人造人間クエスター
The Questor Tapes
監督リチャード・コーラ
『人造人間クエスター』(じんぞうにんげんクエスター / 原題:The Questor Tapes) はアメリカのSFテレビドラマ。1973年にNBCで制作され、1974年1月23日に放映された。『宇宙大作戦』の原作者であるジーン・ロッデンベリーがテレビシリーズ化を前提に企画したものだが、単発番組のみで終わっている。日本では1977年1月2日にNHK総合で『人造人間クエスター』のタイトルで放映された[1]。 『宇宙大作戦』を成功させたジーン・ロッデンベリーは、同番組の終了後、新たなテレビシリーズを模索していた。ロッデンベリーは、本作をテレビシリース化を前提としたパイロット版として製作した。 本作の主役であるロバート・フォックスワースとマイク・ファレル
概要
ロッデンベリーとユニバーサル、NBCの間で、このシリーズの制作方針は最初から食い違っていた。とりわけ、パイロット版のラストに描かれる啓示を無視し、ロビンソンを登場させないという方針についてロッデンベリーは強い難色を示したため、シリーズ化は取りやめとなり、このパイロット版のみが単体放映された[2]。なお、本作は1975年度のヒューゴー賞(映像部門)にノミネートされている。
音楽は、ジャズミュージシャン及びサックス奏者として高名なギル・メレの手によるものである。この作品のために作られたテーマのうちのいくつかは、同じくユニバーサル作品である『事件記者コルチャック』に流用されている[3]。
2010年頃、アメリカで再度テレビシリーズ化の企画が持ち上がったが[4]、2019年現在続報はない。 オープニングにミケランジェロの絵画「アダムの創造」が映され、これが創造主と被創造物との物語であることが暗示される。 2度のノーベル賞受賞歴を持つ科学者のエミール・ヴァスロヴィック博士は、アンドロイドを開発する「プロジェクト・クエスター」を推進していたが、研究半ばで消息を絶っていた。ジェフリー・ダーロ博士を中心とする残された専門家チームは、ヴァスロヴィックの暗号化された記録テープを解析するが失敗し、プログラムの半分を消去させてしまう。次にダーロは、ヴァスロヴィックの助手だったジェリー・ロビンソンの意見を退けて、新たに開発したプログラムのインストールをアンドロイドに行うが失敗、更にヴァスロヴィックの残したテープも試すものの、結局アンドロイドは起動しなかった。しかし、スタッフ全員が研究所を引き上げた後、突如アンドロイドは起動する。不完全の体を自ら完成させると研究所から脱走し、ヴァスロヴィックの研究記録施設から情報を盗み、自らをクエスターと名乗るようになる。 ダーロはロビンソンの言動に不信感を抱いており、失踪したヴァスロヴィックについて秘密を抱えているのではと疑い、ロビンソンに自宅軟禁を命ずる。程なくしてロビンソンの自宅にクエスターが侵入し、自らの創造主であるヴァスロヴィックの捜索協力と、その手掛かりとなるロンドンへの渡航を要請する。ロビンソンは渋々ながらも行動を共にすることを認め、クエスターが持つ情報を頼りに二人はロンドンへ向かう。 クエスターとロビンソンが逃亡したと見なしたダーロは、軍や警察の協力を得ながら行方を追う。二人は追跡を逃れつつ、ヴァスロヴィックの協力者だという謎の女性、レディ・ヘレナの邸宅に赴き、その地下室にはヴァスロヴィックが設置した高度な情報収集センターがあることを知る。そこで多くの情報を得たクエスターは、ロビンソンに感謝の伝言を残して行方をくらまそうとするが、追ってきたロビンソンに引き留められる。クエスターはロビンソンに、ヴァスロヴィックが潜む場所はノアの箱舟に関係していること、プログラムされた期限までに彼を見つけなければ自分の体内原子炉に組み込まれた起爆装置が作動する旨を告げる。
あらすじ