人造人間キカイダー_(漫画)
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}人造人間キカイダー > 人造人間キカイダー (漫画)

『人造人間キカイダー』(じんぞうにんげんキカイダー)は、石ノ森章太郎による日本漫画作品。また、それ以外の漫画作品についても解説する。
概要

本作品は、特撮とのタイアップ作品として小学館の『週刊少年サンデー』(1972年30号 - 1974年13号)に連載された。しばしば特撮版の原作とされるが、それは正確ではない。テレビ企画が先行する過程で原作者として石ノ森が起用され、さらに東映側の企画者として平山亨吉川進が加わり制作されたものである[1]。当時の『週刊少年サンデー』や『小学二年生』などの新連載予告では『人造人間ゼロダイバー』となっており、直前になって変更された。

内容は、悪の組織ダークのロボット対人間型ロボット・ジロー=キカイダーの戦いを中心としている。その一方で、主人公ジローはたびたびピノッキオに例えられ、「不完全な良心回路」を持つゆえに悪と正義の狭間で自らのアイデンティティに悩む姿が描かれた[注釈 2]。ジローが抱える「人間になりたい」という悩みはラストでも完全に解決する事はなく、読者に問題提起する形をとっている。

テレビ版とは基本設定を同じくしながらも展開は異なっている。まず、テレビ版のジローが20代前半の青年であるのに対し、漫画版は10代後半の少年であるため、表現される彼の悩みや葛藤は、かなりニュアンスが異なっている。また、テレビ版の続編では主人公となるキカイダー01が登場しても、主人公はジローのままで、タイトルは『人造人間キカイダー』として連載が続行された[注釈 3]

終盤は『イナズマン』との同時連載となったが、石ノ森に割り当てられたページ数の大半が『イナズマン』に費やされたため、本作のページ数は週6ページまで激減した。

本作の作画は石ノ森の弟子にあたるひおあきら土山芳樹細井雄二山田ゴロの4人の分担で行われた[2][3][注釈 4]。石ノ森はネームと下書きまでで作画に直接タッチせず、山田が原稿をもらうと、4人で分担して2日ほどで仕上げた[4]。細井は個々にやりたい箇所を作業していたため、ページによってキャラクターの絵柄が異なっていると証言している[2]
登場キャラクター

キカイダー01などの一部のキャラクターは、設定を少し変えた上でテレビ版の続編『キカイダー01』にも登場する。
キカイダー

派生作品でのキカイダーについては、キカイダーを参照。
キカイダー/ジロー
自然警備隊の一員だった息子・一郎を殺された光明寺博士が「絶対に殺されない自然警備隊」として完成させた13体のロボットのうちの1体。研究を援助するギル教授の企みに気づいた光明寺博士に、悪の命令に従わないための「良心回路(ジェミニィ)」を埋め込まれる。しかし、完成直前に光明寺博士がダークの襲撃を受けたため、不完全なままの良心回路を持って誕生した。人間の姿の時の名前はジロー。音楽好きな光明寺博士がギターを持たせた。ギルの笛やサブロウの口笛の音に反応し、苦しんだり自分の意志と無関係に悪事を働かされたりしてしまう。劇中で良心回路が完成する事を望んでいるシーンがある[注釈 5]。少年らしく、かなりわがままな一面も見せた。不完全な良心回路の影響で、キカイダーにチェンジした際に左右のデザインとカラーリングが違っており、表皮の一部が透明になっていて内部が見える。物語終盤、ゼロワン達と共にギル・ハカイダーに捕らえられた際に「服従回路(イエッサー)」を組み込まれる。良心回路を持っていないゼロワン達は服従回路の効果によってハカイダーに忠誠を尽くすが、ジローは服従回路と良心回路を併せ持ったことによって人間と同じ善悪の「心」を持つようになる。そのためをつくことが出来るようになり、服従回路の力でハカイダーの言いなりになっていたビジンダーを欺いて窮地を脱する。最後の戦いにおいては、装備していることは知っていたが強力すぎるため使わずにいた内蔵武器「ブラスター」を初めて使用し、ハカイダーの僕に成り下がってしまった仲間たちを、次いでハカイダーを一撃で葬った。戦いが終わってアキラとルミを救出した後、善と悪との「心」の戦いに苦しみながら一人でその場を立ち去った。漫画『イナズマン』の「ギターをもった少年」の回ではその後のジローが登場し、イナズマンに服従回路を破壊された。
キカイダー01(キカイダーゼロワン)/イチロー
ジローの兄。光明寺博士が最初に造った人造人間。太陽電池で作動する。特撮版と違って良心回路を持っていないため、ジローより直情的。作中では自身の電子頭脳がジローの電子頭脳の試作型であるため、ジローほど深くは思考しないと述べている。また、それくらいがちょうど良く、ジローには考え過ぎであると忠告を行う。風天和尚が「科学を正しく使うためには正しい精神が大切だ」と光明寺博士を諭し、飛騨奥山の木菟寺に隠させたが、キカイダー(ジロー)が山木菟寺を訪れるとともに目を覚ます。人間を守るために戦わなければいけない理由が今一つ理解できずに投げやりになる事がある。また、ジローに対して生々しい嫉妬や劣等感をのぞかせたことがある。一度ビジンダーに電子頭脳を破壊された。初登場時の一人称は「僕」だったが、その後は終始一貫して「俺」になった。
キカイダー00(キカイダーダブルオー)/零(レイ)
イチローやジローの弟(開発ナンバー上は最初であるが、製作順では最後発)。光明寺博士が残した設計図を元に、イチローたちと別行動を取っていたジローが寂しさを紛らわすために造った。しかしただの話し相手ではなく、ジロー自身の戦闘力を補うために、戦闘力もイチローやジローより高く造られている。イチローと同じく良心回路は持っていないが、がさつな性格のイチローと違いクールで無表情。ビジンダー・ミエ子に「愛情を持つと人間とロボットの違いを思い知る」といった否定的意見を語っている。
キカイダーの協力者
光明寺博士
本名、光明寺伝。ロボット工学の世界的権威。ジローを含め13体の人造人間を作った。自然破壊警備隊員だった息子が殺された事をきっかけに、人造人間の研究に没頭する。研究の後援者、ギル教授の企みへの対抗措置として、密かに良心回路を開発しジローに埋め込む。その時にギル教授率いる悪の組織「ダーク」に研究所を襲われ誘拐される。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:54 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef