人類の絶滅
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、未来学における人類の絶滅について説明しています。人類の滅亡に関する思想や予言については「終末論」をご覧ください。

「人類滅亡」はこの項目へ転送されています。アメリカ合衆国のテレビ番組については「人類滅亡-LIFE AFTER PEOPLE-」をご覧ください。
地球壊滅リスク」も参照核戦争は、人類滅亡をもたらす原因としてよく取り沙汰される。

本項では未来学における人類絶滅に関する諸仮説と、それに対して提示されている考察や対応策について述べる。「絶滅」の原因として考えられているものは、自然現象によるものと、人類自身の活動の結果によるものの二つに分けられる。自然現象としては隕石衝突スーパーボルケーノによるものなどが考えられるが、これらが発生して人類が滅亡に追い込まれる事態が起きる確率は極めて低いと考えられている[1]

人為的なものとしては、核によるホロコースト(英語版)や生物兵器戦争パンデミック人口過多[2]生態系崩壊気候変動汎用人工知能の暴走などの仮説シナリオが提唱されている。こうした理由によって例えば百年以内に人類が滅亡する、というような議論は長年にわたり活発に行われている。
想定されている絶滅シナリオ
既知の災害

核戦争生物戦冷戦期を超える軍備拡張競争が起こって大量破壊兵器の際限なき増加が続き[3]、それらが第三次世界大戦の勃発によって放出され人類を滅亡に追いやる、などというもの。

パンデミック[3]ウイルスプリオン抗生物質耐性を持つ細菌などが大発生し、全人類に感染して死滅させるというもの。歴史上では1918年にスペインかぜが全世界で流行し、アメリカの先住民族を激減させるなどの甚大な被害をもたらした。同じ致死性の高い感染症でも、ヒトのみに感染するものであれば、感染力は人口密度に依存し、人類を完全に滅ぼすに至る可能性は低いが、複数種の生物に感染するものであれば、人間以外の宿主を媒介して、孤立した人間コミュニティにも伝播する恐れがある[4]アメリカ合衆国連邦政府は、人為的に制作された病原体なら、人類を絶滅させることも可能であり、しかもそのようなものを作るための障壁は低いと警鐘を鳴らしている。その一方で、各国はそのような事態を「認識し、効果的に介入」して病原体の拡散を食い止め、人類滅亡を防ぐことが出来る、とも主張している[5]

気候変動:人類が過剰に排出している二酸化炭素などの温室効果ガスによって地球温暖化が進行し、地球が生命存続不能な惑星になる、などというもの。二酸化炭素情報分析センター(CDIAC)によれば、ここ100年間の二酸化炭素排出量は、人口増加に伴って4倍近くにもなっている[6]。そのほかにも、より長期的に見れば日射量の変化(ミランコビッチ・サイクル[7]などによっても地球環境が大きく変化する可能性がある。

人口減少社会:現在の発展途上国先進国の水準に到達することで、現在の先進国のような少子化が世界的に発生し、永続的に人口が減少していくというもの。人口統計学上の推定では、西暦3000年以前に人類が絶滅する、としているものもある。カナダの分析哲学者ジョン・A・レスリーは、もし世界の出生率がドイツの水準もしくは日本の水準にまで落ちるとすれば、2400年の時点で人類は滅亡すると計算している[1]。一方で、進化生物学上の人口転換論では、少産少死状態を抜けた第五段階で人口が回復に向かうという可能性が提示されている。

地学的・天文学的災害:地球近傍天体衝突やニアミス[8]天の川銀河内でのガンマ線バースト発生[9][10]破局噴火、長周期の気候変動などによるもの。特に地球近傍天体(NEOs)は、いつ人類に滅亡をもたらしてもおかしくない絶対的な脅威である[11]。たった一回の地球外での出来事[12]でも、歴史上の人間同士の戦争や疫病によるものをはるかに超える死者が出る可能性がある。

地球環境の変動

人類の活動による
地球の大気変化:人間の活動が気候変動や大気の変化をもたらすというもの。人間活動によって大気中の二酸化炭素濃度が極端に上昇すると、血中に二酸化炭素が溜まる二酸化炭素中毒を起こし、世界中の人類に身体的もしくは精神的な悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。ただし、実際に人類の生存存続を脅かすことになる二酸化炭素濃度の閾値はよく分かっていない[13]

人口過多:現在進行しているしている極度の人口増加が、逆に人類の破滅をもたらすというもの。地球の歴史上、人類ほど数を増やし、また広範囲に広がった大型脊椎動物は他にない。1800年に10億人だった世界人口は1930年に20億人に達し、2011年には70億人を突破した。この極端な人口増加は人口爆発とも呼ばれる。人口が増えると、人類は必然的により多くの資源を消費し、より広大な土地を利用するようになる[14]。アメリカの生物多様性センターによれば、環境が耐えられる限界を超えて増殖した生物種は、やがて劇的な減少を起こし、本来の水準に戻っていく[15]。21世紀の世界では、発展途上国での出生率が高い値を取っている[16]。スウェーデンの医師・統計学者ハンス・ロスリングは、世界人口の上限は120億人を下回る程度であると推計した[17]

太陽の進化:太陽の水素が消費されて減少し、活発な核融合が起こる層が表層に近づいていくことに伴い、約10億年後に太陽の光度が大きく上昇すると予想されている。この時に地球の海は蒸発してしまい、ごく僅かな生命しか生き残れないと考えられている[18]。またそれより前の時点で、地球上の二酸化炭素濃度が低下して植物が生命維持できなくなり、生態系が崩壊する可能性も指摘されている[19]地球の未来も参照のこと。

約70億年後から80億年後、地球は赤色巨星となり巨大化していく太陽に飲み込まれ、消滅するとされている[20][21]

科学的事故

規制なく野放図に科学の発展を続けていくと、人間の制御できない新技術が生まれてしまい、結果として人間を滅ぼすことになる恐れがあると言われている。

人間を超える超知能が開発された場合、これが人間の殲滅を目的に動き始める危険性がある
[3][22]

自己増殖能力を持つナノマシングレイ・グー)が生まれると、やがてこれが際限なく増殖して地球の生態系を崩壊させ得る(エコファジー)[23][24]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:72 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef