人造人間(じんぞうにんげん)は、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』、およびそれを原作としたテレビアニメシリーズに登場する架空のキャラクターたちである。 レッドリボン軍に所属する科学者、ドクター・ゲロが創造した人造人間である。 本来の目的は、レッドリボン軍の世界征服のため、最強の兵隊を作ることだった。孫悟空によってレッドリボン軍が壊滅させられた後は、悟空に復讐し倒すことに目的を変更し、非常に高い戦闘力と特殊能力を持つ様々なタイプの人造人間を作った。戦士たちが行う、気を探る索敵方法では発見不可能な者が多く、気を探ることができなかった19号と20号について孫悟飯は「人造人間だからだ。気なんかないんだ」と発言している。戦闘においては痛みも恐怖も感じないように造られているが、あまりにも戦闘力が上の相手にはその限りではない[注 1]。13号から20号までの人造人間の共通点として、両耳に同形状のイヤリングを付けている。 通常の機械兵器では敵に渡って利用される恐れがあり、ドクター・ゲロは自分で考える能力を持つ人造人間の開発に踏み切った[1]。
概説
人造人間
人造人間の種類
ドクター・ゲロが製造した人造人間は大きく4種類に分類される[2]。原作の人造人間は、セルをバイオタイプに含め2種類に分類されることもある[3]。
メカタイプ
全てが人工素材で[4]無から生み出された16号、19号や、体の半分は人間である[5]20号などがこれに相当する。なお、ゲロは自身が人造人間20号になった理由について「永遠の生命が欲しくてな」と発言している。16号、19号、20号の体には反重力装置が埋め込まれており、気の力に関係なく飛行することができる[6]。無機物で構成されているため生体エキスがなく、セルはこのタイプを吸収することはできない。
バイオタイプ
生身の人間をベースにした17号、18号がこれに相当する。「サイボーグ」とトランクスは悟空に説明していた[7]。17号の設計図を見たブルマは「人間をベースにして、ほとんど有機質だけで改造してある。これなら確かに細胞レベルで融合するのも可能かもしれない」と解説しており[8]、地球最高レベルの科学者であるブルマとブリーフ博士ですら驚愕するほど、その技術力は高いものだった。18号はロボットなのに子供ができたのかという悟空の問いにクリリンも「ロボットじゃない。人間をほんのちょっと改造しただけ」と発言している[9]。有機質以外では小さな機械がわずかに使われており、10メートル以内まで近づき専用のコントローラーを使うことで動きを止めることができる緊急停止用の回路が体内に組み込まれている[10]。当初、17号と18号の体内には爆破装置も取り付けられていたが後にクリリンの神龍への願いで取り除かれた[11]。17号や18号のような人間改造型の場合、基本は人間なので修業をすればさらに強くなれる[12]。また、細胞の劣化が遅く年のとりかたも遅くなり、食事の必要はないが水分補給は必要である[12]。17号と18号もメカタイプと同じく気を持たない(自身の力はエネルギーと呼んでいる)ため、悟空たちは感知することはできない[注 2]。さらに、体内に搭載された永久エネルギー炉によりエネルギーには限界がなく、どれだけ動いても体力が落ちることがない。戦闘力が同じぐらいの者と戦う時は有利に働くため、17号や18号はベジータやピッコロと戦った時はスタミナ面で優勢に立つ場面が作中で描かれている[13][14]。アニメ『ドラゴンボール超』第83話「第7宇宙代表チームを結成せよ! 最強の10人は誰だ!?」での悟飯の発言によると「人造人間17号と人造人間18号の2人は元は人間で、細胞レベルで超人に改造してあるだけ」とのこと[注 3]。
バイオ人造人間[16]
遺伝子と細胞操作でコンピューターが20年以上かけて作り出した人工生命体のセルがこれに相当する。なお、原作における8号や原作に登場しない1号?7号、9号?12号は、19号と同様に全人工製である[17]。劇場版作品に登場した13号?15号は原作には登場せず、どのタイプに含まれるか不明である。この他にも原作には登場していない、アニメの『ドラゴンボールGT』に登場した究極の人造人間である超17号も存在する。