人間・失格?たとえばぼくが死んだら
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この記事には暴力的または猟奇的な記述・表現が含まれています。免責事項もお読みください。

人間・失格
?たとえばぼくが死んだら
ジャンルサスペンス
学園ドラマ
脚本野島伸司
演出吉田健
吉田秋生
金子与志一
出演者赤井英和
桜井幸子
横山めぐみ
堂本剛
堂本光一
黒田勇樹
斉藤洋介
荻野目慶子
加勢大周
製作
プロデューサー伊藤一尋
制作TBS

放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域 日本
放送期間1994年7月8日 - 9月23日
放送時間金曜22:00 - 22:54
放送枠金曜ドラマ (TBS)
放送分54分
回数12
特記事項:
第1回のオープニングでのタイトル表記は「人間失格」だったが、第2回から「人間・失格?たとえばぼくが死んだら」となった。
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『人間・失格?たとえばぼくが死んだら』(にんげん・しっかく たとえばぼくがしんだら)は、1994年7月8日から9月23日まで毎週金曜22:00 - 22:54に、TBS系列の「金曜ドラマ」枠で放送された日本のテレビドラマ

それまで、一般的にはそれほど知られていなかったKinKi Kidsの知名度が飛躍的に上がったドラマであり、KinKi Kidsの共演作品として話題に上る事が多いため、彼らの初主演作とされる場合があるが、全編を通しての主演は赤井英和であった。

本作のキャッチコピーは『少年を殺したのは、どの愛か』
概要

名門私立中学校を舞台にした物語で、イジメ体罰虐待自殺、父親の復讐、親子の絆などを描いた。大きく分けると、前半(第1話から第6話まで)が名門中学での誠への陰湿ないじめ問題を中心に描写、後半(第7話から最終回まで)は誠を殺した加害者たちに対する衛の復讐劇が中心に描写される。特に前半は過激ないじめや体罰描写が多く、倫理的・道徳的にタブーとされる話題を数多く扱ったことから、「過激で興味本位的な内容である」という視聴者からの批判が多かったという。

上記のような理由から、前半は視聴率面で苦戦(第2話は9.8%)したものの徐々に上昇し、平均視聴率は19.2%を記録。第6話以降は全話視聴率20%以上を記録していたが、序盤の低迷が響いて平均視聴率は20%を割った。しかし、最終回の視聴率は28.9%を記録して有終の美を飾った。

本作をきっかけに、アイドルとして活動していた堂本剛堂本光一の二人は俳優として注目を集めることとなり、その後のブレイクに繋がった。赤井の連続ドラマ初主演であったが、当たり役となった。

本作と同じく野島伸司脚本のTBS金曜ドラマ(22時台)枠で放送された、1993年の『高校教師』、1995年の『未成年』と合わせて、一般的に「TBS野島三部作」と呼ばれる[1]
ストーリー
プロローグ

東京の進学校・修和学園中等部。比較的、裕福な家庭に育つ子供達が通う私立の名門男子校が物語の舞台である。勉強熱心な生徒が成績トップを競い合うが、その様子はややヒステリックであり、それぞれの生徒の内面の陰を感じさせる。最近では、校内で飼育しているウサギが血を抜かれて惨殺されるという陰惨な事件も起きていた。大場家はラーメン屋「なにわ亭」を開業し、この名門男子校に通うため、神戸から東京に引越しをしてきた所から話ははじまる。
私立の名門男子校への転入

中学3年生の大場誠は、父親の大場衛とその後妻である大場夏美と共に神戸から東京に引っ越し、修和学園の3年A組に転校してくる。衛はラーメン屋を営み、夏美は子供をお腹に宿している。思春期の男の子にしては非常に素直で明るく、転校後のテストでいきなり学年1位を取ってしまうほど成績も非常に優秀だった。父親の衛とも仲が良く、後妻の夏美とも悪くはない距離感で生活していた。生活は貧しいながらも円満な家庭環境で育つ真っすぐな少年。これは裕福な家庭の生徒が多いものの、複雑な家庭環境を持つ修和学園に通う生徒達とはやや異質であることの伏線でもある。

誠は、同じクラスの影山留加と最初の友人になる。留加は誠の転入前までは学年1位の座を維持する優秀な生徒で他の生徒達からも一目置かれているが、誠の知らない所では校内で問題になっている「ウサギ殺し」をイジメグループの中心で率先して行っていた。また、人に対して奇行を行って戸惑わせたり怒らせるなど精神的に不安定な一面や屈折した心を持ち、飼っているハツカネズミを親友だと紹介する留加に、誰とでも友達になろうという性格の誠でも微妙な違和感を覚えつつも、心を開き留加との親交を深めていった。
誠へのイジメ?誠への不信?父子の絆

しかし、誠の生活は間もなく不幸な環境に一転する。あることがきっかけとなり、誠自身に全く落ち度は無いのにもかかわらず、イジメの標的になるのである。まず生徒達から標的となったきっかけは、ホームルームの場で、クラスで行われている「イジメ問題」に対して、異論を唱える発言をし周囲の反感をかったこと。誠がクラスのイジメから助けた元イジメられっ子の武藤和彦は、自身が家庭教師に毎日来てもらっても学年トップの成績を取れないのに、誠が家庭教師も塾も通わず学年トップの成績であることに激しく嫉妬し、本格的に変貌した。体育教師の宮崎信一は自身の女装写真を誠に盗撮されたと勘違いし(写真部顧問の新見悦男が撮ってばらまき、誠のせいにしたものであった)、その後も宮崎からの体罰についての相談を何一つ受けていないのにもかかわらず、新見からの報告により、『誠が自身の悪行をチクった』と思い込み、後述するようなより過激な体罰を行うようになった。留加は最初は違和感の残る友人関係が続いたものの、新見の策略がきっかけで誠不信に陥り、影で誠イジメへと転じる。新見の標的になったのは、誠が新見の本の窃盗現場を目撃したためと、新見自身が淡い恋愛感情を向けていた留加が誠と親友になり、後に留加から誠へ淡い恋愛感情を向けられたことにより、新見の根深い嫉妬をかったため。そして、新見が背後で生徒や教師達、父の衛の憎悪が全て誠に向くように操作した結果、誠は同級生のみならず、体育教師や父親まで巻き込んだ、周囲の全員からの近親憎悪・無理解を受ける四面楚歌の状況へと追い込まれていく。

同じクラスの生徒達からのイジメは日を追う毎にエスカレートし、宮崎からは執拗な体罰を受け、新見も表向きは理解者を装いつつ、裏では宮崎や生徒達の憎悪が誠へ向くよう陰湿な工作を繰り返した。武藤和彦はイジメグループのリーダー格になり執拗なイジメを続けるようになる。一方、親友であるはずの留加は、深層では誠に想いを寄せるが、彼を助けることによるクラスの生徒達からの報復への恐れから、誠と二人の時は友人関係を続けるものの、生徒達に苛められていても助けることはなく見ているだけであった。一時はクラス担任の森田千尋と誠を守ることを約束し、クラスの中でも友人関係を続けることになったが、新見の操作した罠により芽生えた誠への不信感から、誠を影からイジメるようになる。誠は友達だと思っていた留加に対しても次第に不信感を持ち信用出来なくなっていった。また、不幸にも森田はおろか、唯一の理解者となり得るはずの父親の衛も、誠の異変が酷いイジメによるものであることを見抜けず、誠に暴力を振るったり、責めるようになった。誠の精神状態は限界に達しており、ついには登校拒否になる。誰からも信用されなくなった誠は、神戸の実母の墓で一人うなだれるように泣いていた。そんな誠を見た衛が「元の学校に戻ろう」と提案、衛から思いがけずにかけられた言葉に誠は泣き崩れ、実母の墓の前で父子は和解し絆を取り戻した。しかし誠は衛の言葉が励みになったのか、衛に迷惑をかけまいと修和学園に通い続けることを選択した。だが、修和学園での誠へのイジメはピークに達する。登校早々イジメグループ達に屋上に連れてこられた誠は、イジメグループの一員でウサギ殺しの犯人が留加であった事実を知り、誰も信用出来なくなっていた。今回の屋上でウサギ殺しと同じように誠の血を注射器で抜くと提案したのも留加であったが、注射器を誠に刺す寸前で留加が思い止まった為、和彦が注射器を誠の腕に突きつけた。誠は刺される寸前で校内の屋上の足場の悪い屋根の上まで登り、追い詰められる。誠の状況に留加は咄嗟に正気を取り戻し、危ないからこちらへ来るよう説得し手を差し伸べるが、留加を信用出来ない誠はその手を拒否し、屋上から飛び降りた。
誠の死の理由?父の復讐劇

誠が屋上から落下した後、生死は分からないが動かなくなったため、屋上で誠を追い詰めた和彦達イジメグループの生徒はどうにかこの事件を自殺に見せかけ隠蔽しようとする。誠はその後病院へ送られ、一時は一命を取り留めたものの、容態が悪化し死亡してしまう。衛は悲しみに打ちひしがれるが、誠が生前に文通をしていた神戸のガールフレンド・菱田涼に送った手紙を通じ、誠の死の原因がイジメにあることを知り、自分が知らなかった学校での事実と、自分が息子を信用せず無理やり学校に行かせていたことに、あまりのショックで愕然とする。その後、学校・教師・生徒を相手に誠イジメの犯人探しを始める。しかし、ことなかれの態度を取る校長の新藤、学校経営上の風評を危惧する教頭の羽柴、イジメていた生徒、同じくイジメていた体育教師の宮崎らは、何事もなかったかのように衛を冷たくあしらう。

しかしある日、衛は体育教師の宮崎が誠をプールで溺れさせている写真が自宅に送りつけられたことをきっかけに、体育教師の宮崎が誠に体罰を行っていたのではないかという疑惑を持つ。衛は宮崎に問い詰めるが、疑惑を否定する宮崎。しかし疑惑が事実であると直感する衛。衛は宮崎が校内のプールの脇で一人休憩している所に、岡持の箱で宮崎の額を殴りプールの中に投げ入れ、宮崎が誠に体罰した時と同じ方法で何度も水面に顔を沈め溺れさせ、殺害する。誠の死に関わる者が他にもいることを直感した衛は、誠の同級生・間中俊平を問いただし、誠イジメのメンバーを聞き出す。俊平は、メンバーの一人として留加の名前を口にする。しかし、留加は誠の死後、精神的なショックから昏睡状態に陥っていた。衛は、留加に復讐するために影山家に忍び込み留加の首に手をかけ絞殺しようとするが、昏睡状態の中、誠の名を呼んだことから手を緩め、留加の殺害を思い止まった。留加は昏睡状態を脱したものの、車椅子歩行で重度の記憶障害に陥って子供のような精神年齢になり、誠の名以外を全てを忘れてしまった。母の小与は実家の田舎で留加をつれて暮らすことを決意し、町を去った。

プールの中に沈められていた宮崎の殺人事件はニュースになる。宮崎の死に疑念を持った警察の須藤刑事は、宮崎殺しの犯人として衛をマークし始めていた。衛は警察にマークされていることに気づきつつも、イジメていた関係者達への復讐を続ける。誠の死後早くから復讐に怯えていた誠の同級生の戸田哲雄は、森田に、誠に対するイジメがあったことやその先鋒が和彦だったことを告白し、森田は愕然とする。衛が誠の同級生の松野裕次を殺害しようとしたのを止めた森田は、体罰やイジメがあったことを裁判で公にすると衛に誓い、衛は復讐をやめ出頭することを決意する。須藤刑事に罪を告白した衛は、夏美には真相を自分の口で伝えたいと言い、一日の猶予をもらう。夏美に告白しようとする衛だが、夏美から衛宛に家に送られてきた封筒を渡される。中には誠の死の瞬間を収めた写真が入っていた。真の首謀者の存在を確信した衛は、写真を送りつけた犯人を探すために、警察から逃亡する。

裁判で証言すると森田に約束した裕次は、哲雄にも証言をもちかける。しかし、イジメグループのリーダー和彦が、裕次と哲雄への口止めに入る。屈服する哲雄に対し、裕次は和彦達に歯向かう。しかし、その日から誠の死後のイジメのターゲットとして、裕次は執拗なイジメを受けるようになる。和彦に脅され、自分の将来の不安をことさらに煽られた哲雄は、イジメの事実の証言の約束を無かったことにさせられた上、自身もやはり和彦の圧力によって裕次イジメに加担させられた。裕次イジメはエスカレートし、裕次は屈辱的なイジメを受けた上に和彦から自宅の家業への圧力を仄めかされ、口をつぐんだ。その後、大場家に赴いて誠の位牌を拝みにいくも、裁判で証言できないのにもかかわらず許しを請うたことで夏美を激高させてしまう始末であった。これらのことに耐えられず、体育館倉庫内で首吊り自殺を図るものの、改心を認めた衛からは「誠は許すよ」と声をかけられ救出された。一方の森田も、イジメの事実の追及に奔走するものの、校長、教頭、同僚教師の村田志穂、米田太一らの冷ややかな態度を前に、事実上その追及の手は阻まれることとなる。
事件の黒幕の存在

写真部顧問・新見は、直接的に誠のイジメや体罰などに加わることはなかったが、生徒や教師達、衛の精神を操り、憎悪が誠に向けられるよう背後で操作していた黒幕であった。留加の誠に対する愛情を不信感に変えるように操り、体育教師・宮崎の誠への体罰の暴走を陰から操り、また他でもない誠と衛の親子の信頼関係を引き裂くように操作した張本人であった。彼はときに写真というツールを使い、ときに言葉巧みな演技を使い、すべての人間の感情を誠への憎悪へと転化させていた。その原動力は、留加への想い、そして留加が想いを寄せた誠への嫉妬心、誠に自身の窃盗現場を見られたことにより、結果的に誠に弱みを握られている不安感からだった(誠自身は誰にも言わないと言ったにもかかわらず)。しかし新見の暴走は誠の死後もとどまることを知らず、より一層加速していった。次第に病的な精神状態の炸裂によりクライマックスを迎える。新見は刺激的な写真を盗撮しコレクションすることに喜びを感じ趣味としていて、より刺激的なシーンを写真で切り取りたいという異常な欲求に取り憑かれていた。まず衛の自宅に宮崎による誠への体罰の証拠写真を送りつけ憎悪を引き出し、衛に宮崎を殺害させ、その現場を盗撮する。衛には天国の誠が敵を討ってくれと言わんばかりに写真を送ってきたと錯覚させた(後に冷静になって、善意ある人間が見るに見かねて送ってきたと思うようになった)。それでも欲求の収まらない新見は、遂には衛の自分への憎悪を引き出し、黒幕は新見自身だということを認識させ、自分を殺害させようとする。思った通りに衛が自分を殺しに来た時、人が人を殺す瞬間の顔を収めた「究極の写真」を撮影するため、新見は自分の首を締め上げる衛の顔に向けてカメラのシャッターを切り続ける。しかし森田が途中で衛を止めに入り、殺害を思い止まるよう説得され、新見の殺害は未遂に終わった。
エピローグ

衛は、宮崎の殺人及び俊平の殺人未遂容疑、新見の殺人未遂の現行犯で逮捕される。ことの全てを背後で操っていた新見であるが、司法の手は何の裁きも彼に加えることはできず、彼は普通に生活をしていた。しかし、自身の首を締め上げる衛を写した写真のネガは、森田によって感光してしまい現像不可能になり、また、これまでの数々の事件の現場を収めた写真とネガもシュレッダーに掛けられてしまい、新見はそのショックで精神状態が崩壊する。

その後、同級生の立場で誠をイジメていた和彦は、誠の幻影に怯え続け発狂し、ドアの向こうに立つ家庭教師をカッターで切り付けてしまう。

担任の森田は、全校集会で「すべての心無い人が誠を殺したということ。他者を傷つけることで生きている実感を持とうとしているのではないかということ。そして、自分を愛するように他者も愛して欲しいと」と発言。だが、他の教師らは無責任にも聞くなと言わんばかりに生徒を退場させ、少数の生徒しか残らなかった。拍手で森田の意見に賛同するその中には、誠らしき幻影の姿もあった。焼け石に水かつ学校側は最後まで隠蔽体質を貫こうとしたというのに、なぜか森田は新しい希望を胸に抱いていた。

人影の少ない駅のプラットホームにたたずむ新見。婚約者の森田も留加も自分から離れて行き、コレクションしていた写真も無くなり、なにもかも失った新見は、手元にたった一枚だけ残った「宮崎を殺そうとしている衛」の写真を眺めていた。その時、彼が何者かの手に押され線路に転落した直後、プラットホームに進入してきた列車に轢き込まれ、そのまま轢死した。

それから7年後、森田は小学校の教師として生徒たちと共に充実した日々を過ごしていた。かつてお世話になった須藤らも巡回中に見かけるも、そんな楽しそうな森田を見て、過去の悲しい出来事を思い出させまいと、声をかけずに見守った。一方、刑務所から出所した衛の前に野球のユニフォームを着た少年が現れる。その少年の名前は「大場学」、衛と夏美の息子であった。夏美は刑務所に入った衛を出所するまで待ち続けていた。夫婦の再会と親子の初対面で話の幕は閉じる。
登場人物
大場家
大場 衛〈35〉
演 -
赤井英和誠の父。前半は誠の父としての描写が多いが、後半はこのドラマの実質的主人公となる。猪突猛進で融通が利かない面があり、誠に手をあげることがあるが、基本的には明るい性格で後妻である夏美、息子の誠との家族仲は良好。誠は性格も成績も良く、自身には勿体無いと思う程の自慢の息子である。誠の母で先妻の幸江は既に他界。現在は後妻の夏美と誠の三人暮らし。神戸から東京に転居後、大田区蒲田本町[2]にラーメン屋「なにわ亭」を開業する。実業団「関西鋼管」の野球チームに所属してオリンピックに出た事もある花形選手だったが、怪我による離脱をきっかけに出場機会を失い引退に追い込まれた事から「身体は年を取れば錆びつくが、知識は錆びつかない」という考えを持ち、誠に対し教育熱心な父親として接する。しかし、周囲の陰謀などもあり誠がイジメに遭っていることに気づけず強引に登校させようとさせ、カメラの窃盗容疑と和彦の腕を骨折させた濡れ衣を着せられた誠の言い分も信用出来ず、誠を益々追い込むこととなってしまう。しかし紆余曲折の末、神戸の先妻の墓の前で誠と和解。しかし翌日、意を決して登校した誠がイジメの末に死亡してしまう。誠の死後、菱田へ当てた誠の手紙により、具体的な事実や名前は書かれておらず曖昧な表現であったものの、校内での誠への悲惨な体罰やイジメがあったことを初めて知ることになり、誠を信じなかったことと、勉学に励ませるために殴って無理やりでも学校へ行かせようとしたことを激しく後悔し、悲しみに暮れる。その後、学校で誠の骨箱を抱え「校内でイジメはなかったのか」を生徒や教師に聞きまわったが、煙たがれ相手にされることはなかった。しかし後日、『誠が宮崎から体罰を受けていた瞬間の写真』を新見が自宅に送りつけたこと[3]により、次第に誠が校内で行われていた事の真相を知り始め、誠をいじめていた者達への殺人による復讐[4]を開始する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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