓国では2008年から、台湾では2019年から、それぞれ公的介護保険制度の運用を開始した。

本稿では、日本の介護保険制度を説明する。公的介護保険と、民間介護保険があり、民間介護保険の保障内容には介護一時金や介護年金などがある。介護サービスの利用者は在宅サービスを中心に増加し、2000年4月には149万人であったサービス利用者数は、2015年(平成27年)4月には511万人と、約3.4倍になっている[1]社会の高齢化に対応し、平成9年(1997年)の国会で制定された介護保険法に基づき、平成12年(2000年4月1日から施行された日本社会保険制度について記述する。以下、介護保険法については条数のみ、介護保険法施行法については条数の前に「施行法」、同様に介護保険法施行令については「施行令」、介護保険法施行規則については「施行規則」と記す。
創設経緯

介護保険法が制定される以前の日本の公的介護制度は、老人福祉法による福祉の措置として、やむを得ない事由による行政措置の範疇に留まっていた[2]。しかし、社会の高齢化に伴い、介護が必要な高齢者が増加し、医療の進歩や平均寿命が延びるなどにより介護期間が長期化したことで介護の需要が増していた。また拡大家族から核家族へ移行するなか、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が出現し、従前の家族だけで介護をすることを想定した老人福祉・老人医療制度では対応が限界を迎えていた。このような背景により、高齢者を社会全体で支える仕組みが必要となった[3]

制度創設の議論は平成に入ってから行われ、ゴールドプランなどの政策と合わせて、おおむねドイツの介護保険制度をモデルに創設した[4]。介護保険料については、新たな負担に対する世論の反発を避けるため、導入当初は半年間徴収が凍結され、平成12年(2000年)10月から半額徴収、平成13年(2001年)10月から全額徴収という経緯をたどっている。
目的等

介護保険法は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする(1条)。

介護保険制度では、以下の点にねらいがある。

市町村による行政措置から、社会保険制度への転換

要介護者の家族を介護負担と介護費用負担から解放し、社会全体の労働力と財源で介護する

要介護者が本人や家族の所得や財産にかかわらず、要介護者本人や家族が望む必要で十分な介護サービスを介護事業者から受けられる

多様な事業者によるサービスを提供し、専門的サービス産業としての介護産業を確立する。

医療と介護の役割分担を明確化し、急性期や慢性期の医療の必要がない要介護者を介護サービスにより介護し、介護目的の入院を介護施設に移す。

介護保険制度によって、要介護状態又は要支援状態(以下「要介護状態等」)の被保険者には必要な保険給付が行われる(2条第1項)が、適切に運用するために

要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮(2条第2項)

被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮(2条第3項)

被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮(2条第4項)

されなければならない。

そして国民の努力及び義務として介護保険制度は

要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努める(4条第1項)

要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努める(4条第1項)

共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担する(4条第2項)

ことを求めている。
保険者

保険者は原則として市町村及び特別区(以下、特に断らない限り「市町村」と略す)であり(3条第1項)[注釈 1]、介護保険に関する収入及び支出について、政令で定めるところにより、特別会計を設けなければならない(3条第2項)。

保険者が小規模であるほど、予防による財政効果が目に見えやすいが、安定した経営が難しい。このため、介護保険事業は保険者たる市町村を国や都道府県、及び医療保険各法による医療保険者(全国健康保険協会健康保険組合国民健康保険組合、都道府県、市町村(特別区を含む。)、共済組合[注釈 2])が重層的に支える仕組みとなっている。その際の責務として

国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない(5条第1項)。

都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない(5条第2項)。

国及び地方公共団体は、被保険者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、保険給付に係る保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止のための施策並びに地域における自立した日常生活の支援のための施策を、医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するよう努めなければならない(5条第3項)。

国及び地方公共団体は、障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るよう努めるとともに、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現に資するよう努めなければならない(5条第4項)。

上記のほか認知症の高齢者が増大したことを受け、認知症に関する施策を推進するために国及び地方公共団体は以下の項目の実現に努めなければならない。

被保険者に対して認知症に対する国民の関心及び理解を深め、認知症である者への支援が適切に行われるよう、認知症に関する知識の普及及び啓発(5条の2第1項)。

被保険者に対して認知症に係る適切な保健医療サービス及び福祉サービスを提供するため、研究機関、医療機関、介護サービス事業者等と連携し、認知症の予防、診断及び治療並びに認知症である者の心身の特性に応じたリハビリテーション及び介護方法に関する調査研究の推進に努めるとともに、その成果を普及し、活用し、及び発展させる(5条の2第2項)。

地域における認知症である者への支援体制を整備すること、認知症である者を現に介護する者の支援並びに認知症である者の支援に係る人材の確保及び資質の向上を図るために必要な措置を講ずることその他の認知症に関する施策を総合的に推進する(5条の2第3項)。

認知症である者及びその家族の意向の尊重に配慮するとともに、認知症である者が地域社会において尊厳を保持しつつ他の人々と共生する(5条の2第4項)。

また医療保険者は、介護保険事業が健全かつ円滑に行われるよう協力しなければならない(6条)。

一方で第5条とは別に、厚生労働省は2012年9月にオレンジプランと呼ばれる「認知症施策推進5か年計画」を立て[5]、2015年1月27日には認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指した、「認知症施策推進総合戦略?認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて?」と題する計画を策定した[6]。これは新オレンジプランと呼ばれる[6]

新オレンジプランの具体的な施策は以下の7つである[7]

認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進

認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供

若年性認知症施策の強化

認知症の人の介護者への支援

認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進

認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進

認知症の人やその家族の視点の重視

被保険者

市町村の区域内に住所を有する、40歳以上[注釈 3]の者が被保険者となる。このうち、65歳以上の者を第1号被保険者といい(9条第1項)、40歳以上65歳未満の医療保険加入者を第2号被保険者という(9条第2項)。そのため生活保護法による医療扶助を受けている場合など、医療保険に加入していない者は第2号被保険者ではない。


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