人間革命
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人間革命(にんげんかくめい)は、創価学会第2代会長戸田城聖によって唱えられた宗教思想[注 1]。その意味は、自分自身の生命や境涯をより良い方向へ変革し、人間として成長・向上を目指すということである。さらに、各個人が「人間革命」を遂げることにより、社会全体の変革さえも可能であると説かれている。

小説としての『人間革命』は、この「人間革命」の思想をテーマとして、創価学会の歴史と戸田城聖の生涯を描いた長編小説。創価学会名誉会長(第3代会長)池田大作の代表的著作である[2]。創価学会では教学上重要な文献とされ[2]、「精神の正史」と位置付けられる[3][4]。『人間革命』は1965年に聖教新聞で連載を開始し[5]、続編『新・人間革命』は2018年に同紙で完結した[6]

本項では、戸田城聖が1951年に同紙創刊号で連載を開始し、1954年に完結した同名の小説『人間革命』(後に『小説 人間革命』と改題)についても併せて紹介する。
小説

小説としての『人間革命』は、創価学会第2代会長・戸田城聖の創価教育学会再建から戸田の死去までの経過と、山本伸一(=池田大作)の創価学会への入信(1947年)から第3代会長就任までを描いている。全12巻。『新・人間革命』は、山本伸一の創価学会第3代会長就任直後から宗門であった日蓮正宗との決別までを描いている。全30巻31冊。

戸田城聖による同名の小説『人間革命』と、池田大作による同名の小説『人間革命』(英語題:"The Human Revolution")で、いずれも『聖教新聞』に連載された。戸田版は創価学会草創期のエピソードを、池田版は創価学会再建期からのエピソードなどを小説化したもの。事実に基づいたフィクションの体裁を取るため、登場人物の氏名は変更されている。戸田版『人間革命』において、戸田は主人公の「巌 九十翁(がん くつお)」の変名で登場するが、創価学会初代会長牧口常三郎は「牧田城三郎(まきた じょうざぶろう)」の変名を使っていた。だが、平成以降の増刷版では牧口については実名表記となり、事実上ノンフィクションとなった。池田版『人間革命』並びに『新・人間革命』に牧口と戸田は実名で登場するが、主人公の池田は「山本伸一(やまもと しんいち)」、第4代会長北条浩は「十条潔(じゅうじょう きよし)」、第5代会長秋谷栄之助は「秋月英介(あきづき えいすけ)」の名で登場する[2]

聖教新聞社によれば、池田版『人間革命』とその続編『新・人間革命』(英語題:The New Human Revolution)は、2018年9月8日の連載終了時点で7,978回(『人間革命』1,509回、『新・人間革命』6,469回)に及んでいる[7]。日本の新聞小説の連載回数としては山岡荘八の『徳川家康』を上回り、史上最長とされた[6]

池田版には川端龍子、三芳悌吉による挿絵がある[8]
成立過程

戸田城聖は「妙 悟空(みょう ごくう)」という筆名のもと、1951年から『聖教新聞』に『人間革命』を連載して1954年に完結した。1957年に単行本が刊行され[9]、1988年に『戸田城聖全集』の第8巻に収録された[10]。これを引き継ぐ形で、池田大作が「法 悟空(ほう ごくう)」という筆名のもと、1965年から『聖教新聞』に『人間革命』を連載した[2]

戸田版は1951年4月20日(『聖教新聞』創刊号)から1954年8月1日までの3年4カ月、池田版は1965年1月1日から1993年2月11日まで幾度の休載を挟みながら28年1カ月強連載された。その後、1993年11月18日から2018年9月8日まで続編の『新・人間革命』が24年10カ月弱連載された。『新・人間革命』の単行本の最終巻となった第30巻は上下巻に分割して刊行された[11]ため、単行本は実質的には全31冊となった。これは、単行本の第1巻の前書きで「全30巻を予定している」と記したものの、第30巻が1冊で収まらなくなるほどの分量となったためである。

現在刊行されている池田版『人間革命』は、『池田大作全集』(「全150巻に及ぶ世界最大級の個人全集である」と創価学会側は主張している)に所収(第144?第149巻に収録。全12巻を6巻分に再編し、2012年9月から2013年7月まで刊行)される際に改訂されている(これを第2版とする)。第2版では、全集刊行委員会が修正を提案し、池田の了承を得て修正した箇所が複数ある[12]。変更箇所は主に日蓮正宗[13]に関連する用語などで、例えば、初版では作中に登場する日蓮正宗の僧侶を「先生」や「尊師」といった敬称で呼んでいたところを、第2版では「住職」という比較的尊敬の意味の薄い呼び方に置き換えられた[12]。この第2版は単行本としてではなく、文庫(聖教ワイド文庫)版として、全12巻が2012年12月から2013年12月にかけて刊行された。
位置付け

『人間革命』は創価学会の教学上重要な文献とされ[2]、1977年1月の第9回教学部大会での講演「仏教史観を語る」で、第3代会長池田大作は自らの『人間革命』を日蓮遺文を集めた御書(創価学会が刊行している「新編 日蓮大聖人御書全集」または「日蓮大聖人御書全集 新版」をさす)に匹敵する書物として位置付けた[14]。創価学会中央本部教学部が実施する教学試験(任用試験、3級、2級、1級の4ランクがある)を受験しようとする会員には日蓮の御書に加え、『人間革命』三部作、その中でも特に『池田版』『新』を理解することが求められた[15]。「大白蓮華#教学試験」および「御書 (日蓮)#概要」も参照

ただし、三部作はあくまでも事実に基づいたフィクションの体裁を取っている関係で、変名を使用しない完全な事実のみを記載したという意味では、同じく創価学会が発行する月刊機関誌大白蓮華』の巻頭企画の方が正史としての資料性が高い。「大白蓮華#企画」および「創価学会#名誉会長・歴代会長」も参照

聖教新聞社によれば、2018年時点で『新・人間革命』の累計発行部数は2400万部、『人間革命』と『新・人間革命』を合わせると5400万部である[16]
批判「創価学会#創価学会に対する批判」も参照

島田裕巳は、『戸田版』が別人による代作であった可能性を示唆した[9][17]。その理由として、戸田には他にまとまった著作がほとんどないことを挙げている。「戸田城聖#著作・論文」も参照

また、『池田版』にもゴーストライターが存在するという指摘が月刊ペン事件の公判で明らかにされている。「月刊ペン事件#経緯」も参照

さらに、『新』や2006年(平成18年)3月から2023年令和5年)11月に死去するまで池田が大白蓮華に寄稿していた巻頭言[18]についても聖教新聞社の担当職員が代作していたのではないかとの指摘がある。これらの指摘に対して学会中央本部は「『池田版』の一部の原稿については池田の直筆原稿ではなく、池田の妻・香峯子や聖教新聞社で『池田版』を担当していた記者[19]による口述筆記、カセットテープに録音された池田の肉声を文章化(テープ起こし)するなどして執筆されていた」[20]ことを公式に認めており、その理由として、「『池田版』は池田が多忙を極める中で執筆していたため、体調不良で直筆原稿を書けないこともあったから[21]」だとしている。「テープ起こし#効用」および「ゴーストライター#出版業界」も参照
映画

人間革命
監督舛田利雄
脚本橋本忍
製作田中友幸
出演者丹波哲郎
音楽伊福部昭
撮影西垣六郎
製作会社

東宝映像[22]

シナノ企画[22]

配給東宝[22]
公開1973年10月6日[22]


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